
シン・アピオ
新治地区の買い物利便性の低さやさん・あぴお運営法人の破産を踏まえ、さん・あぴおの商業機能を居住誘導区域内の廃校跡地に移転させ、公民連携の複合施設「シン・アピオ」を整備します。商業施設だけでなく、避難所を兼ねた交流スペースや屋外のオープンスペースを整備し、住民の交流を促進します。移転により、徒歩圏カバー人口が2.2倍に増加し住民の利便性が向上するほか、事業者の売上も約17%の増加が見込まれます。移転後のさん・あぴおでは、土浦北ICに近い立地を利用して特定流通業務施設を誘致することで、新治地区の活力向上につなげます。

土浦北IC周辺の物流拠点化構想
土浦市内の工業団地は概ね分譲が完了しており、新たな企業を誘致する余地が少なくなっています。そこで、商業機能移転後のさん・あぴおの敷地において、土浦北ICに近い立地を活かして特定流通業務施設を誘致し、同時にトラックドライバー専用の休憩施設を整備します。新たな⼯業拠点の形成により、雇⽤の創出や安定的な税収確保などの効果が期待でき、新治地区の活力向上につながります。また、産業連関分析により、特定流通業務施設の整備が1億765万円の経済波及効果をもたらすと⾒込まれました。

サステナバス土浦
土浦市内の路線バスは、利用者の減少と減便の悪循環に陥っています。そこで、路線バスを社会インフラとして捉え直し、交通税と上下分離方式の導入により、サービス水準の維持・向上と、運行事業者・土浦市の負担軽減を実現させます。また、交通税を利用した以下の利用促進策を提案します。本数倍増では応用都市経済モデルによる需要予測において利用者が1.7倍に増加することが導かれ、無料デーでは産業連関分析により年間2.9億円の経済波及効果が見込まれました。拠点間の公共交通軸の強化と地域経済の活性化により、持続可能な都市構造の実現が期待されます。

公共施設再編
公共施設について、維持管理コストが将来的にかなり高くつくことが想定されていることや、利用率の低い類似施設が複数存在していることなどをふまえ、削減・集約化によって保有量を適正化します。対象施設は、利用率や築年数、市民アンケートの結果などから左の表のように選定しました。廃止する施設の跡地売却によって6.6億円程度の収入が期待されるうえ、年平均2.9億円程度の財政負担軽減効果が見込まれます。一部の跡地については、後述する新たな公園・保育所の土地として活用します。

跡地利活用
南部地区には、人口が多いところに公園や保育所が少ないという、住環境上の課題があります。そこで、公共施設再編によって廃止する施設の跡地を活用し、中村公園と荒川沖東部保育所の新設を行います。中村公園は遊具を中心とした街区公園とし、地域の子供たちの遊び場とします。荒川沖東部保育所については、5歳未満の人口が多い地区であることから十分な需要が見込まれ、早急な民営化を目指します。これらの施策により、特に子育て世代にとって住みやすい地域とすることを目指します。

つちうらキャリア・アップ支援事業
土浦市の社会動態は近年増加傾向にあるものの、その内情は生産年齢人口の転出と老年人口の転入により、市内の少子高齢化に拍車をかけている状態です。そこで、生産年齢人口増加と市内労働力の確保を目的とした「つちうらキャリア・アップ支援事業」により、市内で卒業・就職する学生の奨学金返済支援と産学連携による学生のキャリア教育を実施します。若者のUIターン促進によって市の持続的な税収増加、人材の育成及び確保による市内事業・経済活性化が期待されます。

医工連携推進プロジェクト
北部地区の特徴として医療と工業の集積が挙げられます。主に北部地区に存在するものづくり企業と医療福祉関連施設の連携による産業基盤及び雇用基盤としてのポテンシャルの有効利用を目的に「医工連携推進プロジェクト」を実施します。市内の医工連携事業への補助金交付とマッチング支援のためのプラットホーム運営を行い、新規事業創出を促進します。これにより、市内産業への支援を通じた市内の事業・経済活性化が期待されます。また、従来の雇用機会を維持・拡大するとともに、新たな就労機会を創出することが期待されます。

「農Care」の導入による農福連携の推進
株式会社アグリトリオが開発・運営している「農Care」(特許出願済み)を土浦市に導入します。「農Care」は農家と福祉施設のマッチングサービスであり、土浦市における障害者の雇用促進を目指します。株式会社アグリトリオへのヒアリング調査から土浦市が出資している第3セクターである「土浦市農業公社」を通じた運営体制とします。障害者の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障害者の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現させていくことを目指していきます。

「農How」の導入による耕作放棄地の整備・再生
「農Care」と同様株式会社アグリトリオによる特許出願済みであります。土浦市は土浦市農業公社を通じて耕作放棄地の整備の求人募集を掲載します。依頼側は必要な時に必要な働き手を確保でき、人件費の削減にもつながります。利用者は登録された求人情報を見て、好きな日にちと時間を選ぶことができ、リモートワーク、副業アドの導入により働き方が変わり、時間を有効に活用し収入を得る機会が増えることが期待されます。また若者の農業への興味関心の向上も期待されます。

「つちうらテラス・里山つちうら」
土浦の観光資源、宿泊、名産活用を軸とした観光拠点を2つの地域で整備します。小野地域は里山空間を活かした拠点に整備し、空き家を宿泊施設として活用した古民家ゲストハウスを設けます。川口地域は霞ヶ浦に面した敷地で水辺空間を活かした拠点に整備し、霞ヶ浦温泉を利用した温浴施設と湖を望むグランピング施設を設けます。また名産活用として2つの拠点で土浦産の食材をメインに使用した地産地消レストランを整備します。宿泊客数の増加だけでなく、農業支援、愛着の創出とともに市民の観光客を迎え入れる意識の醸成も期待されます。