地域に応じた提案
提案の背景など詳細は最終報告書をご覧ください
市全体
つちまるポイント
私たちは土浦市内の健康ポイント制度として、つちまるポイントを提案します。歩数・体重の計測・検診受診や、里山活動への貢献やシェアサイクル利用等の市内での健康的な活動でポイントを付与します。ポイントは1つちまるポイント=1円とし、市内中心部のお店や健康施設、小町の館で利用可利用可能とします。
株式会社フェリカポケットマーケティングへアプリケーション開発を委託します。類似事例より、事業全体として2000万円を想定しており、このうち、約415万円を保険者努力支援制度補助金により賄えると計算しています。
人口の5%が土浦市の人口の5%が毎日今までよりも1500歩多く歩くと、1歩あたりの医療費抑制効果を最低額の0.065円と仮定して、全体で約2億円の医療費抑制効果があります。このうち土浦市に限って見ると、約1640万円の医療費抑制効果が得られます。また、健康的な生活を促し、土浦市への関心を高め、市内での消費行動を促進することも期待されます。
ちょこっとつちチャリ
昼間人口が多く、ちょっとした移動の需要が想定される場所として、上の地図に示した12か所にシェアサイクルステーションを設置します。
運営会社へのヒアリングに基づき、自転車(35台)に700万円、ステーション設備に150万円、その他初期費用が200万円の、計約1050万円を初期費用として想定しています。
人々に自転車移動を促すことで健康促進を図れるとともに、自動車の代替交通として機能すれば、環境負荷低減が見込まれます。
新治地区
森林活動の促進
まず、市民参加の森づくりとして、小町の館周辺の森林整備に市民が参加できる場を設けます。活動の中心となる団体として「宍塚の自然と歴史の会」という里山活動を行っている団体を候補とします。市民は、森林整備活動のうち、下草刈りなど特別な技術を必要としないものに参加することにします。この活動に対して、一人一活動あたり8000つちまるポイントを付与します。
次に、木材の魅力発信として土浦市内の各地で新治産の木材を活用し、地産地消を目指します。新治北部の森林には、可燃性に優れたマツや、スギやヒノキといった建材にも用いられる針葉樹の人工林があるので、ここから産出された木材を、例えば小町の館での制作体験、おおつ野の健康施設の小物としての活用や木質バイオマスを活用した銭湯の加温、中心市街地での木製雑貨の販売などとして活用することを提案します。
Jクレジット制度の活用や、普通作業員を市民ボランティアで代替することにより、年間392万円の費用を削減できる計算となります。
効果としては、木材の利用が活発になることで森林活動が促進され、防災性や景観を維持することにつながります。また、木質バイオマスの活用は脱炭素化に貢献することにもなります。さらに、森林整備によって里山の景観が守られることは、訪れる人にとってストレスフリーな環境を感じられることも期待されるほか、森林整備を通じて森林を大切にしたいと考える人が集まり交流も生まれると考えられます。これらの付加価値は私たちの考える精神や社会の健康に通じるものであり、健康的な都市の形成につながると考えられます。
北部地区
ヘルスタウンおおつ野
肉体的・精神的・社会的な健康を感じることのできるような施設として、「ヘルスタウンおおつ野」をおおつ野地区29街区に建設することを提案します。運動施設、入浴施設、休養施設で、肉体・精神の健康を満足させると同時に、共用棟などの施設内で土浦協同病院と協力して行う体操教室などのイベントにより、社会的な健康の向上も目指します。
施設整備費用を4億円、収益を5554万円、費用を3341万円と見積もっているので、初期投資を18年で回収する想定となっています。
収益以外の効果として、市民の健康増進を3つの方向から目指せること、駅と協同病院の間のバス利用を促すと同時に、おおつ野地区のコミュニティ活動の拠点となることで、都市の健康にも貢献できること、が考えられます。
中部地区
謎解き街歩き
モール505や土浦名店街、川口運動公園周辺を周遊する謎解きゲームを提案します。これは、買い物需要が郊外化した中心市街地に体験型を取り込むことにより市民に新たな価値を見出してもらい、中心市街地に活気を取り戻す足掛かりにするという目的があります。
土浦市と管理組合法人モール505でワークショップを主催し、モール505にある謎解き&ボードゲームカフェ「AsoVIVAホール」による監修のもと、地元の飲食店経営者や住民と謎解きゲームを制作します。製作期間が3か月間かかることから、事業は2年間で半年に一度ワークショップを開催し内容を更新します。ゲーム制作後は謎解き参加者が訪ねる店舗へ協力を依頼し、プロモーションした後、土浦駅構内にある土浦市観光案内所やAsoVIVAホール、りんりんぽーとなどの各拠点で販売します。
ターゲットとして家族連れやカップル、若者を想定し、普段は別の場所へお出掛けしていたような層に、中心市街地も魅力的なお出掛け先として選択してもらうという狙いがあります。ゲームクリアした参加者には、ゲーム中まちなかをたくさん歩いた対価としてつちまるポイントを付与します。
参加者はいつでも謎解きゲームキットを購入可能で、謎解きゲーム1セット400円(そのうち2割の80円は販売業者の取り分、320円が土浦市の収入)とします。「AsoVIVAホール」へのヒアリングに基づく費用想定と、つちまるポイント付与を一人100ポイントとする仮定から、この事業にかかる費用は約330万と計算されました。
効果として、制作過程で地元住民を地域活動に巻き込むことができる、作成者、参加者ともに地域の魅力を発見することができる、謎解きゲームでお店を訪れて店との接点を持つことで、再訪のきっかけができる、つちまるポイントをインセンティブにまちなか周遊を促進できる、このつちまるポイントを使うためにまちなかでの消費を促進できる、まちに魅力が増え、チャレンジショップの出店者が増加する点などが考えられます。
チャレンジショップ
チャレンジショップとは、最初から独立店舗で始めることが困難な人に対し、商工会議所などが家賃や管理費などを一定期間無償または低額で貸し出す制度です。営業開始までの日数や営業期間に縛りがないため、初心者でも起業をしやすいという特徴があります。チャレンジショップ制度により、土浦の中心市街地に求められているニーズを探り、定期的な変化を取り入れることを目指します。
一方で、人が集まらないことには店舗をいくら増やしても無駄になってしまうため、店舗という形にこだわらずシェアオフィス、スタジオ、フリーマーケット等というかたちで数日、数時間単位で空間を貸すことを提案します。そのよにうして商店街に足を運ぶ人を増やし、そのサービスで得た分の資金は改装費やチャレンジショップ制度の貸出金に充てることを想定しています。
改装費を15万円/坪として計算すると、モール505の一室は約33㎡(10坪)なので、モール50の5チャレンジショップ1店舗分は150万円となります。土浦名店街の一室も10坪と仮定し、同じく一店舗分の改装費は150万円と計算できます。なお、空間貸しサービスで得た分の資金は改装費やチャレンジショップ制度の貸出金に充てることとします。
効果としては、空間貸しサービスでまずは名店街に足を踏み入れる機会を増やすことができる点、トライアンドエラーでお店のニーズを探れる点、既存の店への集客も狙える点などが考えられます。また、チャレンジショップでの買い物にはつちまるポイントを付与することによって継続的な来店を促せると期待されます。
南部地区
荒川沖駅前の駐車場活用
まちづくり会社を設立し、その会社が駐車場を各事業主から賃貸して一括管理して得られた利益を、地域活性化のための活動資金に充て、通勤通学者の利用が少ない土日の駐車場でイベントを開催します。これにより、駐車場を活用してイベントを開催する際に使用許可の合意形成をする手間が省けます。
イベントの具体例として「パーキングデイ」を挙げます。これは駐車場に芝生を敷き公園を生み出すイベントで、普段は無機質な駐車場が自然を感じられる公園のような場へ変えることができます。
鉄道駅がなく荒川沖駅が実質の玄関口となっている阿見町との共同出資を行うとともに、地元企業や住民からの出資を募ります。土浦市による出資額は2000万円を想定しています。
駐車場のオーナーにとっては、管理を効率化させることができる点、土地の魅力が上がれば地価が上昇する点が効果として挙げられます。また、市民や地域団体にとっては、株式会社として利益を生み出すことで活動資金が得られる点、団体の活動場所が得られる点、将来的には地元の雇用が創出される点が挙げられます。自治体のメリットとしては、公園が不足している傾向にある荒川沖駅周辺において、公園を代替する機能を確保することができる点、土日の駐車場を活用することで低未利用の土地に賑わいを生みだすことができる点、といったメリットもあります。さらに鉄道駅がない阿見町にとっても、プラスの影響が期待されます。