調査の目的・背景

問題提起ごみ問題は私たちの生活に身近なものだ。
対策としてReuse, Reduce, Recycleからなる3Rがあるが、
私たちの行動は結果につながっているのだろうか。
筑波大学の現状筑波大学は年間約57.6トンのごみを廃棄しているが、
ペットボトルと缶は全てリサイクルされているため
廃棄量はゼロだと言われている(筑波大学環境報告書2017年)。
構内ではリサイクルに取り組むエコステーションプロジェクトが遂行されているため、
構内におけるリサイクルはかなり進んでいるのが現状である。
リサイクルの問題点リサイクルされたものから生産するものは新しいものよりエネルギーを約8倍消費することや、プラスチック製品に限定すると世界で生産される年間約4億トンのプラスチックのうち約4割が使い捨てされ環境に大きな影響を与えていることが挙げられる。
目的リサイクルが浸透している筑波大学において、
ごみ自体を削減する「減量」が自然に行われる環境を私たちは目指すべきであり、
構内全体で行われているリサイクルの妥当性に疑問を呈し、ごみ排出そのものを
減少させる必要性を筑波大学に浸透させることを目的とする。

調査の流れと方針

実習の流れ私たちの調査は、何の問題に取り組むかという問題の洗い出しから始まった。ヒアリングから、ごみ減量の意識がリサイクルに比べて低いのではないかという仮説が生じたため、仮説検証のため、1-4. で述べる質問紙調査を行った。
事前アンケートより事前アンケートにより、筑波大生はごみ減量の意識が少ないことがわかった。さらに、環境認知とごみ減量行動に有意性がみられたため、ごみ問題に関する情報を与えることで筑波大生のごみ減量の意識が促進されるという仮説を立てた。そこで情報を与えることで、筑波大生の意識をリサイクルからリデュースに向かわせることができるかどうか、そして、与える情報の内容によって効果に変化が起こるかどうか検証することにした。情報を与える対象を構内の学生と個人宅の学生に分けて情報提供を行い、その結果どのような行動の変化がみられたか以下に説明する。構内ではポスターによって、個人調査では環境パンフレットと学生と班員との個別のやり取りによっておこなった。

介入調査(構内編)

検証方法ポスター掲示の前後で廃棄される可燃ごみ/ペットボトルの重量、また消費されるレジ袋の枚数を調査し、情報提供によって学生の意識と行動にどのような変化が起こるか検証する。

介入調査(個人調査編)

調査に協力してくれた 13 名の学生を対象にごみ問題に関する情報を与えることで行動に変化がおこるか検証する。

調査の流れ参加学生には班員が担当者としてつき、連絡を取り合った。調査を始める前に学生には第 1 回質問紙調査で使用したアンケートと、普段行っている減量行動を記録してもらう。その後 1 週間は、普段のライフスタイルの情報収集である。毎日、その日に行った減量行動をグーグルフォームで記録してもらい、1 週間分の可燃ごみの質量とペットボトルの本数を記録してもらった。1 週間目の調査が終わった時点で、班員からごみ問題についてまとめた冊子が配布され、記載されているごみ減量対策を実践するように班員から伝えられる。冊子と一緒に、1 週間目に算出された廃棄量を基準に各々の削減目標値が伝えられる。目標値は、1 週間目と比較して可燃ごみ 10%、ペットボトル 20%の削減を値として定めた。介入後 1 週間、前半と同じようにごみを計測してもらい、廃棄量と意識の変化を再度質問紙によってはかる。

調査のまとめ

まとめ

構内における調査では、ポスターによってリデュースの重要性を認識させることができたが、
実際のごみ計測においての行動の効果は得られなかった。
ポスター掲示場所がごみ捨て場であったため、ごみを捨てるという行動と
ごみを減らそうというポスターのメッセージ性が合致しなかったことが原因の一つと考えられる。
個人宅における調査では意識、行動共に減量にコミットできた。協力者への事後アンケートから、
ごみの削減にはチェックリスト・ごみ計量・情報冊子が効果があったことが分かった。
2つの調査結果の違いから、減量行動を行うにはごみ減量行動をより身近に意識し、
さらに具体的なやり方を理解できるよう、個人への細かい介入が必要であると考えられる。

提案
調査結果から、私たちはごみ減量の促進に対して以下の提案を考える。
①廃棄量の視える化 エコステーションプロジェクトへの一般学生参加
②リデュース具体方法の提示

おわりに

謝辞本調査を進めるにあたり、
快くご協力してくださいました皆様に心より感謝申し上げます。
掛札 勇一様(筑波大学総務部総務課)
株式会社サンアメニティ第3学群棟管理の皆様
システム情報エリア支援室の皆様
丸善筑波大学3A棟売店の皆様
調査にご協力してくださった学生の皆様

班構成甲斐田直子(指導教員)
増田祐太郎(TA)
岸裕希奈、熊谷兼人、塩井徹弘、瀬川遥子、田代智之、戸田理香子、弘津陽介

付録

最終発表資料

最終発表資料レジュメ
最終発表スライド

中間発表資料

中間発表レジュメ
中間発表スライド