G 地権者と里山の関わり
里山の変遷@ (1950年代)
地権者は、里山を燃料・肥料・食料を得る為の場として利用していた。すなわち里山は地権者の生活の一部となっていた。その為、里山は地権者に管理され、管理されることで持続的利用が可能であった。
里山の変遷A (1970〜1980年代)
エネルギー革命や産業構造の変化から、石炭などの燃料の利用価値が下がり、里山は次第に利用されなくなる。この時期から徐々に、里山は地権者によって管理されなくなる。
里山の変遷B (1980年〜現在)
更に、相続税などの地権者の経済的負担、後継者不足などの要因が拍車をかけ、地権者は里山を利用しなくなる。また松枯れなどの影響が地権者の里山利用を困難なものにする。里山は管理されなくなり、荒廃しているのが現状である。
社会の動き
一方で、社会では経済優先政策などの反省から、緑地を保全しようとする動きが活発化する。そこで、里山の存在が注目されるようになり、里山を保全しようとする団体が設立されるようになる。
結果的に、保全団体がこの構図に関与するようになる。地権者と目的は違うが、かつての地権者同様、里山を保全することになる。