• 人が輝くまち
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観光の太陽
―おはよう霞ヶ浦―




課題


商業衰退と景観の悪化に伴って歩行者通行数が減ってきました。歩行者通行量調査結果によると、土浦駅から亀城公園までのメーンストリートは5年間で歩行者数が2割減少してきました。 モール505の地点では減少が5割以上になっています。一方、平成22 年と比較して滝の広場前と中城通りでは少し増えてきました(図16)。



土浦への訪問意向について、訪問経験がない人の7割が「土浦に行きたいと思わない」か「どちらともいえない」と回答しました。 そして、訪問経験がない人の5割以上「土浦に行きたいと思わない」か「どちらともいえない」と回答しました(図17)。いかに人を呼び込むか、リピーターを生むかといった取り組みが必要です。



提案


レジャーマリンスポーツ


そこでレジャーマリンスポーツを提案します。 最近様々なレジャーマリンスポーツが流行しています。例えばスタンドアップボード(SUP)やフライングフィッシュ、バナナボード、フライングフィッシュ、ジェットクルージング、ウォーターボールなどがあります。 レジャーマリンスポーツの施設をラクスマリーナや運動公園で導入し、イベントの形でマリンスポーツをどんどん追加していけば、どんどん利用者が増えてきます。さらに、都心から1時間しかかからない立地にある土浦駅が霞ヶ浦の近接である利点を活かし、 交通費と体験費とあわせて格安の日帰りの旅を提供することで市外から多くの観光客を呼び込むことが期待できます。 しかしながら、マリンスポーツといえば水に顔をつけざるを得ないという問題があります。 紹介したマリンスポーツのうち、フライングボード以外は水に落ちる可能性がありますが、水に入り込む必要はないためインストラクターが同行することで問題はありません。 他では味わえない体験のイメージをつくるPR活動も重要です(図18)







霞ヶ浦情報パネル


霞ヶ浦で遊べるようになるためには霞ヶ浦との馴染みと愛着を先に作る必要があります。それは以下の三つの対策で行います。
①霞ヶ浦の環境に関する環境の情報を公開する
②市民にできる霞ヶ浦水質浄化対策の紹介や霞ヶ浦のイベント多く開催しその情報の公開をする
③中心市街地基本計画の水辺活性化の事業のイメージを紹介する
以上の三つの対策は情報の提供に限るものなので一箇所でまとめて定期的に更新し、集客が多い土浦駅や霞ヶ浦運動公園、川口公園、市役所、ラクスマリーナなどで設置することで、多くの人に情報が伝えられます。 そこで「霞ヶ浦情報パネル」を提案します(図19)。このように霞ヶ浦との関係が強くなり、霞ヶ浦の現在と霞ヶ浦の未来への馴染みが深くなることによって、市民と観光客と水辺空間の活性化の事業とのつながりを作ることが活性化の成功の第一歩です。







補足


霞ヶ浦情報パネルの「実施中の事業」の例:
中心市街地基本計画では「かわまちづくり事業」や「水質浄化噴水施設整備促進事業」などが水辺空間の活性化を目指しています。その内容は霞ヶ浦の眺望を活かした飲食施設や温浴施設、観光物産施設、複合リクリエーション施設整備で霞ケ浦湖畔に水質浄化のシンボルとなる世界一長い噴水の整備を促進することで観光客を呼び込み、水辺空間の賑わいを創出することです。

霞ヶ浦情報パネルの「私たちにできる水質浄化対策」の例:
今回は食習慣を改善することで、し尿による全窒素の排出負荷を減少する対策を紹介しました。計算の方法は以下の表1のとおりです。


表1 ヒトの摂取するたんぱく質による排出窒素



「たんぱく質g/日.人」は「厚生労働省発表の平成15年国民健康・栄養調査結果」による数値です。摂取したたんぱく質量を6.25に割ると排出窒素量を求めます。基準たんぱく質は厚生労働省の推奨量です。 また、窒素の排出負荷を減少するためのコストを計算するための日本の資料を見つけられませんでしたが、中国の資料を利用し費用を推計しました。 (参考文献: Hao Kong, Hui Lin, Benrong Peng*, Nenwang Chen, Chenchen Lin, Samuel Fielding (2015). “Modelling the cost-effective solutions of nitrogen reduction in Jiulong River Watershed, China” pp: 225