2.キス・アンド・ライド実態調査


2-1.調査内容/項目

 つくば駅前交差点で実際にキス・アンド・ライドの実態を観察することによって 調査を行った。調査は目視調査、ビデオ撮影調査の2つに分けられる。
<A.目視調査について>
交差点内の瞬間的なトータルの駐停車台数を調べる調査で、駐停車台数が変わるごとに台数と時刻を記入。 調査員を各担当区域に配置し調査を行う。
<B.ビデオ撮影調査について>
撮影時間内の正確な駐停車台数と一台一台の駐停車時間、見送り出迎えといった駐停車目的を調べる調査 を行う。詳しくは以下のとおり。
  • 累計駐停車台数…つくば駅前交差点内対象区域に出迎え、見送りの理由で止まった台数
  • 駐停車時間…路側帯に車体の一部が入ってから車体のすべてが路側帯の中から完全に出るまでの時間 を駐停車時間として定義
  • 駐停車目的…見送り、出迎えのどちらの目的で駐停車を行ったか
  • 駐車場の利用台数…PR、市役所と警察との共同ビラ配りを行う前後では駐車場の利用状況がどのよう に変化しているのか
これらの項目について、送迎用一般駐車場オープンの前後で比較を行うため、事前調査と事後調査に分け て調査を行った。

2-2.調査エリア

 目視調査については、普段からキス・アンド・ライドによる駐停車が多い、つく ば駅交差点から延びる4方向の道路の8つの路肩すべてにおいて行った。区間はつくば駅交差点から次の信 号までとした。
 ビデオ撮影調査については、8つの路肩のうち最も駐停車数が多く、送迎用一般駐車場がオープンするた め駐停車台数に大きな変化が期待できるB番の区間と、B番の区間に次いで駐停車台数の多い@番の区間 で行った。
図2-1:キス・アンド・ライド実態調査エリア

2-3.調査日程

 調査日程を表2-1に表した。
まず予備調査を含めた夕方の目視調査を4月23日(金)17時からの7時間行い、その結果をもとに最も駐停車 台数が多く変化の激しい時間帯に絞り、4月28日(水)6時45分からの1時間半に朝の目視調査とビデオ撮影調 査、4月30日(金)16時50分からの1時間半に夕方のビデオ撮影調査を行った。
 事後調査も同様に、5月24日(月)6時45分からの1時間半に朝の目視調査とビデオ撮影調査、5月28日(金)16 時50分からの1時間半に夕方のビデオ撮影調査、同日19時からの3時間に目視調査を行った。
 天候は雨天が多いが、これは雨天の方が駐停車台数が多いと考え、あえて雨天の日を調査日として選択し たためである。
 なお、表中の色づかいは黄色を朝、紫色を夕方(〜夜)としており、これは以降の表・図において共通の 色づかいとなっている。
 
表2-1:キス・アンド・ライド実態調査日程

2-4.調査結果

2-4-1.事前調査

<A.目視調査>
@ - 夕方3時間(全区間)
 図2-2は、4月23日(金)に行われた夕方の目視調査の結果ををもとに、時点毎の調 査エリア内に駐停車している車の台数を表したグラフで、17時から24時までの調査の中で最も台数の多かった 3時間を切り出してある。縦線はTXの到着時刻を表している。グラフからもわかるように、時には60台を越え る時もある。台数の増減にはパターンが見られ、TXの到着時刻に合わせて増加し、到着時刻を少し過ぎると急 激に減少していく様子が分かる。また快速と区間快速の到着時刻が重なる時間帯では、特に山が高くなってい ることも分かる。
 
図2-2:対象エリア内の駐停車台数の推移 - 4月23日(金)19時〜22時

A - 朝1.5時間(全区間)
図2-3は同様に朝の1.5時間のグラフである。縦線はTXの発車時刻を表している。図2-2 の夕方とは違い、TXの発車時刻の前後で明確なパターンは見られない。夕方と比較すると、時点毎の駐停車台 数は少ないものの、凹凸が激しいことからもわかるように、車両の動きが激しいことがわかる。
 
図2-2:対象エリア内の駐停車台数の推移 - 4月28日(水)6時45分〜8時15分

<B.ビデオ撮影調査>
@ - 累計駐停車台数  表2-2:1.5時間あたりの累計駐停車台数
 図2-2と図2-3を比較すると夕方のほうが朝より駐停車台数が多いように見 えるが、撮影されたビデオ映像を観察して一台一台の動きを追いかけた結果、累計駐停車台数は表2-2に示した とおりとなり、朝のほうが夕方より駐停車台数が多いことが分かる。とくに区間Bでは朝1.5時間で275台もの車 が駐停車している。

A - 駐停車時間  表2-3:区間@における駐停車時間の中間値
 区間@において撮影されたビデオ映像から一台一台の駐停車時間を計測する と各車両の駐停車時間の中間値として表2-3の結果を得た。これにより朝より夕方のほうが朝より駐停車時間が長 いことがわかる。われわれは、この理由として駐停車目的が朝と夕方とでは異なっているのではないかと考えた。

B - 駐停車目的
 区間@において撮影されたビデオ映像から一台一台の駐停車目的を観察したと ころ、朝は見送りのみ197台、夕方では見送りは27台、出迎えは36台となり、それぞれ図2-4に示したとおりとなっ た。なお、円の面積は駐停車台数に比例している。
  図2-4:区間@における駐停車目的の違い

C - 目的による車両別駐停車時間  表2-4:区間@における目的別駐停車時間中間値
 図2-5、図2-6は区間@における夕方、朝の車両別駐停車時間を表したグラフと なっている。横軸は駐停車車両の到着時刻(=駐停車開始時刻)を表し、縦軸はその時刻からどれだけの時間駐停車 していたかを示している。駐停車目的による駐停車時間の違いも把握しやすいよう駐停車目的によってもグラフを分 けている。夕方のグラフを見ると出迎えの方が見送りよりも明らかに駐停車時間が長いことが読み取れる。
 なお、目的別に駐停車時間の中間値を求めたのが表2-4である。
図2-5:区間@における車両別駐停車時間 - 4月30日(金)16時50分〜18時20分
図2-6:区間@における車両別駐停車時間 - 4月28日(水)6時45分〜8時15分

2-4-2.事後調査

 表2-5は撮影されたビデオ映像を観察して一台一台の動きを追いかけ 累計駐停車台数を調査した結果である。カッコ内の数値は事前調査の結果との比較を示しており、朝については大幅 に増加していることがわかる。これは事前調査が大型連休期間中であったことから、通常より通勤・通学をする人が 少なかったためと考えられる。
 これだけの路上駐停車台数がありながらも、駐車場の利用台数は1.5時間で朝が24台、夕方が22台となった。最も 利用されているときでも6台と、残念ながらあまり利用されていないことが判明した。
 表2-5:1.5時間あたりの累計駐停車台数




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