街路景観を考えるに当たり、まずは住宅地を整備している都市基盤整備公団(都市再生機構)にヒアリング調査に行いました。その結果、住宅地の街路景観に関して以下のことが分かりました(図-1)。
@街路景観を大きく3つの部分に分けて考えている
・ パブリック空間…道路部
・ プライベート空間・・・住宅そのもの
・ セミパブリック空間・・・両者の中間部分
A近年の住宅地開発において、セミパブリック空間が重要視されている
Bそれを実際の住宅地に実現した例として、龍ヶ崎ニュータウンの新世紀邑、ビレッジつくば竹園などといった住宅地がある。
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図-1 都市基盤整備公団へのヒアリング
公団へのヒアリングをもとに、現地を視察しました(写真-1)。すると、はっきりとした塀や垣根の類がなく、セミパブリック空間がすっきりと美しいものになっています。しかし、それと同時にこの景観からは、人が住んでいることによる親しみ、あたたかさ、界隈性が欠如しているように感じました。
(写真-1) ビレッジつくば竹園[拡大可]
そこで、親しみを表すものは何かを考えたところ、フラワーポットや鉢植えなどといった「表出の緑」が見えてきました(写真-2)。これらは住民が自らの意思で自発的に接道部に出し、管理も住民自ら行っています。そのような理由から「表出の緑」は街路景観に「親しみ」を与えるものとして働いているのではないか、と考えました。
(写真-2) 表出の緑のある街路景観[拡大可]
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