土浦市の概要
土浦市は、茨城県南部に位置し、平成18年に新治村と合併し、面積122.89km²、人口140,097人(平成29年1月1日現在)となった業務核都市、国際会議観光都市です。石岡市、稲敷郡阿見町、牛久市、かすみがうら市、つくば市に隣接しており、日本で第2位の湖面積をもつ霞ヶ浦を有しています。東京から60km以内、成田空港からおよそ40kmと、都心からさほど遠くなく、JR常磐線を利用したベッドタウンとしての需要が見込めます。特産物であるレンコンをはじめとした農業が盛んである他、亀城公園などの歴史的建造物も多く存在します。また、毎年10月には日本三大花火大会の1つである土浦全国花火大会が開催され、約80万人の観光客が花火を見に訪れます。
近年では、つくばエクスプレスの開通や、首都圏中央連絡道の整備に伴い、交通網が発達してきています。平成27年に土浦市役所が土浦駅前に移転すると同時に、カスミをはじめとして複数の店舗が市庁舎ビル内に出店、さらに今年には図書館の新規開業が土浦駅前に予定されています。
図1 土浦駅前図書館 図2 土浦全国花火大会
人口
土浦市の人口は、平成22年をピークに減少傾向にあり、平成29年1月1日現在、140,097人となっています。一方で、世帯数は、現在も増加傾向にあり、平成29年1月1日現在、57,920世帯となっています。図1-3に示した年齢別に人口を表した人口ピラミッドからも分かるように、60歳以上の人口割合が高く、約40%となっています。これは県全体と比較しても高い数値であり、今後もさらに高齢化が進行することが予想されます。
図3 土浦市の人口ピラミッド
農業
土浦市の農業は、野菜の生産が中心であり、中でもレンコンの生産量は全国1位を誇っています。また、グラジオラスなどの花きが全国有数の産地になっている他、米の栽培も多く行われています。農地の分布については、新治地区がその大部分を占めており、次点で北部地区となっています。しかしながら、図5を見ると分かる通り近年、近年では農家人口が減少していることに加え、農業の新たな担い手が減少してきており、土浦市の農業は衰退傾向にあります。そして、それに伴って耕作放棄地が増加していることも土浦市で問題視されています。


図4 土浦市の地区別土地活用率(平成27年) 図5 後継者がいる販売農家数の推移
工業
土浦市の工業出荷額・従業員数は、リーマンショック時には大きく落ち込んだものの、近年は回復傾向にあります。企業誘致の対策として土浦市は、神立工業団地、東筑波新治工業団地、テクノパーク土浦北工業団地、土浦おおつのヒルズの4つの工業団地に事務所を新増設した法人に対して、固定資産税の相当分を奨励金として3年間交付しており、おおつのヒルズ以外の工業団地はほぼ100%分譲済みとなっていま
す。
図6 土浦市の製造品出荷額と従業員数 図7 土浦市の工業団地の分布
商業
土浦市の商業は、大規模小売店舗数は増加傾向にあるものの全体として衰退傾向にあり、特に中心市街地においては、歩行者数が減少の一途をたどり、シャッター街化が進行、商店数は年々減少しています。また、平成21年に開業したイオンオール土浦やつくば市のIias
つくば、コストコなどの郊外型ショッピングモールの進出によって、中心市街地の空洞化がさらに進行しています。しかしその一方で、平成27年に土浦市役所が土浦駅前のイトーヨーカドー跡地に移転したと同時に、カスミをはじめとして複数の店舗が視聴者ビル内に出店、さらに2017年には駅北図書館の新規開業に伴い、再開発ビルに新たに店舗の出店が計画され、中心市街地の整備が進められています。
図8 中心市街地の歩行者交通量
図9 大規模小売店数 図10 中心市街地の商店数
医療
土浦市には2017年2月現在、8の病院、112の一般診療所、86の歯科診療所があります。そして、医師の数は406人、歯科医師の数は127人、薬剤師の数は405人、看護師の数は1347人となっており、医療関係者は増加傾向にあります。しかし、図11から診療所へのアクセスに格差があることがわかります。
また、2016年には最新の設備を備えた土浦協同病院がおおつのヒルズに移転しました。土浦協同病院は土浦最大の規模と最新の設備を備え、最先端の医療を多くの住民に提供していくことが可能であり、メディカル・エコタウン構想※とともに、県南の医療の拠点となることが期待されています。
図11 土浦市の診療所、総合病院及び医師の分布
※土浦協同病院のコンセプトであり、医療と街と自然環境との融合を図り、住民の健康と生命を守り、地域の再生、経済・産業の振興を目指すもの
教育
土浦市には、保育園が22園、幼稚園が21園、小学校が19校、中学校が8校、高校が8校、大学が2校存在しているほか、看護学校やトリマースクールなど様々な専門学校が存在しています。また、土浦市立図書館では、「地域のまちづくり・ひとづくりに役立つ
みんなの図書館」の理念のもと、「土浦市子ども読書活動推進計画」を策定し、家庭や学校での読書活動を促進しています。そして土浦駅北地区市街地再開発事業に伴い、新図書館の整備が進められています。
交通
平成22年度土浦市総合交通体系調査によると、土浦市では、市内の移動のおよそ9割を、自動車に依存しています。そして、土浦市に直接用事のない、通過交通も多く流入していることによって、国道6号線といった幹線道路を中心に渋滞が発生しています。土浦市内の国道6号線では土浦バイパスが整備されていますが、全線が暫定2車線であり、イオンモール土浦の近くにある上高津時交差点付近をはじめ、全線にわたり渋滞が発生しています。また、土浦市内のバスサービス水準については、図12より運行間隔30分以内の区間は土浦駅・荒川沖駅周辺のみであり、土浦市内のバスサービス水準は低いことがわかります。土浦市内の路線バス乗客人員は2011年以降微増傾向にある一方で、図12より新治地区にはバス路線が一切なく、交通空白地帯となっています。
図12 土浦市内のバスサービス水準 図13 バス路線図