提案3Connecting Transportation
「玄関からバス停まで」を繋ぐ交通
背景
現在の土浦市では、駅から800m以内、バス停から300m以内に入っていない交通空白地域が広がっており、そこに広がる住宅街に住む人が公共交通を利用できないという状況になっています。さらに、土浦市は車社会であることが、本マスタープランが目指すゼロカーボンの大きな障壁であり、また、自動車依存により公共交通の利用者が減り、バス路線の廃止につながる可能性があります。一方で、自動車は市民の重要な交通手段であり、既存の道路交通に大きな影響を出す施策を行うことはできません。
これらの現状と課題を解決するための、新たな交通手段とバス停整備の提案を行います。
対象地
対象地は現在の土浦市内の交通空白地域のうち、人口が多い地域を5地域選定しました。この地域に導入することで、効率良く、多くの住民の移動しやすさを改善することが可能になります。
図1:グリーンスローモビリティ導入対象地域
詳細
グリーンスローモビリティ
交通空白地域の住民の家から既存の路線バスのバス停を繋ぐ交通手段として、環境負荷が少なく、狭い道でも走行可能な時速20km未満で走行する電気自動車を活用したグリーンスローモビリティを導入します。住宅街の中での導入のため、既存の道路交通に大きな影響を出さず、地域住民の生活の足を確保することが可能です。また、予約制のデマンド型交通として導入するため、利用者は好きな時間に好きな場所で乗り、好きな場所で降りることができるという特徴を持ちます。
動力の電気は、廃棄する食用油を回収し、ディーゼル燃料に変えるという既存の土浦市のシステムを利用し、そのディーゼル燃料で発電を行います。
バス停整備
バス停をグリーンスローモビリティから路線バスへの乗り換え拠点にするとともに、グリーンスローモビリティを使わなくても自転車で移動できる人に向けて、自転車から路線バスへの乗り換えの拠点となるように整備を行います。
バス停整備は各バス停の上下線どちらかのバス停付近に駐輪場を設置、また、各バス停の上下線両方にグリーンスローモビリティの乗り換えのための雨除けを設置します。
図2:グリーンスローモビリティとバス停整備の詳細
定性的効果
この施策の効果として、移動手段の確保により、交通空白地域を解消することで、そこに住む自動車を利用することができない人、特に高齢者が一人で外出することができる環境を作り出すことができます。また、この施策により路線バスの利用者増加を見込むことができ、利用客の減少とコスト増大により圧迫されているバス会社の経営を健全化することで、バス路線廃止による更なる交通空白地域の拡大を抑制することができます。さらに、バス利用者の増加が自動車利用の減少につながり、温室効果ガス排出量削減にもつながることが想定されます。
定量評価
この提案によって、交通空白地域に住む住民の割合を現在の23%から11%まで減らすことができます。さらに、想定利用客数が1日に278人おり、それによる収益が年間1000万円見込むことができます。また、その利用客がバスを利用することで、バス会社の収益増加額は年間2900万円になり、自動車の利用が減ることで年間78トンの温室効果ガスの排出削減が想定されます。
図3:定量評価の詳細
収支
| 項目 | 金額(円) | |
|---|---|---|
| 初期投資額 | 5,000万 | |
| 補助金 | 2,500万 | |
| 運用費用 | 2,800万 | |
| 定量的便益 | 直接収入 | 1,000万 |
| 間接収入 | - | |
| コスト削減額 | 1,350万 | |
| 年間収支 | -450万 | |
この提案自体の収支は毎年450万円の赤字ではありますが、バス会社の収益増加、導入地域の地価の上昇や、公共交通機関の利用による中心市街地の活性化など、さまざまな経済効果が考えられます。
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