5.まとめ
今夏の電力不足をうけ、私たちはエコな涼空間を提案することを目的に掲げ、その手段としてドライミストと打ち水を使用することにした。 まず設置する場所を選定するにあたり、イイアス・LALAガーデンつくば・クレオスクエアつくば・つくばセンターバスターミナル周辺に現地調査に行った。 その結果、今夏の対策がなされていないクレオスクエアつくば・つくばセンターバスターミナル周辺が、ドライミスト装置や打ち水装置の設置場所として適している事がわかった。 次に涼空間を創出するのに最適なピンポイント箇所を調べるため、地面の放射温度・気温をGPSとArcPadを用いた実測データから作った放射温度分布図を作成し、 その作業に並行してつくば市民の暑さ対策への認識と新たな涼空間の必要性の調査、及びドライミスト実施場所の選定のために、アンケート調査をつくば駅バスターミナル付近にて行った。 結果、センター周辺が暑く、アンケート調査からニーズもあることが分かったため、涼空間をつくば駅周辺屋外に作ることは十分に意義のあるものであると結論付けた。 そこでつくば駅周辺のどこに何を作るのかということについて考え、六本木ヒルズの例から、アーケードが既存しており、 また受益者となる人々のニーズが高いと考えられるバスターミナルにドライミストを設置、同時に、打ち水を行う事でアスファルトからの照り返しが少なくなり、 上昇する熱気の減少も期待できることから、自動車からの排熱も少なくなると考えられる20分間駐車場で打ち水を実施する、という提案をするに至った。 実際の設置に当たり、コスト計算の結果、初期費用は高いものの維持管理は比較的容易であることや、ドライミストについては実験の結果からつくばでも効果があること、 ヒアリングから行政も肯定的であることがわかった。 以上から、センターでのドライミスト・打ち水を利用した涼空間の実現は十分に可能であり、意義のあることであるといえる。 |