都市計画マスタープラン演習1班

提案2Local Energy Production and Consumption

電気の地産地消

背景

本章では、再生可能エネルギーの導入と農業を取り巻く地域課題を関連づけた電気の地産地消システムを提案します。

背景1

図1:日本の部門別CO2排出量(2019年度)

背景2

図2:土浦市の耕作放棄地の現状

再生可能エネルギーの導入拡大は排出量削減において重要な視点です。また、新治地区および中央地区の西側では、農業が盛んな地区である一方、農業従事者の減少や高齢化に伴い、耕作放棄地の増加が課題となっています。これらの未利用地は農地としての再生が難しいケースも多く、新たな土地利用の方向性が求められているとともに、土浦市の農業ブランドを支える農業経営の継続に向けた環境整備も求められます。

概要

電気の地産

営農型太陽光発電
新治地区と中央地区に多くある耕作放棄地で営農型太陽光発電を実施します。営農型太陽光発電とは、農作と太陽光発電を同時に行うことができる発電方法のことで、土浦市が耕作放棄地の活用方法として掲げている油糧作物の栽培と同時に行うことを想定しています。今回導入を想定している太陽光パネルは遮光率36%で1haあたり5kWの出力が見込めるものであり、土浦市内の耕作放棄地634ha全てで発電を行うと仮定すると、約4500MWh/年の発電量が見込めます。

営農型太陽光発電の様子

図3:営農型太陽光発電のイメージ

バイオマス発電
土浦市内の農家から出る果樹の剪定枝を燃料として発電を行います。2010年度の果樹剪定枝賦存量は1515t/年でしたが、その内活用されていたのは全体の32%にあたる485t/年のみでした。そこで、未利用分約1000t/年を農家から市が買い取り、小型バイオマス発電を行います。この場合、発電量は約700MWh/年が見込めます。

電気の地消

市内で作った電気を市内で消費するための手段として、二つの方法を検討しました。

地産地消モデル詳細1

図4:地産地消の2つの方法

それぞれの方法におけるメリット・デメリットは以下の通りである。

地産地消モデル詳細2

図5:各方法のメリット・デメリット比較

  • 小さな区域における地産地消モデル: 土浦市内におけるモデル都市として、まず新治地区内の一つの区域を対象に事業を実施します。当該区域には、新治学園、新治運動公園、土浦市立学校給食センター、土浦市新治地区公民館、土浦市役所新治支所といった公共施設が集積しており、自営線を整備することによる費用対効果が高いと考えられます。将来的には、こうした取り組みの成果を踏まえ、市内他地区への段階的な展開・規模拡大を検討します。
  • 土浦市全域における地産地消: 既存の電力線を活用して市全体で展開します。

自営線を利用することは、防災性に優れ、地域内でお金が循環するというメリットを持つが、費用面で経済的実現可能性/持続性に不安が残ります。そこで、初期段階として自営線は局所的な導入にとどめ、市全体としては既存の電力線を利用します。

定性的効果

農業コストの削減
剪定枝の買い取りや、農地への電力・熱の無償供給により、農家の経済的負担の軽減が図られます。熱供給はバイオマス発電から発生する排熱を想定しており、約1,400MWh相当の熱量が見込まれます。供給された電力は農業用施設や農業機械に利用し、排熱はビニールハウス等の地中加温に活用します。これにより、これまで生育条件の制約から栽培のハードルが高かった作物を育てやすくなり生産性の向上が期待されます。また、エネルギーコストの低減によって農業経営の安定化が図られ、経済的な理由による農地の減少にもつながると考えられます。

災害時の電力源
自営線を整備することで、災害時等に外部からの電力供給が遮断された場合であっても、区域内においてエネルギーの自給自足を継続することが可能となります。非常時においても公共施設や避難所の電力が確保されることで、利用者の安全性が高まるとともに、復旧・復興までに要する時間の短縮にも寄与すると考えられます。

収支

項目 金額(円)
初期投資額 25億
補助金 6億
運用費用 4,500万
合計 -
定量的便益 直接収入 -
間接収入 -
コスト削減額 1億5,600万
年間収支 +1億1,100万

効果

  • 20年間の累積CO2削減量: 43,784t-CO2
  • 年間合計再エネ発電量: 約5200MWh/年
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