4 重点整備計画<中心市街地活性化計画>


  中心市街地には前述したように、「情報発信」「商業」「交流」「住宅」「公共」の機能を付随させる。主な計画として、@土浦駅北地区再開発計画、A川口2丁目地区土地区画整理事業、B補助事業の3つを考える。「情報発信」「商業」「交流」の機能を付随させるための計画は、@土浦駅北地区再開発計画で行い、主に土浦市に訪れる人を対象にする。「公共」の機能を付随させる計画はA川口2丁目地区土地区画整理事業で行い、土浦市に訪れる人、住む人の両者を対象にする。補助事業は、前の2つの事業の補助的な位置付けであり、「住宅」機能の付随計画を含む。対象は、主に土浦市に住む人である。また、「情報発信」「商業」「交流」の機能によって街を活性化したのち、「住宅」「公共」の機能で定住人口を増やすといった時間軸の異なった計画を行うことにする。






4−1 土浦駅北地区再開発事業(「情報発信」「商業」「交流」機能の付随)

 かつて土浦駅周辺では、地域住民の暮らしに密着したサービスを提供するため、駅を中心とした生活・商業・文化関連施設の設備、提供が行われてきた。  県や市は中心市街地活性化を掲げて、駅西口側の2.1haにおいて、市街地再開発事業を展開し、97年に再開発ビル群「ウララ」を建設する。しかし、モールに接していたイトーヨーカドーがキーテナントとしてウララに移転したことが契機となり、98年には西友土浦店、99年には小網屋、00年には土浦東武ホテル、04年には丸井が相次いで撤退していった。このことにより、街の回遊性が途切れ、モールや駅前通り、商店街が休息に衰退していった。原因としては、駅からウララへ直接アクセスできるために、人の流れが「駅→ウララ→駅」となってしまったこと、さらに車での中心市街地への流れが、郊外の巨大ショッピングセンターへ移ってしまったことが考えられる。
 中心市街地の衰退は、まち全体としても重要な問題である。ココロオドルまちにしていくためには中心市街地の整備を行わなければならない。今回、私たちは、市街地活性化の提案を行うにあたり、下の図に示されるような範囲に、「土浦駅前北地区再開発事業」を展開することを提案する。







4−1−1 パクトタワーの新設 「情報発信」機能の付随

□ 目的
      旧丸井ビルは、土浦駅西口を出てすぐに視界に入る。しかし、デッキからのアクセスは、遠回りをして階段を下りなければならない。デッキから、直接アクセスできるのはウララのみであり,先に述べたように「駅→ウララ→駅」という人の流れができてしまう。ここに商業系のテナントを誘致したところで、まちの回遊性が戻り,中心市街地の活性化につながるかは疑問である。そこで、新たな施設用途を考え、中心市街地の活性化を図ることにする。  今後、土浦駅前の有効な再開発を行っていくためには、他の地域にはない“土浦らしさ”を創出していかなければならない。そこで、土浦駅前北地区再開発事業計画の一環として、旧丸井ビルを情報発信基地“パクトタワー”としてリニューアルし、土浦駅前のシンボルとして整備していくことを提案する。

情報発信基地としてリニューアルする理由として



などが挙げられる。




□ 具体案
      まず、ビルを全面的にリニューアルする。2階部分は、既存の駅前のデッキから西口公園へ直接アクセスできるような通路を通す。これは、ウララにばかり向いていた人の流れを変えることで、土浦駅前北地区全体に回遊性を取り戻すための試みである。以下の写真がパクトタワーのイメージ図である。




□ FM・PACTつちうら
      次に、テナントについては、ビル全体で情報の発信基地としての役割を果たす事業を展開する。その事業のメインとして、わたしたちは、地域密着型のラジオ放送局「FM・PACTつちうら」を提案する。 ここで、情報発信事業のメインに「FM」を提案するのには、次のような理由が挙げられる。



ラジオブースの壁を全面ガラスにすることにより、2階の通路を通る通行者はラジオ公開の様子を見ることができ、ラジオ放送を身近に感じることができる。公開生放送などを行い、ゲストを呼ぶなどして人の流れを呼び込む。さらに、周辺の学校と提携を結び、高校生や大学生でも放送することができるようにする。具体的な番組のコンテンツとして

などを考えている。例えば、1日のラジオ番組の広告として次貢のようなものを考えた。




その他の事業については、以下のようなものを考える。

□ 地域密着型情報マガジンの発行
      土浦市のタウン誌の創刊を行う民間企業を誘致する。ラジオではできない写真や絵での視覚的な情報発信が可能となる。また、広い地域で発行することで、より多くの人に見てもらうことができる。北地区には、もともと店が多く、良い商品を扱っているにも関わらず客の入りは少ない。その原因が、立地条件の悪さと知名度の低さにあると考えた。そこで、店の存在を知ってもらう手段として、地域密着型情報マガジンの発行を提案する。


□ まちづくり会議などのための会議室や多目的スペースなど
     TMO*の導入を図り、「まちづくりカンパニー」に、テナントを安く提供する。「まちづくりカンパニー」は、土浦市で商店街活性化を目指すグループがつくった会社で、主な事業内容としては、商店街のコンサルティング事業やイベント企画事業、景観・文化財を、商業の活性化と地域のコミュニケーションに活用しながら、保存を目指す景観形成事業などを行っている。この会社を中心に、まちづくりに関する会議やワークショップを開き、「参加型」のまちづくりを行っていく。

*TMOとはタウンマネージメント機関と言われ、中心市街地活性化に取り組組織として、中心市街地活性化法において制度化されたものである。TMOの定義については、TMO協議会によれば、「商店街、行政、市民その他業者等の地域を構成する様々な主体が参加し、広範な問題を内包する街の運営を横断的・総合的に調整・プロデュースし,中心市街地の活性化と維持に主体的に取り組む機関」とある。 

□ 総合インンフォメーションセンターの設置
     土浦へ始めて訪れる人への配慮を考え、総合インフォメーションセンターを設置する。観光案内、イベント案内、交通情報の案内などの他、モール505のクーポン券や第4章で提案する“れきしこみち・さくらこみち”のパンフレットの配布を行う。




4−1−2 モール505の再開発 「商業」機能の付随

  モール505は高架道と同時に整備され1985 年に開業、全長505メートルの「日本最大級のショッピングモール」の呼び名も誇らしげであった。その後つくば学園都市の商業集積や郊外型店舗の伸張により土浦商圏の比重が低下、駅前大型店が相次いで撤退し、街の回遊性が途切れた事によってモールや駅前通り商店街が急速に空洞化していった。
 現在のモール505はシャッター店が目立ち、閑散とした状態である。モール505内では今までにも様々な試みが行われてきたが、賑わうのはイベント中だけであり、イベントが終わると買い物をせずに帰ってしまう。それほどモール505の店に魅力がないというわけではないが、大型店で買い物が足りてしまう現状と、モール505の建築上の不利さ(縦に長すぎること)を考えると、一部を活性化することはできても、全体として賑わいを復活させるためには、一体的な整備を行っていかなければならないだろう。



  現在は回遊性が途切れ、閑散としてしまっているモール505であるが、かつては土浦駅前の顔として栄えていた。今後土浦駅前北地区再開発事業を行っていく上で、モール505の整備は欠かせないものである。そこで私たちはモール505再開発事業を行い、

“若者を起爆剤とし、人々が無目的に訪れることのできる空間の創出”
をコンセプトにモール505を整備する。 本来の目的である商業的要素だけでなく、普段は高校生などの若者と地域住民が、週末にはイベントを通じて幅広い世代の人々が交流できるコミュニケーションの場として活用することで、中心市街地の活性化を促し街に活気を取り戻す。




□ モール505逆転計画


 これらの問題を踏まえ、モール505再開発事業の一環として “モール505逆転計画”を提案する。モール505逆転計画はその名の通り、モール505の入口を今と反対側にしようというものである。この計画によって、高架下で日当たりが悪く、暗いイメージがつきまとっていたモール505のイメージアップを図る。また、駅側を向かせることで駅からの利用者の増加が見込まれる。
 加えて現在一方通行で路駐の目立つ駅側の道を拡張・整備し、歩行者専用道路とする。高架下はモール505の商品搬入を行えるように、経営者の乗り入れ型駐車場を整備する。





□ 新規参入店舗の提案
       モール505逆転計画と同時に、モール505内に新たに誘致する店舗について考える。
  デパート、スーパーなどの大規模店舗はどこに行っても同じであり、こういった店舗との差別化を図り、モールとしての特徴を出していくためには、専門店街をいかに魅力的にするかにかかっている。
  私たちは若者の多い土浦駅前において、モール505で若者向けの専門店街を展開することを提案する。具体的には若者受けの良い小物・雑貨屋やファッションショップ、古着屋を中心とした店舗を1階に積極的に誘致する。
  また、モール505再開発事業コンセプトの“無目的に訪れることのできる空間の創出”という部分を、“入りやすく、出やすい雰囲気づくり”と捉え、新規参入店舗の店舗形態を考える。
店舗構造を「店員空間がある、引き込み・回遊型店」とすることで、店に入りやすく、出やすい雰囲気づくりを行う。一般に小規模な店の場合は、店員空間があるといっても、店員の存在が気になって自由に商品を見られないのが普通である。しかし、この店舗構造によって店員と客が必要な時意外関わりあうことが少なくなり、両者が物理的に近い距離にいても、客はほとんどプレッシャーを感じないで商品を見ることができるようになる。

□ チャレンジショップ
       モール505で新たな事業機会を演出する機能を高めるために、モール505内でのチャレンジショップの運営を提案する。
  チャレンジショップとは、商売を始めたいと考えている人に一定期間実験的に店舗を運営してもらい、その後独立を進める事業である。出展者に対し地元商業者や専門化が指導を行い、専門知識のない人たちにも事業機会を与えることができる。モール505で経験を積んで独立する際には、駅周辺に出店してもらい、閑散としてしまった土浦駅前を活性化していく。
  チャレンジショップの先駆けとなったのが富山の“FREEK POCKET”である。“FREEK POCKET”のチャレンジショップ運営は、空き店舗対策・活性化の具体案として、全国で注目を集めている。
 また、チャレンジショップの一環としてフードコート(ファーストフードの屋台村みたいなもの)を提案する。これはショッピングモールの集客力の重要な要素であり、魅力でもある。


□ 駐車場整備
       現在、モール505専用駐車場は図4-1-10の位置にあり、駐車場からの距離によって客が集まりにくく、専門店外において立地の善し悪しの格差が生まれている。モール505の周辺には多くの駐車場が点在しているが、モール505で買い物をしても駐車券がもらえないため、利用することは少ない。そこで、周辺の駐車場とモール505との間で提携を結び、駐車券の発行を行うことを提案する。この提案によってモール505を取り囲むように駐車場が配置され、店舗間の立地の格差が少なくなる。


  また、現在のモール505専用駐車場と小網屋 跡地を高架から直接入ることのできる立体駐車場として整備することで、郊外からのアクセスを強化する。



□ その他(防犯面)
       聞き取り調査では、“若者が集まるところでは恐喝などが起き、学校で問題として取り上げられイメージダウンにつながる”ということであった。若者を呼び込む上で防犯面での対策は欠かせないことである。そのため、モール505周辺をライトアップし、店の経営者が自治に努めることで防犯面を強化していかなければならない。



4−1−3 土浦駅西口公園の整備 「交流」機能の付随

□ 目的
       表4-1-2を見ても分かるように、土浦の一人あたりの 公園面積は、全国の平均を下回るというように、土浦 の公園は不足している。また、北口再開発に伴い街に 回遊性が生まれ、人々の交流・憩いの場となる空間が 必要になると考えられる。


□ 具体案
       この地区は、西友の跡地であったが、現在は取り壊しが行われている。モール505の裏に位置し、周囲を建物に囲まれている。また、モールの裏に位置するため、人通りも少ない。そこで、パクトタワーとモール505の中心に位置するこの大規模な土地での新たな利用を考える必要があった。パクトタワーとモールの再開発に伴い、それらを結ぶ機能を果たし、街に回遊性を創出するために、公園としての利用を提案する。下図は、公園整備予定地を示したものである。



  この地区を選択したのには、以下のような理由がある
。   モール505逆転計画に伴い、モールの表側に位置することから、一体的な利用が叶であるということ。現在のモールの表側には、親水空間が整備されているが、高架が上を通っているため薄暗く、その空間は十分に活かしきれていない。逆転計画後、表に面する通りとなる道路は道幅が狭く、人々の交流・憩いの場となるような空間がない。そこで、そのような場になりうるものとして、公園をこの位置に整備することにした。



□ 公園使用例
       西口公園では、若者を中心とした様々なイベントを積極的に行っていく。また、パクトタワーやモール505と連携をとり、西口駅前の一体的な利用を目指す。


4−2 川口2丁目地区土地区画整理事業(「公共」機能の付随)

  川口運動公園は7.33haという広大な面積をもっている。また、JR土浦駅から徒歩約10分弱と利便性もよい。大変好条件のこの土地を、土地区画整理事業を行うことにより、良好でかつ効率的な土地利用を可能にする。主な内容としては、



が挙げられる。








@ 新・土浦市役所の建設



  京成マリーナの向かいの場所に、地上7階建ての新しい土浦市役所庁舎を建設する。霞ヶ浦に接した平地、土浦駅から徒歩約10分と立地条件がよく、バリアフリーの充実やユニバーサルデザインの採用などにより、庁舎のあらゆる施設・設備を誰でも気軽に利用することができる。駐車場は約500台を確保し、職員、外来駐車場の混雑をなくす。


□ 現状
       土浦市役所の本庁舎は、昭和38年完成の建設から40年以上たった古い建物である。近年は庁舎の老朽化問題、時代の流れと共に庁舎が手狭になるという問題などが発生している。そのため、プレハブにより増築や部署の他庁舎への移転を行い、床面積の不足分を補っている。
  また、土浦駅より約1.4km離れている、最寄りのバス停まで距離があるなどの立地の悪さも指摘されている。小高い丘の上に立地しているため、多くの利用者は自動車で訪れる。徒歩の高齢者といった交通弱者にとっては市役所までの上り坂は厳しいものとなっている。


□ 現状
       現在の老朽化した土浦市役所では、未曾有の災害の場合に「災害対策本部」を置くことを考えると、耐震性のある庁舎が望まれる。また、県南の中心都市のシンボルの1つとして、市庁舎は重要な役割を果たすと考えられる。これらのことから、市役所の建替えは必要不可欠である。
  「小高い丘の上」現在の土浦市役所の立地は、「市民が利用する」という視点からすると大変悪条件である。「市民第1」と考えると、市役所の移転が必要不可欠である。 しかし、市民の税金で建設されること、市役所建替えのための積立金を休止してしまうほどの財政難に見舞われていることを考えると、新たに利便性の高い広大な土地を新規に購入することは不可能である。よって、市役所の移転候補地は、市の保有している土地であることが必須条件となってくる。そこで、私たちは、将来移転予定の「川口運動公園」の場所を市役所の移転地として計画する。


A 道の駅「つちうら」の整備



  土浦市の新しい観光拠点として、道の駅「つちうら」の整備を行う。霞ヶ浦沿岸の拠点として発展してきた土浦を地元住民や観光客にアピールすべく、「霞ヶ浦のかけはし」をテーマに様々な施設を提案する。道の駅の提供サービスは、無料で利用できる十分な容量の駐車場、24時間利用可能な清潔なトイレ、道路や地域の情報を提供する案内・サービス施設、女性・年少者・高齢者・身障者などさまざまな人への配慮、市町村など公的な団体が設置する施設である。






道の駅「つちうら」の施設の内容として、


● 名産品・農作物の販売
       土浦市の特産品を広く知ってもらうために、「お土産品販売所」を設け、様々な特産品を販売する。特産品の製造会社が商品を直売できるコーナーも設置する。
  また、定期的に農産物の直売を地元の農家の方々が行える場所を設ける。好評であれば、新たなブースを設け、通年直売を行うことができるよう整備する。 農産物・名産品は、併設レストランのメニューにも加えられる。

● 交通や地域の情報を提供する案内
       土浦市や首都圏などの道路交通情報や、地域の観光情報を見やすい大画面モニターやパネル等で案内する。提供内容としては、道路情報はルート情報、渋滞情報、工事規制情報などの詳細情報、観光情報としては、市内・市外の観光情報を情報端末で提供または、資料展示コーナーでは市内観光案内のVTRを放映する。また、ケーブルテレビなど地元メディアの閲覧も可能にする。

● 霞ヶ浦展望塔
       道の駅「つちうら」のシンボルとして、霞ヶ浦を見渡せる約50メートルの展望塔を設置する。

● 土浦霞ヶ浦博物館の整備
       霞ヶ浦の生態、浄化運動から水運、土浦港など土浦と霞ヶ浦との関わりの歴史や文化等が分かる博物館を整備する。

● 観光船・遊覧船乗り場
       現在の観光船・遊覧船乗り場をより明るく、より分かりやすくし、道の駅と一体となって整備する。一体化した整備により、訪問客の利用を促進する。

● 観光バスも止まれる大駐車場の整備
       観光バスも止まれる大型駐車場を整備する。このことにより、バスツアー等にも道の駅はじめ「土浦」を組み込めることができる。


B 川口公園の設置


  土浦市の市民一人あたりの公園面積は5.79u/人であり、全国平均の:7.70u /人にも及んでいない。この事業では、土浦駅西口公園と共に、市民一人あたりの公園面積を広げるべく川口公園の整備を行う。バリアフリーやユニバーサルデザインを採用し、誰もが利用しやすい公園づくりを行っていく。



C 土浦高架道の延長


  現在の土浦高架道は土浦学園線と土浦駅東口を結んでいるが、普段は、マイカー、バスともにあまり利用されていない。土地区画整理事業の完成により、中心市街地や土浦駅東口ロータリーへの自動車の流入が増加すると思われる。そこで、自動車の中心市街地や土浦駅東口ロータリーへの流入を抑制すべく、土浦高架道の延長を行う。延長を行うことにより、土浦高架道から直接市役所や道の駅にアクセスすることが可能になる。高架道からは道の駅立体駐車場(8:00~22:00)に直接入る事ができる。この施策の効果は、まず国道6号方面から土浦駅方面に入る自動車を高架道に誘導でき、中心市街地への自動車流入の抑制をすることができる。また、現在自動車の流入が少ない土浦駅東口ロータリーも事業完成による混雑を避けることができる。加えて、道の駅への直接アクセスの可能により、観光客のマイカーやバスの荒川沖木田余線への流入を防ぎ、道路渋滞が抑制される。



D その他


  その他余剰地は、住宅地や商業地として売却し、事業の費用に充てる。また、土浦市の公共施設の用地として確保しておく。




4−3 補助事業

  以上述べてきた2つの計画は、「情報発信」「商業」「交流」「公共」機能に関してのものである。これらの計画によりまちの魅力を増やした後に、補助事業として整備地区全体を貫く高架道と、住宅整備についての補助事業を進めていく。



4−3−1 高架アート

  現在の中心市街地は、駅西口・東口が常磐線によって分断され、西市街地・東市街地は高架道によって分断されている。高架道に関してはデザインの変更、垂直緑化、アートの創出などで街のシンボルとなるように演出し、周囲との景観の調和をはかる。具体的には、学生の作品や企業の広告を貼るキャンバスとして利用することを提案する。
  駅西口・東口を結ぶ道として、現在モール505の入り口の地下道、駅の自由通路が存在している。モール505近くの地下道に関しては幅員も狭く、車の交通量も多いため、拡幅・歩行車道の整備にあわせて、街のゲート的な役割をもたすようなアートを施していきたい。これらの計画によって高架による「壁」が無くなり、東西方向にスムーズな都市軸を創り出すことができる。








4−3−2 桜川橋地区住宅整備

  市街地活性化の最後の計画として、定住人口の確保が挙げられる。都市をコンパクトにまとめ、そこに人が住み、様々な活動を行うことによって、都市に活力が生まれる。
現在、土浦駅周辺にはソリッドタワーなどの高層マンションが建っているものの、昔からある戸建て住宅が広がっており、防災面、土地の高度利用の観点から見ても望ましい状態ではない。このことから、土浦駅西口再開発、川口2丁目地区土地区画整理事業に伴い、新たな住宅整備が必要となる。
そこで、桜川の豊かな景観を生かし、桜川橋周辺に集合住宅を供給することを提案する。



以下の写真は桜川周辺の住宅整備のイメージ模型である。




  桜川は、春になると桜が満開に咲き、魅力ある景観が広がる。さらに、駅からの徒歩圏に位置することから、交通のアクセスも良い。これらを利用した魅力ある住宅地開発を行う。


重点整備計画<郊外部の計画>