1−1 総合計画の概要
低成長・成熟社会の計画
これまでの総合計画は人口も経済も右肩上がりの成長を想定したものであったが、今後社会が低成長に移行していくことにあわせて、時代への対応が求められている。
低成長時代の成熟社会に向けた計画について考えるには、これまでにない視点が必要であるとわれわれは考えた。
「夜」の視点
そこで挙がったのが、昼と夜を対比させた上で「夜」に着目することである。これまでの多くの総合計画が光り輝く明るい希望を掲げる一方で、夜という視点からまちづくりを考えることはあまりされてこなかった。明るい昼間にのみ着目するのではなく、人間の生活の半分をしめる夜をあわせて考慮することで、より包括的な計画になるはずである。
発想のきっかけは、桜町にみられるような夜の歓楽街も土浦の魅力の一面であると考えたことにある。現在は風俗営業が中心であるが、かつてこのまちの運河のほとりは文化的な娯楽も多く存在し、「こうもり町」と呼ばれる繁栄の象徴的空間であったことを回想録は伝えている。そこで、夜の過ごしかたには成熟に向かう社会のゆとりがあらわれると考え、夜の観点から市民生活の質的向上をめざすことにする。
「裏」の役割
また、周辺地域では筑波研究学園都市の成熟がすすんでおり、この地域における求心力を高めていくと考えられる。そうしたなかで土浦が、この地域における表玄関から裏口へとその役割を変えていくことをこの総合計画では提案している。
ここでの「裏」は、後ろ向きの意味ではなく、むしろつくばをはじめとする他都市とのちがいを積極的に見出していくものである。歴史的ストックを生かしたアフターコンベンションでのサポートなど、余暇の魅力を高めるということであり、市民にとってはヒューマンスケールのまちづくりを意味する。
以上をふまえ、「定住人口の確保」と「交流人口の拡大」を目標として、計画づくりにあたった。