環境効果について

地産地消による環境効果の試算
地産地消は環境負荷を抑制する効果があるといわれている。
どれほど効果があるのかフードマイレージと、
霞ヶ浦と地産地消に関わるであろう問題を数値化してみた。



○フードマイレージ


フードマイレージとは食料がどこで生産されどこで消費されるのか、
またその量がどの程度なのかを数量ベースで表す指標で、食料の輸送距離にその輸送物量を乗じて算出される。
単位はt・qで表される。


輸送距離が長くなるほど、環境に与える影響は大きくなる。
食料輸送が、環境に与えている負荷を数値化するために考えられたのがフードマイレージである。



【フードマイレージの算出方法】
○全国各地からからつくば市に野菜を入荷した場合(各野菜に関して)
フードマイレージ(t・q)
= (各都道府県の年間総収穫量(t))×(各都道府県とつくば市間の道路距離(q))
×(つくば市の人口/日本の総人口)
○つくば市だけで消費する野菜をまかなう場合(各野菜に関して)
フードマイレージ(t・q)
=(全国年間総収穫量)×(つくば市の端点間距離30q)  
 ×(つくば市の人口/日本の総人口)




フードマイレージの計算結果である。今回は大根・人参・白菜の3品のみの数値である。


つくば市における野菜のフードマイレージ(単位:t・q)
野菜全国から入荷した場合つくば市だけで賄う場合フードマイレージの差減少率
大根1778171.877210.41700961.495.7%
人参612777.728841.4583936.395.3%
白菜288101.942584.8245517.185.2%
平均893017.149545.6843471.694.5%

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○霞ヶ浦


完全な地産地消を求めるためには、肥料も地産地消できていなければならない。
そのためにこの地域において肥料を得ることを考えた場合、
大量の有機物が貯まり水質汚濁が進んでいる霞ヶ浦から得ることはできないかと考えた。

霞ヶ浦のIN & OUT (単位:kg)
流入量除去量
底泥浚渫事業魚粉事業
534,609窒素43,800485
539,208リン4,50043.65


次に底泥浚渫事業と魚粉事業を同じ1000万円という予算で行った場合の
除去量の差を比較することにした。

1000万円あたりの除去量(単位:kg)
底泥浚渫事業魚粉事業
窒素46.31,520
リン4.8169

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○地産地消による環境効果のまとめ


フードマイレージについては、数値化した3種類の野菜に関してはおおむね90%の減少が見込まれることが分かった。
これらの数値を全国または世界規模の環境効果として捉えると、その規模は小さく思えるかもしれない。
しかし、このことが環境に対して良い影響を与えることには間違いなく、期待できる。

霞ヶ浦の現状としては、農地由来の汚染物質の流入量は現状の事業による除去量をはるかに上回っている。
現状のままで事業を行っていく場合、霞ヶ浦の環境改善を望むことは難しい。
しかし、魚粉事業を行った場合は一千万円あたりの除去量が大きく、
より効率的な事業であるので将来的にさらに除去量を増やすことができるだろう。


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