1.1 社会的ジレンマ
社会的ジレンマとは、短期的・利己的にメリットのある行動(非協力的行動)を行うと、
長期的・社会的にデメリットが大きくなる社会状況のことである。
たとえば、個人がゴミをポイ捨てすることによって、街の衛生環境が悪化してしまうことなどが挙げられる。
社会的ジレンマの解決策としては、心理的方策と構造的方策の2つのアプローチがある。
構造的方策とは、周囲の環境を変化させることによって行動変容を促す方法のことである。
たとえば、ある違反をしている人に対して法律で罰金を科すといったことが挙げられる。
心理的方策とは、道徳心など人々の心理的要因に働きかけ、行動変容を促す方法のことである。
社会的ジレンマ解消のためには、この両方が必要である。
1.2 実習の背景・目的
筑波大学のキャンパスを歩いていると、ジャージ・スウェットを着ている学生が多いことに気づく。また筑波大学のファッションのイメージとして、ジャージ・スウェットが挙げられることも多い。実際、わたしたちもジャージ・スウェットで登校することがある。今回私たちは、筑波大学生にとって当たり前になってしまっているジャージ・スウェット登校について、注目した。
社会的ジレンマとして取り上げたのは、着替えが楽、動きやすいなどといった個人的メリットを選択することで、大学の景観、大学イメージ、風紀に悪影響を及ぼす社会的ジレンマがおこると考えたからである。
本実習では、ジャージ・スウェットによる影響や原因を追究し、解決策を見つけることを目的としている。