第2章 *建設動向*
2-1 石丸電気について
1)石丸電気店鋪拡大の変遷
  1993年  電気館(本館) 建設
    95年  テレビ館 建設 
    97年  パソコン館 建設
    98年  ソフト館 建設
    99年  修理館 建設
 この地域は行政により400坪以上の建物建設は禁止されているため、いくつかの建物に別れている。また、平家ということで従業員が少数ですむため、コスト削減につながっている。つくばという土地柄上、駐車スペースが問題となるが、出店当初約90台だった駐車場も現在では約500台と拡大されている。

2)石丸電気へのヒアリング
 我々は石丸電気の実態を把握するために石丸電気へのヒアリングを行なった。 現在、「つくば電気街」という名称は定着しているが、この名は、石丸電気が1993年に進出してきて以来石丸電気がかかげたことにより定着したものである。また、石丸電気は電気街の核となっているため、他の電気店から協定を結ぶようオファーがあったそうであるが、石丸電気は電気店1つ1つが競争をすることにより、価格やサービス、品揃えといったものが向上し、電気街により多くの人が集まり発展してくので協定を結ぶことを望まなかった。また将来、国際会議場の完成や常磐新線の開通に伴い、今以上の集客が見込まれるため、照明館や、高齢化に対応した介護館あるいはリサイクル館といったものも考えていて、さらにつくば電気街と秋葉原電気街が1つのレールで結びついた巨大モールに発展していったらと考えているということだった。


2-2 その他の電気店について
 1986年に、第一家電が出店し、同じ年続いてサト−ムセンも進出、両店とも、万博による区画整理、それに伴う人口増加を見込んでの市場拡大をはかっての進出である。当時は「つくば電気街」という名称もなく、郊外の大型電気店といった具合だった。続いて94年、石丸電気が出店し、石丸電気が「つくば電気街」と大きくかかげることにより、「つくば電気街」という名が一般に定着し、その影響を受け、コジマやIntioといった電気街も参入してきた。 現在、駐車スペースは第一家電約30台 コジマ約100台 サト−ムセン約50台となっており、売り場面積や品揃えでは石丸電気には及ばない。ゆえに各店、サービスに力をいれたり、パソコン関連の品揃えを充実させたり、他店の差別化をはかっている。
2-3 地域住民へのアンケート
 我々は電気街の変遷に伴う地域住民の反応を調査するため、元々、古くからこの地に住んでい る住民およびマンションに住んでいる新しくこの地にやって来た住民にヒアリングを行った。 その率直な感想として、思ったより電気街に対する不満が少ない、むしろ逆に近くに電気店があ ることの便利さを挙げる住民が多かったということである。特に、昔からこの地に住んでいる住 民たちは電気街(石丸電気)に対して好意的であるとさえ感じられた。この要因として、この 付近の住民の多くは電気店に土地を貸し出すことで、地代などのなんらかのメリットを得てい ることが影響しているのではないか。そんな中でいくつか寄せられた電気街に対する不満、不 安を列挙したい。
・ 電気街の利用者による迷惑駐車
・ 週末に急増する交通量によってひきおこされる渋滞、騒音
・交通量増加による事故の不安(特に小さな子供をもつ母親に多い)
  以上、この3点に集約される。もともと電気街地域は住宅地として整備されたために、それほ どの交通量を想定していなかった。したがって、現状のような狭い道路での対応を余儀なくされ ている。
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