【3.提案】

3.1. 市民への行政サービス



 現状としては、分散庁舎方式により大きな問題は無く、必要なサービスは確保されていると言える。よって、私たちはこれからの行政サービスを先進他市事例や将来予測などを踏まえ、将来的なつくば市の行政サービスのよりよい向上を目的として提案する。
 私たちは窓口業務の効率性を上げることが行政サービスの向上であると考え、まず窓口業務の現状を調べた。現在、つくば市は各庁舎の市民窓口と5ヶ所の出張所によりサービスが提供されており、その取り扱い業務内容は下記の通りである。

 

 窓口以外にも出張所が設けられていて、非常に効率的だと感じられるだろうが、実際は各庁舎に隣接している公民館に出張所の機能を持たせているというものであり、ほとんどが窓口にてすまされているのが現状である。
 そこで、より効率性を上げるために、窓口業務機能を公民館にまとめてしまおうと考えた。 公民館を選んだ理由は、ウェーバー点とのマッチングや、現在の分散数の確保(現在のサービス力の確保)が容易なこと、出張所の有効活用である。 この時点で現在と同程度のサービスは確保できる。


 [証明書自動発行機]

 他市事例からこれからの行政サービスのあり方を調べ、証明書自動発行機の導入を検討した。 システム導入による諸費用は以下の通りである。 

表2.4 証明書自動発行機諸費用
 * サーバ機器は一台で約20台の発行機を制御可能である。
 ** オプション機能とは、老人や身障者への配慮した音声ガイド、ディスプレイ、点字、簡易操作機能などを総合した機能である。
 *** 今回のデータはNECグループによる概算である。


 自動発行機のメリットは、大きく分けて2つ、窓口の混雑緩和と住民の利便性の向上である。しかし、現在、実施都市の多くは庁舎内に併設しているものが多く、機能的に窓口の混雑緩和のみに重点がおかれているようである。
 対するデメリットとして考えられるのが、整備、維持費用である。 しかし実例として市川市、北九州市、多治見市などすでに導入、実践している都市のほかにも、これからの導入を検討している都市は数多く存在しており、将来的には窓口業務には自動発行機導入が主体になるといっていいだろう。そういった傾向とつくばエクスプレスの完成などを考慮に入れると、よりよい行政サービスの向上には自動発行機の導入をすべきだと考え、具体的な立地場所を提案する。

 まずウェーバー点から分析し、公民館とのマッチングが外れている地区の補完を考えた。桜地区のウェーバー点は桜公民館よりは筑波大学近くに存在しており、大学という特性から定期的ではあるが需要が確実に高いことから筑波大学内に1台設置した。
次につくばエクスプレスの完成を考慮に入れ、各駅に1台ずつ設置した。
かかる初期投資費用は合計4台の設置で、1000万円x4+500万円+200万円x4=5300万円である。維持費は200万円x4=800万円である。

 以下は自動発行機設置後の市の全体図である。

図2.3 証明書自動発行機設置後の市の全体図

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