提案1-1Childcare Medical Area
こどもメディカルエリアの整備
背景
本提案の背景には、アンケート調査から浮き彫りになった土浦市の周産期・小児医療における課題があります。夜間・休日の急病時に対応する救急体制や、共働き世帯の就労継続に不可欠な病児保育施設へのアクセス・充実度に対し、多くの保護者が強い不便さを感じている実態が確認されました。
これらのデータは、既存の医療インフラだけでは市民の「産み育てたい」というニーズに応えきれていないことを示唆しています。したがって、「子育てに選ばれるまち」を実現するために、まずハード面での医療拠点の確保により医療環境を改善することが急務です。
対象地
おおつ野地区未利用地(29街区)
本エリアは総合病院である土浦協同病院を中心にインフラや医療施設が計画的に整備されており、県南を代表する医療集積地となっています。そのエリアの中心に位置し、現在企業向けの未利用地として情報が出ている29街区に本提案の小児/周産期医療複合施設を配置します。このエリア選定により本提案の施設は既存の医療機能と強固な連携体制をとることができ、利用者にとって安心・安全・便利な医療環境を提供できます。
詳細
今回提案する施設は、一つの区画に病児保育施設、児童館、産科病院、産後ケア、小児病院が集積した複合施設です。
- 病児保育施設: 病気の子供を看ることのできる保育園で、定期的な利用と一時的な利用の両方に対応しています。特に、朝急に熱が出てしまったが親が休めない場合や、保育施設で急病にかかったが迎えに来られないなどの場合にこの施設に子供を送り、診察や薬の手配を含めて病院と連携して対応してくれます。
- 児童館: 土浦市にある児童館は3つと少なく、休日の預かり体制が十分でないといった課題があるため、それに対応する新しい児童館を設置します。
- 産科単一病院/産後ケア:
土浦協同病院に、産科と産後ケアは既に存在していますが、土浦市には分娩ができる病院が2つしかなく、いずれも総合病院です。総合病院での出産は心理的なハードルが高いという面もあり、おおつ野地区に新しく分娩まで可能な産科病院を設置することで、選択肢を増やしたり過密を緩和させたりする効果が期待できます。
もともと協同病院の産科は難産などへの対応が強みのため、そこと連携することで安心安全な周産期医療環境を提供できます。加えて、近年需要や意識が高まっている産後ケア施設についてさらに充実させ、病院があるだけでなく総合的な環境の良さもアピールできるようにします。
定性的効果
本提案によるおおつ野地区での医療・保育機能の集積は、高度医療を担う土浦協同病院との連携を通じて、医療体制の脆弱性と待ち時間の短縮を実現します。
これにより、親が安心して働き続けることができるという物理的な安心感が担保され、アンケートで指摘されたように分娩や救急時への不安(45%)を根本から解消します。
また、病児保育施設の併設は、子どもの急な発熱時における保護者の精神的負担を軽減し、負担を大幅に低減します。
さらに、児童館の併設により配偶することで、通院時や分娩時に上の子を預ける場所がないという2人目・3人目出産時の障壁を取り除き、多子世帯にとって利用しやすい街へと進化します。
定量評価
【病児保育施設】
病児保育施設に預けたいというニーズに対し、3人に2人は予約が取れない状況になっており、新施設で10〜12枠規模の病児保育を整備することでこの欠を埋めます。
現状では、少なく見積もっても64人の供給枠が不足しており、欠乏率は68%と高くなっています。
今回のプランエリア拡張などを想定して利用者数を算出するとピークでは欠乏率が80%まで上昇することが推計され、今回提案する新施設の規模は10〜12枠を想定するものとしました。
【周産期医療施設】
土浦市内の分娩数を年間約420件増加
市外の病院からこの病院へ、年間約200人の流入
収支
| 項目 | 金額(円) | |
|---|---|---|
| 初期投資額 | 8億 | |
| 補助金 | 3億 | |
| 運用費用 | 4億 | |
| 合計 | 4億3000万 | |
| 定量的便益 | 直接収入 | 4億3000万 |
| 間接収入 | - | |
| コスト削減額 | - | |
| 年間収支 | +3000万 | |