土浦協奏曲

新治地区Niihari District

背景Background

新治地域は田園・山林の割合が地域の中で最も高く、豊かな自然環境や田園環境が広がる一方で人口減少・少子高齢化が最も顕著な地域です。土浦市の医療施設は常磐線沿線地域に集中しており、常磐線から離れた地域ではあまり数が多くありません。地区別に人口当たりの診療所数をみると新治地域と北部地域で全国平均の約半分しかないという状況です。

特に、常磐線が通過しない新治地域の医療施設は内科系の診療所が2か所、整形外科系の診療所が1か所の合計3か所と医療体制が充実しているとは言えない状況です。これでは新治地域の住民は内科・整形外科以外の医者にかかりたい場合、遠くの診療所または病院に出向く必要があり、日常のちょっとした悩みを医者に相談しづらい環境であると言えます。

また、土浦市全体の農業の現状として農家人口減少や高齢化といった問題が生じており、農業の担い手がいないことが挙げられます。このことから土浦市の農業の衰退や耕作放棄地の増加が予測されます。特に新治地区に関しては、現状で耕作放棄地が多く耕作放棄地を対策する重要性が高いです。また、土浦市の調査より新治地区の住民から求められているものとして、豊かな自然を活かした観光や農業の振興が多いことが明らかなっています。

構想Concept

以上の背景より、新治地区を「自然を生かし、人を生かす都市」とします。

出張診療所Temporary Dispensary

様々な科が日替わりで診療を実施する出張診療所を新治地域に整備します。

目的Purpose

・医療に対する市民満足度を全項目最高値の3.62に向上させる

・地区別の人口10万人当たりの診療所数を50以上にする

様々な科に身近で診察してもらい、日常生活での悩みを相談しやすくすることや土浦市内の診療所配置の均等性を確保することを通して医療における市民満足度の向上を目指します。

施策内容Content

この施策では、ひとつの診療所に月曜日は整形外科、火曜日は皮膚科、水曜日は眼科といったように曜日ごとに異なる科の診療を行います。これによって受診者は曜日の制約こそありますが、身近な悩みを相談するのに長い距離と時間をかけて遠くの診療所へ行かなくてもよくなります。

 場所はさん・あぴお内の一角を診療所として改装します。整備にかかる初期費用を市が負担し、運営は医療法人が行います。診察を担当する医師は土浦市内の病院や大学医局から医者を派遣してもらうように交渉する他、アルバイトの医師を雇うことを想定しています。

新治地域の人口は減少傾向であり、人口から予測した年間受診者数は40年で約70%に減少する見込みですが、休診日を増やす、毎週ではなく2週に1回診療を行う診療科を作るなどして経費を削減し、新治地域の需要に見合った診療を実施することで事業を継続することができると考えています。

この取り組みが上手くいけば、この取り組みをモデルケースとして同様に人口当たりの診療所数が少ない北部地域にも波及させていきたいと考えています。

提案:幸作ファームKousaku Farm

耕作放棄地を活用した農業振興、観光地、交流の場を設置します。

目的Purpose

・農業振興による農家人口の増加、耕作放棄地の活用

・新たな観光資源としてお金を落としてもらう

・世代間交流、農家と消費者の交流の促進

耕作放棄地の活用方法は様々だが、新治地区は市街化調整区域内にあるため、宅地転用は考えにくいです。そして、新治地区は4つの地区の中で高齢者が最も多く、そこに家族連れや若者が訪れれば世代間交流が生まれます。更に、農家と消費者が交流することができれば、互いに新たな学びに繋がると考えました。したがって、耕作放棄地を農業講習や体験農園として活用し、農業振興や観光資源、世代間交流の場として活用することを提案します。

施策内容Content

場所:土浦市永井 面積:約9000㎡

⚫︎農業講習

農家や JA水郷つくばの職員が講師、住民(土浦市、つくば市・石岡市・の一部地域)は受講生として農業に関する講習(座学と実習)を行うことで農業振興や異なる世代や農家と消費者の交流を促進することが目的です。受講生は初級・中級・上級の順に受講します。そして、初級合格で土浦農業サポーターに認定されます。土浦農業サポーターになった人々は市や県の農業団体からのサポート(インターン先の紹介や県認定研修機関 への紹介、各種サポート事業の推進等)や土浦市内の農家の手伝いを積極的に行ってもらいます。そのための農家とサポーターのマッチングシステムを市が導入、運営します。住民としては、農家になるための下積みや老後の趣味を活かす場所として利用でき、また、農家としても、正しい知識と技術を備えたサポーターが農作業を手伝いに来てくれることにより、安心かつ円滑な農作業を行うことができるメリットがあります。

 

農業体験農園

 農業体験農園は、日帰りで誰でも農業体験ができる場を提供することによって、豊かな自然を活かした観光資源・農業振興の場の創出することや世代間交流を促進することが目的です。農家や土浦農業サポーター、 JA水郷つくばの職員が協力して体験事業の運営を行うことで異なる世代、社会属性の人々の交流を図ります。

 

⚫︎クラウドファンディング

投資によって事業資金を集めるだけでなく、土浦市の農業や農作物、幸作ファームのPRすることが目的です。5000円以上で、返礼品として土浦市の農作物(投資額の3割以下)を送ります。この事業で集まったお金は幸作ファームあるいは農家のために使われます。

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