4.2心理的距離短縮のための具体案

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ペデ上の心理的距離に関する考察

現在のペデは、施設間距離が長く、歩行者を楽しませる刺激が無い場所が存在する。そのような場所が「心理的距離」を長く感じさせ、回遊性の妨げる一因となっている。ここでいう心理的距離とは、実際の距離に対する人々の意識的な感覚的な距離である。
図4.2-1:歩行者を楽しませる刺激の無い場所

米谷他(2002) 意識距離の短縮効果を有する歩行空間の創出に関する基礎的研究
本研究では意識距離の短縮効果を有する歩行空間の創出のための基礎段階として、地下通路環境と意識距離との関係について考究してきた。
以下に、本研究で得られた主要な成果を示す。
1.歩行環境の違いにより、意識距離が変化することを証明した。
2.「意識距離の法則」の構築により、実時間距離と意識距離との関係を明確化した。
3.地下通路環境の構成要素である「にぎやかさ」、「見るものの多さ」、「明るさ」、「多様性」の4項目が意識距離に大きく影響していることがわかった。
これらのことから、歩行者をセンター地区周辺から南北ペデへ促すには、歩行者がその道を歩きたくなるような刺激を与え、心理的距離を短縮すれば良い。そこで我々は、その刺激を与える方法として、ランドマーク、花壇の整備、ワゴンショップ・ギャラリーを提案する。

1.街のシンボルとなるランドマークの設置


図4.2.1-1:ランドマーク設置前

図4.2.1-2:ランドマーク設置後
<概要>
ランドマークとして時計・ガリレオ温度計などを設置。デザインはTsukuba Science Cityという街を意識し、科学にちなんだものとする。センター広場に設置する。

<効果>
歩行者が見るものが増加する。
歩行者の印象に残り、認知度が上がる。

2.花回廊の整備


図4.2.2-1:花回廊設置前

図4.2.2-2:花回廊設置後
<概要>
花壇を整備し、花回廊を作る。
整備はセンター地区の統括団体やNPOなどが行う。

<効果>
季節により花を変え、市民は常に移りかわる街並みを楽しむことが出来る。

3. ワゴンショップ・ギャラリーの設置


図4.2.3-1:ワゴンショップ・ギャラリー設置前

図4.2.3-2:ワゴンショップ・ギャラリー設置後
<概要>
出店者は一般市民で、センター地区統括団体が市民に場所とワゴンを提供し、気軽に出店できるようにする。

<効果>
センター地区の各施設間に配置し、にぎやかさ、多様性などを高めることで心理的距離短縮を図る。

各具体案の配置

 4.2.1における心理的距離の概念をもとに、心理的距離の短縮による効果を考慮した上でランドマーク、花回廊、ワゴンショップ・ギャラリーの配置を考えた。各具体案の配置は以下のようにする。

図4.2.4:各具体案の配置

    

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