【2. 調査結果】

2.1. 資料から



 私たちはまず、新庁舎建設事業の現状を知るために、つくば市企画部庁舎建設準備室へのヒアリングを行った。
 ヒアリングでは、新庁舎建設の現状からの必要性や建設に関わる試算などを伺い、検討報告書の概要を頂いた。報告書では、新庁舎の建設にかかる総工費は150億円に上ることが推測されていた。しかし、立地場所などの詳細は決まっておらず、検討中の域をでていないことが確認された。
 そこで私たちは詳しい現状把握のために、つくば市の財政、つくば市役所職員数、市民の庁舎利用、業務効率の実状などを細かく調査した。以下がその調査結果である。

 ・つくば市の財政− 年歳入が約1000億円、それに対し市債残高が約500億円あり、そのうえ年間約6億の市債を発行している。つくば市の財政は厳しいと言うのが現状である。

 ・つくば市の職員数− 平成13年現在のつくば市の一般行政職に携わる職員数は1000人であり、人口一人あたりの職員数は0.00628人であった。人口増加による影響はあるものの、昭和63年の旧町村の合併によるつくば市誕生時から、茎崎町の合併を経ても職員数の大きな減少は見られない。また、本庁舎方式の他市事例を参考に、人口250人に1人という数でつくば市の人口を20万人として換算すると800人で行政を行えるのではないかと考えられる。


図2.1 人口一人当たりの職員数推移(一般行政職)


 ・市民の庁舎利用−市民の庁舎利用は、来庁者数のデータ(表1.1)より、証明書発行などの窓口業務に集中しており、全体の約3割をしめている。現状として、分庁舎方式と5箇所の出張所により、窓口関連の市民サービス力に大きな問題はないといえる。

表2.1 各課別来庁者数    (出所:つくば市役所)


 ・業務の効率性― 業務の効率性をはかるため、情報公開制度によりH14年4月から6月の3か月分の公用車運用記録簿を入手し、1日当たりの庁舎間移動頻度(回数)を集計し、マトリックスを作成した。(表1.2)         このデータを見ると、谷田部と筑波(都市整備建設部)が一日当たり11,3回、次に谷田部と桜、(保険福祉部)が一日9.9回、谷田部と豊里(教育部)一日7.7回、谷田部と大穂(経済部)一日7.2回、谷田部と桜(市民環境部)一日6.0回となっており、谷田部に移動が集中していることが分かる。

表2.2 1日当たりの庁舎間移動頻度(単位:回)

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