Izi Project~意地をみせ、まちを維持する~

#4 モール505

1) 背景
 モール505は、土浦駅から良好なアクセス圏内にあり、その昭和チックな景観はロケ地としても利用されています。土浦商工会議所へのヒアリングによると、モール505は「東西の結節点であり、東側の賑わいをつくり出すにも重要な場所」であるとおっしゃっていました。また、空き店舗が26店舗と多くなっており、寂しい印象を受けます。さらに、土浦駅西口からモール505へ行く通りは人通りが少なく、街灯が少なく暗いことから、動線に魅力がないことが伺えます。




 そこで、モール505が持つ立地や景観などの特徴を活かし、創業当時のようなにぎわいのある空間を創出することを目指します。




2) 概要
 具体的に私たちは空き家の活用について3つの提案を行います。具体的は、➀店舗を用途ごとにエリア分けすること、➁新規参入への支援、そして③動線の整備です。

1. 店舗を用途ごとにエリア分け

 3階を事務所エリア、2階を美容エリアと勉強カフェ、1階を娯楽エリアと飲食エリアとして分けることを提案します。





2. 新規参入への支援

 飲食店の誘致にフォーカスし、空き店舗にお試し出店をする事業者にはテナント料の無料化、さらに正式に出店を決めた事業者には金銭的支援を行います。





3. 動線の整備

 駅からの動線をこのように明るく快適な歩行空間にし、店の前には提灯を設置し、また、テラス席などを設けます。




 こちらについてはCGで再現した景観シミュレーションをご覧ください。

シミュレーション動画



3) 費用
 動線の整備に関しては、街灯建設費用400万円、道路整備費用2400万円と試算しました。モール505前の整備に関しては、提灯整備費14万円、テラス席等設置費64万円、店先の整備費960万円と見積もり、動線整備費用との総額で3848万円と試算しました。

4) 効果
 店舗のエリア分けの効果としては、利用者にとって分かりやすくなり、エリアごとでまとまったにぎわいが生まれることが挙げられます。また、店舗が集積することによる相乗効果も期待できます。勉強カフェについては、土浦一高の通学路付近に立地していることとコロナ禍によるリモートワークの普及から、高校生や社会人の利用を見込めます。
 新規参入への支援では、出店のハードルを下げて、新規事業者の出店可能性を引き出します。
 動線の整備では、駅からモール505の人の流れをつくり出すとともに、モール505の店先に提灯などを設置することで昭和風の景観がより魅力的な空間になると期待できます。さらに、店先にテラス席などを設けることでにぎわいが店内だけでなく店外へ波及される効果が見込めます。