【2. 調査結果】
2.2. 庁舎間移動経費
先に述べた、公用車運用記録簿から、1年間にかかる庁舎間移動のための費用を求めた。その試算結果は、2945万円/年となった。その計算過程は以下の通りである。
[ガソリン代を求める]
ガソリンは1リットル当たり100円とし、公用車の燃費は1リットル当たり10kmとすると、ガソリン代は、移動距離÷10(q/l)×100(円/l)で求められる。移動距離は、分庁舎方式であるために最低限必要となる移動経費を求めるために最小の値にしたい。そのため、(庁舎から庁舎への最短経路)×(庁舎から庁舎までの移動回数)で求める。庁舎間の最短経路は表1.3の通りである。
例) 谷田部庁舎から他の庁舎への総移動距離(片道)
= (桜庁舎までの最短経路×桜庁舎までの移動回数)
+(大穂庁舎までの最短経路×大穂庁舎までの移動回数)
+(筑波庁舎までの最短経路×筑波庁舎までの移動回数)
+(豊里庁舎までの最短経路×豊里庁舎までの移動回数)
+(茎崎庁舎までの最短経路×茎崎庁舎までの移動回数)
+(春日庁舎までの最短経路×春日庁舎までの移動回数)
= (9.3*305)+(13*189)+(17.7*278)+(9.6*252)+(8.1*22)+(7.4*28)
= 13018.7
このような計算を7つ庁舎の全てについて行い、その合計は、45603.2q(片道)となった。この数字は、庁舎から他の庁舎への3ヶ月間の片道の総計であるので、それを1往復の距離に直すと、倍の91206.4qとなる。これを1年分に換算するために4を掛けると、364825.6qとなる。よって、ガソリン代は、
364825.6 (q)÷10(q/l)×100(円/l)=3,648,256(円)
約365万円という試算になる。なお、つくば市職員の方の話によると、庁舎間の移動に私用車を用いることは、職員個人の経費にしかならないためにまず有り得ないということだった。
[庁舎間移動のための職員賃金ロスをもとめる]
平均移動速度を30q/hとするとし、(移動距離)÷30×(つくば市職員の時給)で求める。移動距離は既に求めた。つくば市職員の時給は、(平均給料月額)÷(1か月の労働時間)で求める。*平成14年4月1日現在でつくば市一般行政職員の平均給料月額が373,386円である。
つくば市の一般行政職員の1か月の労働時間を試算する。つくば市職員が1か月に22日間、1日8時間働くとすると、1か月に働く時間は、8×22=176時間となる。よって、つくば市職員(一般行政職)の時給は、373386÷176=2121.51・・・、およそ2122円である。以上より、庁舎間移動のための職員賃金は、
364825.6÷30×2121.51・・・=25799388.54・・・
およそ2580万円である。
よって1年間にかかる庁舎間移動経費は、
365万+2580万=2945万円 と試算された。
表2.3 庁舎間最短距離
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