第4章 提案4-1 キャンパスリニューアル計画について現在筑波大学施設部で進められている、筑波キャンパスのリニューアル計画がある。 このうち道路に関する項目は、
とされ、このうちループ道路の改修については総合研究A棟・B棟前等一部で完成している。 同区間ではループ道路の内側の歩道について幅員を5m程度に拡幅の上舗装改修している。 以下の提案では、このキャンパスリニューアル計画の進展に併せてバス停の改修を行うことを前提とする。
4-2 改善案の提示4-2-1 明瞭性我々はバス停に求められる明瞭性を 「バス利用者に求められる情報表示の分かりやすさ」と定義した。 対象物は案内図・路線図・料金表・時刻表などである。 コンセプトは「誰にとってもわかりやすい」こととし、 バスを利用する人に必要な情報を1枚の案内板にまとめて表示することにより、 わかりやすさの向上を図った。 具体的には停留所名表示・周辺の路線図・運賃表・時刻表・バスの利用案内が必要であると考え、 さらにTXつくば駅の時刻表があると便利であると考え、これらを1枚にまとめた(図4-1)。
図4-1 バス停に設置する案内板 クリックすると拡大します
4-2-2 快適性快適性は「バス利用者に求められる身体的・精神的心地よさ」と定義した。 つまり、バスを待つ時間の快適さを向上させるための方策である。
待ち時間の快適さを向上させる方策として、 ■待ち時間の身体的・精神的負担を軽減させる方策■待ち時間の身体的負担を軽減させる方策としては上屋・ベンチの設置が基本であるが、 学内のバス停においてはこれらの設備の充足率が高い(図4-2)ことから、 身体的負担の水準は現状で十分であると考えた。 現状をもとにさらに快適性を上げるため精神的負担に着目し、 「待ち時間を楽しくする」ことを目標として提案するのが、掲示板の設置である。 掲示板の設置により大学やサークルの情報提供が可能になる他、 利用者にとってもバスの待ち時間に掲示物を楽しむことで精神的負担が軽減すると考えられる。 なお、掲示板の利用は秩序維持のため大学当局による許可制とする。 掲示板の名称は「コミュニケーションボード」とする。
図4-2 学内停留所における設備充足率
■待ち時間そのものを減少させる方策■1次アンケートより利用者の51.4%は 事前にバスの時刻を確認せずにバスを待つことが明らかになっている。 そのため、事前にバスの時刻を用意に確認できる手段を整備することで時刻の確認を促し、 待ち時間を減少させることができる。 具体的には、現在大学生への普及率が9割を超す携帯電話のアプリ機能を利用して、 最寄りのバス停の時刻検索をリアルタイムで実現可能なシステムを配信する(図4-3)。 これにより、待ち時間を減少させ、結果快適性が向上すると考えられる。
図4-3 携帯アプリによる時刻検索システムの例
4-2-3 安全性安全性は「バス利用時に求められる安全さ」と定義した。 つまり、バスを待つ間・乗降時に危険を感じないこと、安心して使えることである。 車両側の対策もあるが、ここではバス停側の対策に限定する。
■バスを待つ間の安全性■1次アンケートで、26.1%の人が 「バスを待つ間、通過する自転車に危険を感じたことがある」と回答している。 現在学内のバス停は歩道の幅員を一杯に使用しており、 必然的に自転車はバス停内を通過せざるを得ない。 前述のキャンパスリニューアル計画により 歩道の幅員が増加するのに合わせて歩行者と自転車を分離する。 併せてバス停部分では歩道をさらに道路内側へシフトさせることにより、 バス停と歩道の分離を図る(図4-4)。 さらに、バス停部分の舗装の色を変更することでバス停であることを認識させ、 バス停内の通過を防止する。
図4-4 バス停と歩道の分離 左:現状 右:分離後
■乗降時の安全性■バス乗降時、歩道と車両出入口の間が広く開くことがあるが、 高齢者や身体障害者にとっては危険な要素となる。 ノンステップバス導入など車両側でのバリアフリー対策は進んでいるが、 車両に乗り降りする段階では解決にならず、 停車時に車両を歩道に寄せることが必要である。 そこで、新型のバスベイの導入を提案する。 従来型のバスベイでは通過自動車に便利である一方で車両を寄せて停めるのが難しく、 利用者に不便・危険をもたらす。 新型のバスベイ導入により寄せやすく、バス停車時も他の自動車に邪魔にならない、といった利点がある。 ただし、通過車両が多い場合に発車しにくいという欠点を持つ。
4-2-5 独自性独自性は「筑波大学のバス停としての独自さ」と定義する。 学内にバス路線を持つ大学は国内で数少ない存在である中、 特徴的なバス停を整備することで筑波大学としての独自さをアピールするねらいがある。 2次アンケートより他の3項目より優先順位が低いため、 他の項目を充足する整備と同時に実施するのが望ましい。 筑波大学のイメージである「筑波紫」・「桐の葉」など大学のイメージを導入する、 学群ごとに特色あるウェルカムボードを設置する、 芸術専門学群生・教員によるオブジェクトを設置する、 などといったことにより「筑波大学」らしさを演出する。 先進的なイメージを持たせることで1次アンケートで得られた 「不潔な」「ダサい」といったイメージを払拭するだけでなく、 バス停自身が「筑波大学」のイメージリーダーになることを目指す。 |
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