小学校の自由選択制について
第1章 序論
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1-1 背景
つくば市では現在、木造校舎やオープンシステムのように他とは異なる特徴を持った小学校が存在しているにもかかわらず,小学校通学に関して言えば昨今変わらず学区制が取り入れられたままで,決められた小学校に通うというのが通例である.そこで,どの学校も均等な学校であることを保証するかわりに教育を受ける側の選択を認めない,という学区制の理念が必ずしも適用されていない以上,教育を受ける側にも学校を選択する自由があっても良いのではないかと思い、学校選択の自由化(弾力化)について取り上げることにした。
1-2 既存調査から
- 30 -40人のクラスを,担任の教師が,一斉授業で,ある区切られた時間に授業するという近代的な教育システムができてから100年近くが経った.しかし,ようやく欧米諸 国を中心に一斉授業の方法に多くの問題を投げかけるようになり,昭和40年代になると、一人ひとりの学習を大事にし,複数の教師の担任による,個別の進度で,自主的な学習をすすめることの重要性が叫ばれるようになり、それに応じ得る学校建築がアメリカやカナダでオープンスクールという形で登場した。これらは,フレキシブル対応できる大きいスペース,各種のグループ学習に利用する大きさの変えられる室というオープンスペースを基調にする点で共通している.日本においても昭和59年から文部省で多目的スペースの補助を実施するようになり,学校の変革に対応し変革を促す学校建築の研究,その提案と実践が進められるようになった.
- 第二次世界大戦の戦災により木造校舎の焼失を目撃した学校関係者は,鉄筋コンクリート校舎への強い志向から木造校舎は急速に減少していった.だが昭和50年代に入って,子供の豊かな心を育て,たくましい体を作り上げることの重要さを指摘するようになり,量的整備から質的改善へと気運が生じ,その一例として木造校舎の推進が始まった.今では建築技術の発達により,地震・台風などの災害にも強い建築構法が開発されている.
1-3 作業のフレーム

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