*ペデの緑地景観が通行者に与える不安感の検証*
1-1 背景
私達が住む筑波研究学園都市は計画的に創造されてから約25年という歳月が経過した。現在市内に存在する緑は当初の計画通りに成長しているものと,逆に成長し過ぎた緑とがある。成長し過ぎた緑は空間を閉鎖的なものにしている。また計画当時と比較して社会情勢が複雑化し犯罪など諸問題の発生割合が高まるなか,これら緑地が危険な場所となる可能性を秘めている。
そこで我々は生活に最も密接した空間である幹線歩行者専用道路
(以下ペデと省略)に注目してみた。ペデを通るときに木々があまりにも生い茂っているところや,視界が植栽により遮られている場所を不安に感じることがある。加え,緑道の連続的変化も不安の形成要因の一つとして受け取れる。本来安らぎをもたらすべき緑地が,逆に不安感につながってしまうことになる。そこでペデの植栽管理の在り方に視点を置き,緑地環境を見直すことを考えた。
1-2 目的
本研究は緑の管理の在り方という側面からどのような空間で人は不安を抱くのかを解明し,不安感を解消する緑の管理の在り方を提言することを目的とする。