3-1 客観的アンケート
表3.1 アンケート結果
有 |
無 |
|||||||||||
質問1 |
19 |
7 |
||||||||||
非常に好ましい |
好ましい |
どちらとも言えない |
好ましくない |
非常に好ましくない |
||||||||
質問2 |
5 |
18 |
2 |
0 |
0 |
|||||||
多い |
やや多い |
どちらとも言えない |
やや少ない |
少ない |
||||||||
質問3 |
12 |
10 |
3 |
0 |
1 |
|||||||
非常に好ましい |
好ましい |
どちらとも言えない |
好ましくない |
非常に好ましくない |
||||||||
質問4 |
6 |
13 |
7 |
0 |
0 |
|||||||
広い |
やや広い |
どちらとも言えない |
やや狭い |
狭い |
||||||||
質問5 |
2 |
11 |
10 |
2 |
1 |
|||||||
非常に好ましい |
好ましい |
どちらとも言えない |
好ましくない |
非常に好ましくない |
||||||||
質問6 |
7 |
18 |
3 |
0 |
0 |
|||||||
広い |
やや広い |
どちらとも言えない |
やや狭い |
狭い |
||||||||
質問7 |
1 |
9 |
7 |
6 |
2 |
|||||||
非常に好ましい |
好ましい |
どちらとも言えない |
好ましくない |
非常に好ましくない |
||||||||
質問8 |
0 |
5 |
15 |
2 |
3 |
|||||||
多い |
やや多い |
どちらとも言えない |
やや少ない |
少ない |
||||||||
質問9 |
1 |
6 |
8 |
9 |
2 |
|||||||
明るい |
やや明るい |
どちらとも言えない |
やや暗い |
暗い |
||||||||
質問10 |
1 |
5 |
10 |
7 |
3 |
|||||||
開放的 |
やや開放的 |
どちらとも言えない |
やや閉鎖的 |
閉鎖的 |
||||||||
質問11 |
2 |
10 |
5 |
8 |
1 |
|||||||
心地よい |
やや心地よい |
どちらとも言えない |
やや不快 |
不快 |
||||||||
質問12 |
8 |
10 |
2 |
4 |
2 |
|||||||
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
|
質問13 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
4 |
0 |
5 |
0 |
7 |
8 |
1 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
その他 |
||
3 |
0 |
4 |
0 |
2 |
0 |
2 |
0 |
3 |
0 |
4 |
まず、客観的アンケートについてであるが、ペデ利用者は、ペデを使用、利用するときに何らかの不安感を抱いている、ということを仮説として設定した。
対象は社会工学類1年生、4年生及び社会工学研究科、環境科学研究科の大学生、大学院生、合わせて26人である。アンケート実施日時は、社会工学類1年生に対しては6月9日、また、その他の人に対しては6月2日に行った。
初めに1.「ペデストリアンを通っていて不安もしくは不快感を抱いたことがありますか?」、という質問については19人(73%)が「はい」と答えている。(図3.1.1) そこから、「ペデの不安がどのような要素によって引き起こされるのか??」 また、「その不安をどのように改善したらよいのか??」 といったことを、これ以降、「理想的なペデと現実のペデがどのようなものか」、を聞くことによってそれを見出していこうと思う。
まず、2.「理想的なペデストリアンについてお考えください‐緑の量が多いことはどうであるか??‐」と聞いたところ、5人(20%)が非常に好ましい、18人(72%)が好ましいと答え、逆に好ましくない、非常に好ましくないと答えた人は一人もいなかった。(図3.1.2) 次に3.「ペデストリアン(追越以南)のイメージに合うものに○をつけて下さい」という質問で、緑の量について聞いてみたところ、12人(46%)が多い、10人(38%)がやや多いと答えている。(図3.1.3) つまり、現在でも緑の量が多いということが言える。しかし、人が受ける不安が緑に起因しているものであったとしても、理想では緑が多いほうがよい、といった結果が得られているので、緑を排除する、という短絡的な発想では解決できないことが言える。
次に、4.「理想的なペデストリアンについてお考えください‐道幅が広いことはどうであるか??‐」と聞いたところ、6人(23%)が非常に好ましい、13人(50%)が好ましいと答え、逆に好ましくない、非常に好ましくないと答えた人はいなかった。(図3.1.4) つまり、理想では道幅は広いほうがよいと考えられている。しかし、現実で5.「ペデストリアン(追越以南)のイメージに合うものに○をつけて下さい」という質問で、道幅について聞いてみたところ、2人(8%)が広い、11人(42%)がやや広いという印象を持っているが、逆に3人(12%)の人がやや狭い、狭いという印象を持っている。(図3.1.5)
次に、6.「理想的なペデストリアンについてお考えください‐視界が広いことはどうであるか??‐」と聞いたところ、7人(25%)が非常に好ましい、18人(64%)が好ましいと答えており、また好ましくない、非常に好ましくないと答えた人はいなかった。(図3.1.6) しかし、現実について7.「ペデストリアン(追越以南)のイメージに合うものに○をつけて下さい」という質問で、視界の広さについて聞いてみたところ、1人(4%)が広い、9人(36%)がやや広いと答えたのに対して、それとは逆に、やや狭いが6人(24%)、狭いが2人(8%)となっている。(図3.1.7) つまりここから、希望のペデと現実のペデには視界の広さについてはギャップがあることがわかり、ここに不安が潜んでいる可能性があると言える。
ここまでが、我々が用いた指標についてである。
次に、その他に考えられる指標を見てみる。
8.「理想的なペデストリアンについてお考えください‐通行量が多いことはどうであるか??‐」と聞いたところ、5人(20%)の人が好ましいと答えているが、逆に好ましくないが2人(8%)、非常に好ましくないが3人(12%)となっていた。(図3.1.8) しかし、現実を見て、9.「ペデストリアン(追越以南)のイメージに合うものに○をつけて下さい」という質問で、通行量について聞いてみたところ、1人(4%)が多い、6人(23%)がやや多いと答えているのに対して、やや少ないが9人(34%)、少ないが2人(8%)いた。(図3.1.9) これから、交通量における理想と現実の相関係数を見てみると、0.08とほぼ無相関で、これを指標化してペデの不安感につなげるのは難しいと判断されるので、今後の課題とする。
次に、10.「ペデストリアン(追越以南)のイメージに合うものに○をつけて下さい」という質問で、明るさについて聞いてみたところ、1人(3%)が明るい、5人(18%)がやや明るい、と答えているのに対して、逆に7人(38%)がやや暗い、3人(9%)が暗い、と答えており、暗いイメージのほうが強いことがうかがえる。(図3.1.10) この質問では、理想としてのペデは明るいほうがよいといった前提に基づいて質問しているので、問題点のひとつであると考えられる。
また、11.「ペデストリアン(追越以南)のイメージに合うものに○をつけて下さい」という質問で、雰囲気について聞いてみたところ、2人(8%)が開放的、10人(38%)がやや開放的と答えているのに対して、8人(31%)がやや閉鎖的、1人(3%)が閉鎖的と答えている。 (図3.1.11)しかし、このアンケートからだけでは、雰囲気が何によってそのイメージを形成しているのかわからないため、これも今後の課題とする。
12.「ペデストリアン(追越以南)のイメージに合うものに○をつけて下さい」という質問で、快適性について聞いてみたところ、8人(31%)が心地よい、10人(38%)がやや心地よいと答えている。また、逆に4人(15%)がやや不快、2人(8%)が深いと答えている。(図3.1.12) しかし、ここでも、このアンケートからだけでは、雰囲気が何によってそのイメージを形成しているのかわからないため、また、最終的に我々が求めたものは、「快 対 不快」ではなく、その中でも「不安 対 安心」であったため、今回の実習ではこの質問に関しては触れなかった。
最後の質問として、13.「上の1.ではいと答えた人にのみお尋ねします。それはなぜですか?」という質問で我々は22個の不安要素と、またその他の自由解答欄を設けて聞いてみた。ここでは、全体的な不安要素として人の気配がない、視界が狭い、暗いといったことがあげられる。また、急激な変化としては緑の量が変化する、道幅が変化する、通行量が変化する、視界の広さが変化する、明るさが変化するといったものがあげられる。また、坂道が多いや、その他として凸凹が多いといった回答が得られているが、これは、不安といった要素ではなく、不快といった要素のためここでは考慮には入れなかった。(図3.1.13)
以上のアンケートから、最終的に我々は緑の量、道幅、視界の広さといった3つのものを見ていくことにした。
3-2 不安場所決定アンケート
.
このアンケートは、実際に、歩行者専用道路(ペデ)を通過する時に、人々が感じている不安場所を
見つけるために実施した。今回のアンケートは、社会工学類
4年生、大学院生の10人を対象として行った。今までの実際の経験から、緑地景観の変化に伴って感じる不安場所をぺデの地図にプロット
してもらい、その他ペデに関して気づいたことを示してもらった。
まず、我々班員が何回かペデを見に行き、実際に不安に感じた場所を前もって地図にプロットして
いた。それと、感懐のアンケート結果からプロットされたものとを比較したところ<班資料参照>、
緑地環境の変化に伴って不安に感じる場所と不安に感じない(快適な)場所は共に非常に類似して
いることがわかった。したがって、不安場所としては、その両者を踏まえた上で、特にアンケートで
指摘した人が多かった、筑波女子短期大学からエキスポセンターにかけた場所を
1つめの緑地環境の変化に伴って不安に感じる場所として選ぶことにした。また、つくば市のみち公園緑地の基本計画
設計から、ペデは、大学・キャンパス地区、中心市街地区、研究所・公園地区の
3つに分けられている。その点を考慮し、二ノ宮公園の周辺の住宅地区と洞峰公園周辺地区の
2つの地区からも不安場所を選ぶことにした。
また、以下の不安場所を決定する際には、以下のアンケート結果の内容も考慮した。
(アンケート結果)
・上から緑が覆っていると不安を感じる、 逆に、空が見えると快適に感じる
・ペデから周辺の住宅街などが見えないと不安を感じる
・周辺から孤立していて、暗い感じがすると不安を感じる
・緑があまりにもうっそうとして多すぎる場所では不安を感じる
・管理があまりゆきとどいておらず、荒れている所に不安を感じる
最終的に、センター・住宅地・洞峰公園の
3つの地区における、緑地環境の急な変化場所を選びその場所において、人がどのような環境の変化によって不安を感じるかを調べることにした。