重点計画
機能集積の「把」
・公共施設移転計画
今回は既に移転が検討されている土浦協同病院,さらに土浦市役所,市立図書館,市民会館の移転について考えた.これらの施設はいずれも築40年程度と老朽化が進んでおり,建替え,移転が必要と考えられる.また,点在しているということもあり,機能集積を行うことで市民の利便性向上,行政運営の効率化を図る.

図19.移転施設の現在位置
<協同病院移転>
土浦協同病院については,霞ヶ浦沿いの川口運動公園,京成ホテル跡地への移転を提案する.陸上競技場については移転が計画されているため,その跡地を含めると十分な敷地面積を確保することができる.土浦駅からの距離は格段に近くなり,市民のアクセス向上も見込める.また,霞ヶ浦の目の前ということで,湖の見える病院としてポテンシャルアップが図れる.さらに,同時に病院利用者や近くを訪れた人々が立ち寄れるよう湖畔の整備を行い,人々が気軽にふれあえる湖畔空間を目指す.

図20.協同病院移転先

図21.協同病院移転イメージ
<つちうらキララセンター(複合公共施設)>
土浦市役所,市立図書館,市民会館は複合公共施設として真鍋の中川ヒューム管工業の工場跡地に移転,同時に広場・公園の整備を行うことで市民の防災拠点としての役割も持たせる.それぞれの施設の現在の敷地面積の合計は約4.2ha,移転先は11haということで面積に関しても十分な余裕がある.ここ全体を,市民の新しい拠点として「つちうらキララセンター」と名付ける.
図22中の「人口重心」は,2010年の土浦市の人口重心の位置を示している.ここからの距離は,すなわち市民にとっての目的地までの平均の距離と考えることができる.各移転計画について,移転前後の利便性についてまとめた表を次項に示す.

図22.複合公共施設位置
このように施設の集約を行うことで運営の効率化ができ,利用もしやすくなると同時に,コストも削減できる(次項参照)というメリットがある.また,土浦市にほしいもの,充実させてほしい施設としてそれぞれ第1位,第2位にランクインしている図書館,公園の整備を行うことは市民の要望にも応えられる形になる.
中央にはりんりんロードが通り,南側には新川が流れる.そんな環境の中で多くの機能を兼ね備えた施設を整備し,人々が集い,様々な交流が生まれ,子供からお年寄りまで楽しめるような空間を目指す.より日常的に訪れやすい環境を整えていくことで,市民と行政の距離もより近いものになっていくことを見込む.

図23.つちうらキララセンターイメージ
<移転の効果>
移転計画にあたり,その効果の指標として以下の2項目を検討した.
@移動距離,時間の短縮
各々の移転について,その前後で人口重心からの距離と土浦駅からの徒歩距離,徒歩所要時間を比較したものを以下にまとめた.
表4.移転前後の距離比較
 
複合公共施設について,人口重心からの距離は移転前の平均と比べて0.3kmの増加となるが,これは僅かな差であり,複数の施設を訪れると想定すると距離短縮になることが予想される.また,土浦駅からは徒歩所要時間が5分以上短縮され,アクセスが向上することがわかる.協同病院についても同様のことがいえる.
A施設建設費の削
 
施設を複合化することの有効性を検討するため,各々を一つずつ建設した場合と複合化して建設した場合の建設費の予測を以下にまとめた.
表5.施設建設費の予測

  3施設の建設費予測を合計すると192.6億円となり,複合化した場合の150.6億円と比べて約1.3倍のコストがかかることになる.また,これは建設費のみの比較であり,土地取得費やその後の維持管理費等も含めるとさらに大きな差が予想され,コストの削減は複合化する上での大きなメリットであるといえる.