「テクノパーク桜におけるロードサイドショップと通過交通の共存の可能性を探る」
第1章 はじめに
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 今回の実習で我々交通班は、つくば市の交通に関する問題を取り上げ、現時点での課題と解決方法を考察した。
 まず、つくば市内の交通に潜む問題を洗い出すために、ブレーンストーミング手法を用いて班員が意見を出し合った結果、全員が「テクノパーク桜の道路混雑」に関心を持っていることが分かった。これを踏まえ、我々は筑波大生にとっても身近であるテクノパーク桜地区の交通問題に着目し、ロードサイドショップの集中的な立地と道路事情により、交通の混雑が激しくなるという仮説を立てた。そして、テーマを「ロードサイドショップと通過交通の共存〜テクノパーク桜を例として〜」と定めた。このテーマの下に、ロードサイドショップと通過交通の関係を調べると共に、将来の交通量を予測し、かつ課題を抽出し、最終的に当該交通問題の解決案を提言することを今回の実習の目的とする。
〜テクノパーク桜概況〜

 テクノパーク桜は、筑波研究学園都市の東部に位置し、地区面積65.7ha、誘致施設用地24.6haを擁する。この地区は、住宅都市整備公団、市及び県の手によって職住近接型に設計・建設された。地区内を通る主な道路は、東西にしらかし通り(妻木上野線)、南北に県道128号線(土浦・大穂線)である。しらかし通り、県道128号線沿いは、主に第1種住居地域、第2種住居地域に設定されており、現在、沿道には多くの店舗が建ち並んでいる。また、沿道の店舗数は、1997年に13店舗、1998年に27店舗、1999年に52店舗と、この2、3年で急速に増加していることが分かる。それから、地区内の人口を住民基本台帳から調査したところ、1996年4月現在では629人だったものが、1,445人にまで増加している。これらのことから、テクノパーク桜は商業地としてだけではなく住宅地としても発展していると考えられる。

 さて、本題の交通問題であるが、当初、ただ漠然と地区内の道路が混雑していると感じているだけだったため、班員全員で地区内を視察することで概況を掴むことにした。視察後、夕方の混雑具合が道路交通容量を超えているのではないかという仮説を立て、実際にしらかし通りや県道128号線を利用する車の台数を測定することで検証することにした。休日(5月9日(日))および平日(5月12日(水))の測定で得られた結果を折れ線グラフで表すと以下のようになる。
表1 休日交通量および平日交通量
休日交通量
平日交通量

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