第1章 土浦市の概要 (2)1.2. 生活者視点での土浦市の課題 (1)この節では、土浦市民の生活に重点を置き、高齢化の状況や施設の立地、交通の状況などについて見ていく。arcGISやJICA-STRADA, CUETも利用して、資料や現地見学だけでは掴みにくい事柄に関して客観的に分析を行った。 1.2.1. 高齢化の進行状況<医療施設>
図1-5は2005年に実施された国勢調査の結果をもとに、町丁目別の高齢化率を算出し、色分けしたものである。色が濃い地区ほど高齢化率が高いことを示している。特に濃い色が目立つのは新治地区であるが、中心地区である中央1丁目・2丁目も高齢化率が20%を超えている。一方で、荒川沖や神立はやや低くなっている。荒川沖はベッドタウンで働き盛りの世代が多いこと、神立は工場労働者が多く住んでいることが要因といえそうだ。 1.2.2. 生活に必要な施設の立地
図1-6は町丁目別の高齢化率と病院・診療所の位置を対照させたものである。この図から、特に新治地区を中心に医療施設が少ない地域があることがわかる。統計的には医療水準は高いとされる土浦市であるが、施設の立地には偏りがあることがわかった。 <老人福祉施設> <医療施設>
図1-7は高齢化率と老人福祉施設の位置を対照させた図である。老人福祉施設は市域全体に立地していると言えそうだ。しかし、高齢化率が高い地区にうまく立地していないところもあるため、こうした地区を視野に入れた政策が求められそうだ。 <公民館・ホール・文化施設> <医療施設>
図1-8は2005年国勢調査の町丁目別総人口と公民館・ホールならびに文化施設の位置を対照したものである。なお、文化施設とは料理教室や華道・茶道教室などのことである。公民館は中心部に特に多いものの市内の広範囲に分布しており、地域の拠点として利用されているとみられる。一方、文化施設は中心部に集中していることからこうした文化活動の場はやや限られているのが現状といえそうだ。 <警察署・交番・駐在所> <医療施設>
図1-9は町丁目別総人口と警察署や交番、駐在所の位置を対照させたものである。基本的に人口が多い地区では警察の必要がより高まると考えられる。実際に、交番や駐在所が駅の周辺をはじめ、人口が多い地区に隣接して分布していることがわかる。しかし、新治や神立の南側の区域では警察の施設がまったくないため、こうした地域での治安の面では不安がある。 <保育所>
図1-10は2005年国勢調査の町丁目別0〜4歳人口と保育所の位置を対照したものである。傾向としては、乳幼児が多い地区ほど保育所に対する需要も相対的に高くなると考えられる。図を見ると、乳幼児の人口の多い地区かそれに隣接する地区に多く保育所が位置していることがわかる。特に中心地区や荒川沖には数多く立地していると言えそうだ。しかし、位置だけでなく収容定員などと合わせて検討する必要は残ってしまったため今後の課題である。 <買い物施設>
図1-11は地区別総人口と買い物施設(スーパーマーケットとショッピングセンター)の位置を対照させたものである。市域外の施設ではあるが、神立地区にかなり近い「千代田ショッピングモール」(かすみがうら市)も追加している。傾向としては、常磐線沿線の人口が多い地区や幹線道路沿いに多く位置していることがわかる。一方で、新治や神立の南側の区域には買い物施設がほとんどないこともわかる。詳しくは次の節で述べるが、この地域では公共交通網も十分とはいえない。今後高齢化によって自動車が運転できないお年寄りが増えた場合に、買い物需要に応え、生活の不便をできるだけ和らげる政策が必要である。 |