【1.はじめに】
市町村の庁舎方式は、全ての部局を一つの建物にまとめた本庁舎方式と、部局を複数の庁舎に分散させた分庁舎方式、また、それぞれの庁舎ごとに全ての部局を配置した総合庁舎方式の3つがあり、現在のつくば市は分庁舎方式をとっている。
つくば市は、昭和62年に筑波町、大穂町、豊里町、桜村、谷田部町が合併して誕生した市であり、昨年11月には茎崎町をも吸収合併したという経緯を持つ。現在も旧町村の役場をそのまま残しているため、前述のような7庁舎による分散庁舎となっているのである。
この分庁舎方式には大きな欠点がある。まず市民にとって、どの庁舎に何課が配置されているのかが分かりにくい。もし分かったとしても、用件が複数ある場合、また、一つの用件でも担当がいくつかの部局またがる場合には、庁舎間をわざわざ移動しなければならない。
このようなことは市民に限らず、市の職員にとっても起こりうる。部局が一つの庁舎にまとまっていれば部局間移動や話し合いもスムーズに行われるのだが、つくば市においては20km近く離れている庁舎もあり、業務の遂行において非常に効率性を欠いているといえる。
このような非効率を解消するためにつくば市は、昨年度の茎崎町合併を契機に、庁舎建設準備室を設置し新庁舎を建設する方向で話を進めている。しかしながら、現段階において具体的な方針は固まっていないのが現状だ。
そこで私たちはつくば市の庁舎システムを十分に理解した上で、市が考える新庁舎建設案にとらわれることなく独自の手法で、つくば市におけるよりよい庁舎形態を提案することを目的とする。
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