7.提案(3)



 7.3 水道水利用の効果の検証

 また、水道水を利用する経済的な効果を検証してみた。
 まず、ミネラルウォーターを使用しなかった場合どの程度のペットボトル量およびコスト削減ができるか分析してみた。


PETボトル廃棄量の削減

(つくば市内の全世帯数)=72,832(世帯)※1
(ミネラルウォーターを利用している割合)59/123 ※2
0.4796748
(1ヶ月あたり平均使用量)=4.50857(リットル/世帯/月)※2
(1ヶ月あたり利用本数(500mlPET換算))(1ヶ月あたり平均使用量)/0.5
29.017143(本/世帯)
(リサイクル率)=0.623 ※3
(廃棄率)1−(リサイクル率)
0.377
(一本あたりの重さ)=35(グラム/本) ※4
(年間ゴミの削減量)(つくば市内の全世帯数)*(ミネラルウォーターの利用している割合)*(利用本数(500ミリリットル))*(廃棄率)*(一本あたりの重さ)*12ヶ月/1000000
72,832(世帯)*0.4796748*29.017143(本/世帯)*0.377*35(グラム/本)
160.51456トン

※1 つくば市市民べんり帳 
※2 2006年度生活安全環境班のアンケート結果より
※3 PETボトルリサイクル推進協議会PETボトルリサイクル年次報告書
※4 用途や容量にもよるが、20〜50g程度が多い(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)


 飲み物のペットボトル、ガラスのビンや缶などの「容器包装」のゴミが家庭ゴミの61.3%(プラスチックは40.9%)を占めており(容積比)※5、ペットボトルを使用しないことは家庭ゴミの大幅な軽減につながる。
 また、経済産業省のすすめる、3R政策(reduce,reuse,recycle)※6の1つである廃棄物の発生抑制(reduce)につながるという利点もある。

※5環境省こども環境白書平成17年版 (http://www.env.go.jp/kids/02.html)
※6経済産業省(http://www.meti.go.jp/policy/recycle/)


 この間接効果は、ペットボトルの精製のときに利用される、石油のコスト、その時に発生するCO2の環境負荷、また、ペットボトルの廃棄に関わる人件費などを考慮すれば、さらに多額の間接効果が期待される。
 PETボトルは、地下資源(地下に埋蔵されている枯渇性資源)よって造られた物なので、廃棄すると微生物には分解されにくく、半永久的に廃棄物として残りつづける。この点からもPETボトルの消費の抑制は環境面から見て不可欠なのではないだろうか。

 また以下のようなコストを削減できる。
(一本あたりのPETボトルのコスト)=20円 ※5
(年間PETボトル費用削減費)(つくば市内の全世帯数)*(ミネラルウォーターの利用している割合)*(利用本数(500ミリリットル))*(一本あたりのPETボトルのコスト)*12
243296032円
と、年間約24000万円分の余分なPETボトルを製造しなくて良いことがわかる。

※ 5ペットボトルのコストは10円から30円と推定される。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

以上のように様々な面で、水道水の利用は効果的だと考えられる。


飲料水にかける費用の削減

 2003年度生活環境安全環境班の報告によると、飲料水をすべてミネラルウォーターで賄うと、月当り17700円かかるとされている。※6
 そこで水道水を飲料水と用いた場合の、従量費用(飲料水として用いていなかった時に比べ、どれだけ余分に払う必要があるかという費用)を計算し、ミネラルウォーターと比較することにした。

(1世帯あたりの平均人数)(人/世帯)=3.287878788(人/世帯) ※2
(1人が1日に消費する量)(リットル/人)=2(リットル/人) ※6
(1世帯あたりで1日に消費する量)(リットル/世帯)(1世帯あたりの平均人数)*(1人が1日に消費する量)
6.575757576(リットル/世帯)
(1ヶ月(4週間)で消費する量)(リットル/世帯)(1世帯あたりで1日に消費する量)*7*4
                        184.1212121(リットル/世帯)
(12リットルあたりの値段)(円/リットル)=795円 ※7
(1世帯あたり、1ヶ月で消費する水の値段)(円)(1ヶ月(4週間)で消費する量)(リットル/世帯)*(12リットルあたりの値段)
12198.0303円
※6 シンコー株式会社質問(Q&A)の館 (http://homepage1.nifty.com/shincoo/m213situmon-4.html)
※7 2003年度生活安全環境班p.p13


という結果になり、ミネラルウォーターでは約12000円かかることがわかる。

一方,水道水は、
1ヶ月(4週間)で消費する量は変化しないので

(1ヶ月(4週間)で消費する量)=184.1212(リットル/世帯)

立方メートルに換算すると

(1ヶ月(4週間)で消費する量)=0.184(立方メートル/世帯)

 水道料金は1立方メートル使用するたびに従量料金が加算されるので、水道水を飲み水として利用すれば料金が加算されずにすむ。
 もし加算されたとしても1立方メートルあたり120円前後であるので、ミネラルウォーターに比べれば遥かに経済的である。
 現在電気代や、水道代を節約しているが、余計な物を買わない、賄える物があれば、それで賄った方が経済的ではないだろうか。上にも述べた様に、水道水は家計の火の車の消火役になってくれるのである。





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