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土浦市の現状




土浦市の概要


本市は、茨城県南部に位置し、平成18年に新治村と合併し、面積122.99㎢、人口141,181人(平成27年9月1日現在)となった都市です。東京から60㎞以内、成田国際空港からおよそ40㎞と、都心からさほど遠くなく、JR常磐線を利用したベッドタウンとしての需要が見込めます。近年、つくばエクスプレスの開通や、首都圏中央連絡自動車道の整備に伴い、交通網が発展してきています。阿見町、石岡市、牛久市、かすみがうら市、つくば市と隣接し、日本で第2位の湖面積を持つ霞ヶ浦を有しています。毎年10月の第一土曜日には日本三大花火大会の一つである土浦全国花火大会が開催され、約80万人の観光客が花火を見に訪れます。レンコンが特産物です。



人口


平成27年1月段階で人口は141,896人、世帯数は58,932世帯です。コーホート要因法により将来人口予測をしますと、平成30年から減少傾向にあります(図1)。年齢別にみると若者の人口が減少し、高齢化率は平成25年から平成40年の15年間で24.3%から27.8%と3.5ポイント増加すると予想されます(図2、3)。











また図4の社会増減(転勤で引っ越しをするなど)によると15~19→20~24歳の進学による社会減少と20~24→25~29歳のUターンによる社会増加しています。ここで25~29→30~34歳から35~39→40~44歳といった子育てやマイホームを買う世代において年代別では1980、1990年代は増加していたが2000年以降になると減少に転じています。







新治地区


この地区は、もとは新治村で平成18年2月に本市と合併した地区です。かつては農業を主体とした新治村でした。地形的には、北部を石岡市、東部をかすみがうら市、南部から西部にかけてつくば市と接しており、北部の筑波山麓地帯から扇状に中部畑作地帯が続き、西部にはつくば市との境を流れる桜川沿いに肥沃な水田地帯が広がっています。平成16年3月末の新治村時点の人口は9,490人であり、その内訳は、第1次産業が7.0%、第2次産業が14.7%、第3次産業が30.9%です。また、面積は約32km2で、主な土地利用は水田が21.3%、畑が23.3%、山林が24.0%などとなっており、緑豊かな地区です。
そば打ち体験や田んぼアートの楽しめる小野小町の館、パラグライダー体験や筑波山の眺望が楽しめる朝日峠展望公園、流鏑馬祭りが開かれる日枝神社があります。また、つくばからサイクリングを楽しめるつくばりんりんロードが通っており、豊かな自然を体感できる資源が多く存在します。その一方で平成27年度11月2日には朝日トンネルが開通し石岡—土浦間の交通が便利になるものの、この地区は公共交通網があまり普及してはいません。  



北部地区


この地区は神立工業団地をはじめテクノパーク土浦北工業団地、おおつ野ヒルズといった工業地が並ぶ、本市の工業をリードする地区です。
図5は本市における製造業の特化係数(地域の産業比率と全国平均の比較)で、鉄鋼業に大きく特化しています。



また地域内の事業所数と従業員数は、神立工業団地や東筑波新治工業団地に多数おりますが、おおつ野ヒルズに関してはどちらも少数です(図6,7)。



おおつ野は職住近接を目指したニュータウンで住環境に配慮した工業に絞っており、現在ではエコ作野菜を作っているJFEライフの工場やJA茨城県厚生連の総合病院土浦協同病院があり、ホームセンター等の商店も並びます。また平成28年3月1日に土浦協同病院が移転してくることに伴い、付属看護専門学校の移転やスーパーマーケットの開店など病院開院の効果と共にその波及効果が生まれています。移転完了後はより一層その効果は大きいことが考えられます。



中央地区


市の中央に位置し、JR常磐線土浦駅を含む本市の中心市街地を形成しています。城下町としての歴史を有し、政治、経済、文化、交通の中心地として発展してきました。亀城公園周辺・中城通りのまちかど蔵・真鍋には、歴史・文化的遺産が多く残っています。しかし最近、車でアクセスしやすい郊外の大型ショッピングモールへ顧客が流出してきました。その結果中心市街地の空洞化が進んでおり、空き店舗数が増加しています。商業の衰退に伴って市街地の景観の悪化がすすみ、らしさがなくなってきました(写真1)。高架下の空間も暗いため、改善する必要があります(写真2)。また、霞ヶ浦や桜川の水資源に恵まれているこの地区ですが、水辺への市民の馴染みが浅いと考えられるため空間の活性化が必要です。





南部地区 


この地区は広域交通網が発達しています。JR常磐線の荒川沖駅、常磐道の桜土浦IC、圏央道のつくば牛久IC(つくば市稲岡)という交通拠点が存在します。東北、北関東、東京、千葉、埼玉といった市外への移動が便利です。 霞ヶ浦・乙戸沼・花室川といった水資源が豊富であり、それに対応して霞ヶ浦総合公園・乙戸沼公園・乙戸沼ファミリースポーツ公園など、公園が充実しています。 花火大会やマラソンへの協力を行っている陸上自衛隊霞ヶ浦駐屯地があり、毎年5月第3日曜日に行われる創立記念行事では戦車やヘリへの試乗ができるなど魅力的な施設です。 荒川沖駅の周辺も道が細く入り組んでいて、中心的な商業施設であった「さんぱる」も2015年1月に閉店しました。その結果、実際に2008年3月19日と23日に連続殺傷事件が起きたように、犯罪の発生につながる恐れがあります。