2.背景




つくばの水道水の現状

 東京都、大阪市の水道水と同じような状況がつくば市の水道水にもいえる。
 つくば市上水道の水源である霞ヶ浦は、 栄養分の流入が多く、富栄養化により藻類異常繁殖・鯉ヘルペスなどの問題を引き起こしてきた。 現在も水質は環境基準をはるかに超える状況が継続している。
 しかし、県南水道事務所では全国初の 生物処理施設を完備した高度浄水処理を導入している。実際に、TX開業イベントの一環として つくば市水道部が水道水とミネラルウォーターとの「利き水」を実施したところ、 335人のうち41%の人がミネラルウォーターより水道水の方がおいしいと回答し、さらに7%の人が 両者の判断をすることができなかった。また、上水道水の水質は上水道安全基準値を すべて満たしており、安全面において問題ないことが明らかになっている。
 ところが、2001年度の生活安全環境班の報告では、98%の人が水道水をまずいと答えた。 さらに、生活安全環境班が行った予備調査でも似たような結果が得られた。

 つくば市の水道水に関する現状をまとめると、以下のとおりである。

(a)水源(霞ヶ浦)の現状
  霞ヶ浦は、栄養分の流入が多く、特に70 年代以降、富栄養化が進んだことによって 藻類異常繁殖・鯉ヘルペスなどの問題を引き起こしてきた。水質は環境基準をはるかに超える状況が 継続している。

(b)つくば市の上水道
  上水道水の水質は上水道安全基準値をすべて満たしており、安全面においては問題ない。

(c)住民の意識
  2001年度の生活安全環境班の報告では、98%の人が水道水をまずいと答えていた。 また、我々が行った予備調査でもほぼ同様の結果が得られた。



問題提起

 このように、「つくばの水道水はまずい」という認識が多くの市民に持たれている。 しかし、つくば市水道部の行った利き水でミネラルウォーターと比べても差が 認められなかったり、安全性については問題がなかったりと、水道水のまずさの原因が 明確ではないのが現状である。
 その一方で、つくば市のスーパーなどでは無料に近い値段の給水サービスが提供されていたり、 ミネラルウォーター売り場が拡大してきたりしており、これらの水を購入している市民も少なくない。 生活安全環境班はこうしたつくば市民の行動を不思議に思い、市民の水利用の実態を明らかに しようと考え、調査を開始した。




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