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地区別構想


地区別構想について

 土浦市を以下のような4つの地区に分け、各地区の特色を活かす地区別の構想を掲げる。


図1.地区別構想


1.新治地区

〜美しい緑と資源を活用した地区〜
1-1現状・課題
 新治地区は土浦市内でも特に高齢化が進んでいる地区である。それとともに農業の後継者不足により、耕作放棄地が増えているという現状があり、土浦市内の耕作放棄地の約5割が新治地区に集中している。そこで現在後継者不足に悩まされている農業を応援し、活性化させる。また、新治地区の生活に欠かせない交通環境の整備による利便性の向上により、便利で快適に過ごせる高齢者に優しいまちづくりを推進する。
1-2提案
 1) 地産地消の推進
  土浦市役所農林水産課にヒアリングを行ったところ、耕作放棄地が年々増加していることは非常に問題であるが、地権の問題や手続きの大変さなどの理由から耕作放棄地を一度にたくさん解消できる方法もなく、現在行っている人農地プランなどで地道に取り組むしかないということが分かった。そこで私たちは現在の新治地区の良いところである農業をさらに伸ばす方針でまちづくりを行うことを提案する。新治地区で豊富に採れる果物を市内で加工し、土浦市民を中心とした地元の人々に愛される製品をつくり販売する。この製造から販売までの過程の一部を、土浦港周辺に施設を建設し、そこで公開する。この目的としては新治地区の農業についてより多くの土浦市民・土浦を訪れる人々に知ってもらい、親しみを持ってもらうことである。

図2.産業の流れイメージ図

 2)ハリーちゃんバス
  さんあぴおを利用する住民へのヒアリングより公共交通が利用しづらいという実態が判明した。そこで、公共交通の利便性向上をはかるため、新治バスをより使いやすくする。新治地区のメインとなる商業施設さんあぴおの店舗と提携し、土浦市中心市街地で運行中のコミュニティバス「キララちゃんバス」の新治地区版を提案する。ここではこのバスを「ハリーちゃんバス」と名付ける。この提案によって、現在使用しているバスを小型化し、燃料費等の諸経費を削減することで、運賃を現在の200円から100円に値下げする。更にさんあぴお内の店舗で買い物をするとハリー券という金券がもらえ、バスの運賃として利用可能になる。これにより年間コストを現在より227万円削減することが可能である。更に買い物客がより積極的にハリーちゃんバスを利用する引き金となり、バス利用者の増加とさんあぴおの商業の活性化に貢献できる。

表1.ハリーちゃんバス事業費内訳

図3.現在の新治バス(左)とハリーちゃんバスイメージ(右)

2.おおつ野地区

〜医療や防災を中心とした安心な地区〜
2-1現状・課題


   図4.おおつ野ヒルズ全体計画


  おおつ野地区は協同病院がおおつ野ヒルズに移転するに当たって、人口の増加が見込まれ、それに伴い未利用地が多いヒルズへの医療系企業の参入、更には医療の中心地としてのポテンシャルを持つニュータウンとして今後の整備が進められていくことが予想される。そこで、医療や防災を中心とした安心なまちづくりを提案する。
 


2-2提案


 1) 安心・安全なまちづくり

 図5.おおつ野地区ママさん会の仕組み
  JFE商事(株)へのヒアリング調査からおおつ野ヒルズは協同病院を核とした一大医療拠点しての整備を進められており、現在、住民の約9割が30代ということから、子育て世代が多く、また今後一気に年をとることが予想される。一方病院の移転が完了し、近隣に医療関係の企業や施設が充実すれば、必然的に周辺の交通量が増え、安全面についてはよりケアが必要となる。
  具体策としては交通量が増えると予測される中央の道路には自動車専用レーンを設置し、周辺道路にはスクールゾーンを設置することで、児童の安全を守る。また、NPO団体「おおつ野地区ママさん会」を設立し、協同病院と連携した子育て支援教室の開講などを行い、安心して子育てが出来る環境を提供する。今現在暮らしている高齢者、若い家族や子供たちのために、安全で、安心して暮らせるまちづくりを提案する。

 2) おおつ野地区防災拠点化計画
  防災拠点化の背景として、@移転される協同病院にはヘリポートが設置予定であり、病院関係者は防災拠点としての運用を意図していること、A国道6号をはじめとする陸路に加えて、霞ヶ浦からの海路や茨城空港、阿見飛行場からの空路など物資の運搬経路の充実、B隣接するゴルフ場の広大な土地を臨時利用できる点などを踏まえ、防災拠点として利用するのに適切な土地であると言える。そこで今後起こりうる大規模地震を想定した防災拠点として整備する。

図6.おおつ野ヒルズの立地と周辺交通環境

  まず、行政による災害時の連携体制の確立である。災害時にはおおつ野に全国各地から救援物資・部隊を集め、それらを配分調整し、各地の防災拠点との連携を図りつつ、被災地となった場合の県南及び都心へと分配する。それにより被災地の救援における混乱を防ぐことが出来る。更に、防災学習施設の設置や防災キャンプ等を実施することで、ソフト面での防災整備も同時に行っていくことを提案する。

図7.おおつ野ヒルズの災害時の防災拠点としての働き

3.中心市街地

〜にぎわい・活気があふれる地区〜
3-1現状・課題
  土浦駅周辺は土浦市の中心であり、亀城公園やまちかど蔵などの歴史的景観を持ち合わせた地区である。しかし、イオンモール土浦やつくば市のショッピングモールが建設された影響も受け商店街が衰退し、にぎわいが失われている現状である。また、働く人や学生など幅広い年代の人が多い地区であるため、より多くの人が過ごしやすい街づくりを行う。市民だけでなく観光客など多くの人が行きかう、にぎわいと活気があふれる街を目指す。

3-2提案
 1) モール505の改装
  約30年の歴史を持つモール505だが現在は空き店舗が目立つ、薄暗い雰囲気のショッピングモールとなっている。これを改装し駅近という良好な立地を活かし、明るく多くの人に利用してもらえるような空間を目指す。モール505は現在3階建てであるが、このことによって北側が非常に薄暗くなっているため、1階建て、一部2階建ての新モール505を提案する。現在営業している店舗を種類別に1〜2階に集積し、さらに新たなスペースとして働く女性のための託児所や、学校帰りの学生が気軽に飲食をしながら勉強できるようなスペースを設置する。また、2階部分をペデストリアンデッキとし駅や図書館と連結することで歩行者のアクセスを向上させる。
  新しいモール505では2階のペデストリアンデッキ兼テラスで夏にビアガーデンを開催することで、平日は駅付近で働く公務員や会社員をターゲットとしたにぎわいの創出をはかり、休日には地域の自治会の祭りのイベント等を行うことで、家族連れの交流が期待できる。これらによって常に賑わいあふれる空間を創出できる。

図8.新モール505イメージパース

図9.新モール505構造イメージ図

 2) 霞ヶ浦を活用した新たな観光スポットの提案
  @土浦ファクトリーの建設
   JR常磐線土浦駅東口から徒歩10分のところにある土浦港の隣に、地元のさまざまな食材が楽しめるマルシェの複合施設土浦ファクトリーを建設する。ここでは新治地区で収穫されたフルーツや、土浦の誇るレンコンなどの直売所を設けるほか、それら農産物の加工工場を併設し、加工の様子を見学することができるようにする。地元の品を扱うレストランやカフェも設置し、お土産処・休憩所としての役割を果たす。

図10.土浦ファクトリー建物イメージ

  A霞ヶ浦噴水
   現在霞ヶ浦土浦港には、遊覧船ラクスマリーナ「ホワイトアイリス号」があり、国内湖面積第2位の霞ヶ浦で快適なクルージングが楽しめる。今よりさらににぎわいのある観光地にするべく、花噴水の運転を提案する。参考にするのは現在琵琶湖で行われているもので、高さ40mほどで花のように噴き上がる噴水である。夜はカラフルな光でライトアップされ、新たな観光スポットになりうる。ラクスマリーナとも連携し、遊覧船でクルージングしながら間近で美しい噴水を鑑賞できる遊覧船コースをつくる。滋賀県の例では約5年間でおよそ2割の観光客が増加したということからも、土浦の観光客数も増加が見込める。

図11.琵琶湖花噴水の様子

4.荒川沖地区

〜つながりがもてる安全な地区〜
4-1現状・課題
  荒川沖地区は通勤における東京へのトリップが多く、専業主婦も多い。駅周辺は賑わいが失われており、特にショッピングセンターの「さんぱる」には多くの空き店舗があり、日中もあまり人気がなく寂しい雰囲気が漂っている。そこで、駅前の利便性向上と駅周辺で市民が集まりたくなる賑わいのあるエリアの創出を提案する。

4-2提案
 1) 駅前ロータリーの整備   
  荒川沖駅はこの地区の交通の要であるが駅前に滞留できる環境が整っていない。実際に、駅前ロータリーに平日夕方の時間帯に送迎車数を調査(2014/1/28)したところ、最大で14台の待機する時間帯があった。そこで、これらの改善のため駅前ロータリーの整備を行う。西口ロータリーは無料駐車場の設置を行う。東口ロータリーはバス乗降場を駅のすぐそばに移動し、歩行者と自動車の動線の交差をなくす。更に、送迎車の駐車場をロータリー中央に、待機スペースをさんぱる側に設置することで、送迎をより安全かつスムーズに行える環境を整える。


  図12.荒川沖駅待ち車数

図13.荒川沖駅東側ロータリー整備案イメージ

 2) さんぱるの空き店舗の活用
  駅前の商業施設の中心であるさんぱるには、現在1階15店舗、2階1店舗、3階に3店舗入っており、食品、婦人服、美容室など様々な種類に渡っているが、空き店舗が目立ち、実際に2階では7つの空きテナントが存在する。そこでこの施設を商業のみならず、市民の交流の中心地として活用でき、更に商業の活性化も目指す施策を提案する。具体的には、子供向けに託児所や学習塾、主婦向けに習い事教室等を設置する。子供と主婦が一緒に訪れることが出来る施設として活用でき、波及効果として商業施設の利用者の増加も期待できる。

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