第1章 基本構想


[1 基本理念] [2 human port 構想] [3 計画の指標]

 第1節 基本理念

  土浦市は,伝統ある歴史と豊かな自然を持つ県南地域における中核都市として,つくば市・牛久市とをつなげた広域ネットワークの中心としての役割が求められる.そこで,これからの土浦市の目指す都市をイメージし,霞ヶ浦に面しているという立地特性とあわせてキャッチフレーズを「human port」とした.このキャッチフレーズのもとに「ひとの集まるまち」を目指して次の三つの都市像を掲げ,その実現に向けた取り組みを推進する.

温故知新な伝統文化都市
延命息災な健康福祉都市
山紫水明な自然共生都市 

○温故知新な伝統文化都市
 土浦市には長い歴史に育まれた数多くの文化財が存在しており,郷土の歴史・文化の理解に欠くことのできないものである.そこで,土浦市景観条例を基本に,亀城公園を中心とした,旧市街地に位置する歴史的な建造物の保存と歴史の感じられる景観づくりを進める.それと同時に,れんこん・ワカサギ等の土浦市の特産品を用いた地場産業の活性化をはかり,観光産業とともに発展できるように計画する.土浦市の特徴である,つくば市・牛久市などの周辺地域にはない伝統的な文化を尊重することから,土浦市の新たな発展を目指す.

○延命息災な健康福祉都市
 本格的な高齢社会の到来に対応して,生涯にわたる健康づくりと住民参加を含めた包括的な保健・医療・福祉のサービス体制の整備をすすめる.また,多様な福祉ニーズに対応するために,高齢者・障害者のための総合的な福祉施設「宍塚福祉村」を計画し,県南の福祉業務の中心としての役割を担う.施設等の計画だけにとどまらず,高齢者・障害者を対象とした事業を計画し,ソフト的なサービスの充実から,人々が生涯に渡って住み良い暮らしを提供する都市を目指す.

○山紫水明な自然共生都市
霞ヶ浦をはじめとする豊かな自然環境は,やすらぎや潤いを与える貴重な資源であることから,その保全に努め,再生・整備を行い,市民のふれあいの場としてより有効に活用されるような空間を提供する.土浦市のシンボルとして霞ヶ浦湖岸の整備を促進し,市民に関心を持ってもらうと同時に,霞ヶ浦の水質改善など市民が一体となった環境保全をはかる.また,県南の中核都市として,市外・県外からも人が集まる水辺での観光・アメニティ機能の充実を推進するとともに,無秩序な開発を抑制し,美しい自然と共生する都市を目指す.


 第2節 human port構想

  人の集まるまち「human port」の形成を目指したシンボル的な実施計画として,土浦駅北東駅前地区への市役所移転とあわせた業務施設の集積を計画する.土浦市の市役所を土浦駅の近傍に,霞ヶ浦湖岸である場所に移転することで,土浦市の中心地の明確化と,土浦は霞ヶ浦湖岸の港湾都市であるという市民の意識の高揚をはかる.土浦市の特徴を最大限に活かすことを目標に,土浦の歴史・文化を尊重した事業,霞ヶ浦湖岸・宍塚大池周辺を中心とする自然環境地区を絡めた事業,県南地域における業務核都市としての事業等を展開し,伝統文化・自然環境・福祉業務の融合した都市を目指し,土浦市だけでなく広域からの利用を考えた,総合福祉施設「宍塚福祉村」の建設や,土浦駅西口地区の商業の活性化などを計画する.これらの計画の実施から市の枠を越えたひとの流れをつくり,グレーターつくばとしての発展を目指す.

 第3節 計画の指標

◆人口推計

 <推計手法>
 土浦市の将来人口推計は,コーホート要因法を用いて算出した.基準人口は,総務庁統計局「平成7年度国勢調査」によるデータを,4つの要因(将来の出生率・将来の生残率・将来の純移動率・将来の出生性比)に関しては,厚生省人口問題研究所による茨城県データを用いた.

 <計算方法>
(T)0歳人口:15〜49歳の女性に出産能力があると仮定し,年齢別出生率から算出.
   (0歳人口)=(i歳出生率)*(i歳女性人口) (i=15〜49)
(U)i歳人口:t年のi歳人口は,(t-1)年における(i-1)歳人口に生残率を乗じて
   求まる生残数に,移動数を加えて算出.
   (t年i歳人口)=((t-1)年(i-1)歳人口)*((i-1)歳生残率)* (1+(移動率))

(T),(U)を繰り返すことで,土浦市の2010年人口推計を行った.

 <推計結果>
 上記の方法による計算結果2010年土浦市将来予測人口は約15万4千人と推計された.

 <計画人口>
 以上の推計結果と今回の計画内容から計画人口を16万人と設定する.

 計画人口  16万人 


人口推移グラフ


3段階人口割合グラフ

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