第6章 結論

6.1 結論

【仮説1】ジャージ・スウェット登校は大学景観、大学イメージ、学業態度に悪影響を及ぼす。

ジャージ・スウェットを着ている人は、大学構内の景観をネガティブな方向へ変化させる。ジャージ・スウェット登校は、大学景観に悪影響を及ぼす。 ジャージが作りだす景観は筑波大学が考える筑波大学のイメージと似通ったものであることが示され、筑波らしいといえるのかもしれない。しかし、筑波大学生が私服を着ることによって筑波大学のネガティブなイメージ(おしゃれでない、ださいなど)を払拭することができる可能性がある。 運動目的以外のジャージ登校は、学業態度の悪化につながることが示され、だらけの結果としてのジャージ登校は学業の場としての大学では控えるべきであると言える。


【仮説2】ジャージ・スウェット登校の原因は同調圧力、学生のだらけ、外的要因である。

ジャージ登校の原因として、同調圧力・だらけが挙げられる。 外的要因としては、着替える場所がないといった施設的問題よりも着替える時間がないといったカリキュラム的問題のほうが大きいことが分かる。 また、交通手段がジャージ・スウェット登校の原因であることも検証された。


【仮説3】学生とコミュニケーションを行うことによりジャージ登校への意識を変容させることができる。

体育専門学群以外の学生に対して、ジャージ登校のデメリットに関する意識が活性化し、ジャージ登校の賛否意識がジャージ登校反対の方向に優位に変容されたことが示された。ただし、体育専門学群に対してはジャージ登校への賛否意識が賛成の方向へ優位に変容しており、ジャージ登校批判へのリアクタンスが見られた。


6.2 今後の課題

体育専門学群への対応

調査開始時から体育専門学群への対応は私たちを悩ませていた問題であったが、体育専門学群はジャージ・スウェット登校を改善する必要がないと結論付けた。改善する必要がないと結論付けた理由としては、調査から風紀への悪影響がないことやスポーツ施設の景観とジャージ・スウェットがあっていると考えられること、体育専門学群は体育が毎日あるなどといったカリキュラム的問題点があること、筑波大学がスポーツで有名であることなどからである。

大学への提案

【カリキュラムの変更】

体育の授業後、3学エリアまでの移動時間を調べると徒歩12分30秒、自転車5分、バス3分であることが分かった。バスは時間が不正確であることなどから利用しづらく、徒歩は時間的余裕がないことから移動をする際、自転車使わない限り授業に間に合わない可能性がある。自転車移動を前提とした授業カリキュラムは問題があると思われる。 体育の開始時間を遅らせ、終了時刻を早めるなどを実施し、着替える時間を十分に確保できるカリキュラムへの変更を提案する。

【冊子の配布】

本実習において、私たちの作成したコミュニケーションツールが効果的であることが実証されたので、広く大学で配布することによりジャージ登校のネガティブな情報を伝え、ジャージ登校を減らすことができると考えられる。

6.3 参考文献

藤井聡(2003):社会的ジレンマの処方箋‐都市・交通・環境問題のための心理学,ナカニシヤ出版,京都

6.4 謝辞

今回の実習でアンケートにご協力してしただいたみなさま、ありがとうございました。また、担当の谷口綾子先生、TAの川村竜之介さんにさまざまなアドバイスをいただいたおかげで本実習を無事終えることができました。本当にありがとうございました。