5.結果・分析(5)
5.5 スーパーなどにおける給水サービスの利用実態
給水サービスの利用状況
利用者自体は16%とあまり多くはないが、「利用してみたい」という“潜在的”利用者を
加えたとすれば、総数は41%と約半数を占めている。また、利用してみたい人の中には内容が
よく分からないので、利用している人のお話を聞いてみたいという声もあった。

<図12 スーパーなどにおける給水サービスの利用状況>
利用用途
水道水および浄水器を通した水の利用用途と比べて、給水サービスの水利用は直接口にする水・
料理水に限られる。

<図13 給水サービスの利用用途>
給水サービスを利用する理由
「おいしさを求めて」と「安全性の確保」が同等に重視されていることが分かる。
これは、給水サービスが水道水の補足的機能を果たしているということである。また、ミネラル
ウォーターに見られるような「飲む」水としての機能を若干有しており、より、高位な水にシフト
したものといえる。浄水器とほぼ同質のサービスであるといえるが、利用者の数が浄水器に比べ
かなり少ないということを考えると、住民にとってはあまり身近な水サービスとはいえないようだ。
(給水サービスの(ボトル)はおいしくも無く安全でもない。)

<図14 給水サービスを利用する理由>
給水サービスの利用状況
利用者は、週に約2回(ave=1.795455, δ=1.201775 ※)給水サービスを利用し、一回あたり
約4リットル(ave=4.272727, δ=3.312053)給水している。しかし、利用者の中には1回当りに1
0リットル以上給水する人も少なくないことがわかった。
※ ave=(平均) δ=(標準偏差)
給水サービスに対する満足度
給水サービスを利用している人の78%は給水サービスに満足している。給水サービスに対する
満足度は水道水や浄水器に対する満足度よりも高いことが窺える。給水サービスが無料であることが
利用者の満足度に直接的な影響を及ぼしているということが言えそうだ。なぜなら、
多くの利用者は無料であることを利用理由としていたからである。こういった点を勘案すると、
住民にとってはミネラルウォーターに「お金を払う」ことよりも、給水サービスに
「給水を受けに行く手間」のほうが負担となっており、その負担が満足感にすり替わっているとも
言える。この話題には、水質に関することは何ら関係していない。このことから「水」に対する
満足度は、水そのものよりもその水を手に入れる過程によって決められるのではないだろうかと
いう推論が出てくる。

<図15 給水サービスに対する満足度>
給水サービスの水がおいしくなく・安全でないことを考慮すると、人々は水に対して手間を
かければ満足度が向上するということがいえると考えられる。
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