ペットボトルの分別とリサイクルの実態及び提案
第3章 資源追跡班の報告
次へ

目次へ


3-1 ペットボトルに関する現状
1982年に厚生省が清涼飲料水にペットボトル容器の使用を認めてから1997年までに 清涼飲料水では約1000倍,全体で見ても約12倍にその出荷量が増えている.

○ペットボトルの選好と購買についてのアンケート調査
・調査日時,場所・・・クレオ付近(6/5),カスミ学園店(6/6),一の矢学生宿舎(6/8)
・調査方法・・・アンケート協力を呼びかけその場でやってもらうという対面式
質問項目回答
月一人当たりのペットボトル入り飲料の購入本数全平均4.7本(20歳代5.6本)
なぜペットボトルを購入するのか飲み残しても保存できる
軽い,割れない


3-2 資源追跡調査の目的
びんとペットボトルに注目して,それらがどこで,どのようにリサイクル処理され, 最終的にどういった形になるのかまでを実際追跡調査し,リサイクルの実態の把握 するなかでそれらの差異や問題点を見いだし,考察していく.


3-3 ヒアリング調査
日時業者名・業種ヒアリング結果
5/11ウィズウェイストジャパン(霞ヶ浦町)
・選別処理工場
・回収されたごみから再生資源選別ラインにのせびんやペットボトルなどを分類
・「ガラスは究極のリサイクル」でありガラスびんとして何度も再生可能
・ごみを出す際に「リサイクル」を念頭において分別すれば,コストの削減にもつながる
5/15ウィズウェイストジャパン(久喜市)
・処理工場(ガラスびん)
・色別のびんを洗浄しカラットにして,ガラスのリサイクル処理を行っている
・分別がされていないと,リサイクル処理されてできあがったカレットの精度がさがり,再生びんに欠陥が表れる.
5/18利根コカコーラボトリング(土浦市)
・飲料メーカー
・メーカー側の責任として処理費用を負担するといった話はない.
・リサイクルを考えるとガラスびんが望ましいが,利益を追求するためには消費者のニーズに会わせて物をつくるのは仕方ない.
5/25日本ガラス(熊谷市)
・製びん会社
・カラットなどを原料としてびんを作っている.
・ヴァージン原料の方が安く手にはいるため,再生原料でびんを作る方がコストがかかってしまう.
・カラットの精度が悪いため,再生びんは10本に1本の割合で不良品になってしまう.
6/3ウィズペットボトル(南河内町)
・処理工場(ペットボトル)
・北海道から関東までの地方自治体から回収されたペットボトルが集められ,洗浄,粉砕してペレットにして化学繊維メーカーなどに引き渡している.
・ペレットの価格が,再生された物がヴァージンより高いが,赤字を出してでも安くしてリサイクルに努力している.


3-4 資源ごみの流れのまとめ


3-5 欧州における容器包装のリサイクルシステムの紹介
DSD社(独)エコ・アンバラージュ社(仏)
設立年1990年1992年
法人形態州政府の確認を受けた有限会社5省庁から認可を受けた非営利法人
資本金300万マルク(約2億円),約600社が出資1200万フラン(約2.2億円),約250社が出資
普及状況全国的に実施,約17000社が回収システムに参加41の自治体と契約,約6000社と契約


3-6 アンケート集計から
・質問3・・・皆さんがごみとして出しているペットボトル(500mlサイズ)1本の 処理費用に19円かかってます.あなたなら処理費用として現在の価格にいくらまで 上乗せして買っても良いとお考えですか.
結果・・・世代にほぼ偏りがなく,「10円まで」が一番多いが「20円まで」という人も予想以上にいた.
考察・・・質問項目に19円という明示があったため,20円払う人が多く出たのであろう.

・質問4・・・日本ではびんに関してデポジット制というのがあります. これは飲み終わったびんを,購入した酒屋へ持っていくといくらかお金が 返ってくるシステムのことです.このお金というのは,もともと売値に 上乗せしてあるものです.
かりにペットボトルにこのデポジット制が導入されるとします.500mlサイズ1本につきいくら返却されるなら,あなたはこのデポジット制に 協力しますか.
結果・・・5円,10円という切りのいい額に集中した.
考察・・・10円以上では,とりあえず戻ってくるならいくらでもという人もいたので,あまり信用できない.


次へ

目次へ