建物建設動向班 2003

論文要旨



 つくば市の市庁舎は、筑波、大穂、豊郷、春日、桜、谷田部、茎崎の7つの庁舎に分かれている分散庁舎方式である。しかし、分散庁舎方式は、会議などのために庁舎間を移動しなければならないため業務遂行において非効率的である。そこで、新庁舎を建設し、庁舎を一つにまとめる計画が、現在進められている。私達は、この計画が妥当なものであるのか調査を行った。調査の結果より、私達は、新庁舎建設は財政の大きな負担となってしまうと考えた。新庁舎建設の他に、つくば市にとってより良い庁舎形態はないだろうか。それを考えるにあたり、目的を第一に、「市民サービスを確保、向上させた上で市の業務の効率化を図る」こととし、第二に、「新庁舎建設案とは違ったアプローチでより良い庁舎の提案をする」こととする。

 まず、市民サービスを確保する事を考える。来庁舎人数のほとんどが市民窓口の利用を目的としているので、市民窓口サービスの十分な確保が市民の利便性を向上させることにつながるだろう。そこで、公民館に窓口を設置し、証明書自動発行機を導入することを提案する。

 この前提に立った上で、次に業務の効率化を図る。業務を効率化する方法として、既存の庁舎を使用し、業務において密なつながりを持つ部局をまとめ、中枢機能を持つ庁舎と各庁舎間の距離を小さくすることとする。

 そこで、私達はまず、4庁舎方式を提案する。

 4庁舎方式(トライアングル構想)とは、直線距離がほぼ等しく約8.5qである桜庁舎と豊里庁舎と谷田部庁舎を利用し、三角形の内部に位置する春日庁舎も使用する庁舎形態である。4庁舎を利用する上で、業務において密なつながりを持つ部局をまとめた。その結果、庁舎間移動距離を半分にまで減少させることが可能になった。

 しかし、私達はこの提案には決して満足できない。現状よりも効率的になったと言っても、絶対的に効率的になったとは言えない。さらに効率的にするには、やはり、庁舎を一つにまとめる他ないだろう。だが、新庁舎建設には莫大な費用がかかってしまう。

 そこで、現在つくば市に存在する7つの庁舎全てを元ダイエービルと三井ビルを活用し、一つにまとめる一庁舎方式を提案する。

 この方式によると、市庁舎は、つくばセンターバスターミナルやつくばエクスプレスつくば駅の近くに立地する。つまり、市の中心部に立地することができる。また、ペデストリアン・デッキ沿いであるため、市民および市外からの来庁者にとってアクセスが画期的に容易になるだろう。さらに、この一庁舎方式は現状よりも効率的であり、新庁舎を建設するよりもはるかに低コストで済む。これらの理由から、建物建設動向班は、この元ダイエー一庁舎方式を『つくば市におけるより良い庁舎形態』として提案する。


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