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背景・目的
| まず、「社会的ジレンマ」の定義について説明する。藤井聡の著書、社会的ジレンマの処方箋 (2003 ナカニシヤ出版)によると、社会的ジレンマとは、「長期的には公共的な利益を低下させてしまうものの 短期的には私的利益の増進に寄与する行為(非協力行動)か、短期的な私的利益は低下してしまうものの 長期的には公共的な利益の増進に寄与する行為(協力行動)のいずれかを選択しなければならない社会的状況」と定義されている。 この定義に基づいて、私たち社会的ジレンマ班は、「大学内におけるエレベータ利用、 階段利用についての社会的ジレンマ」をテーマに設定した。 大学構内のエレベータにおいて、必要以上のムダ利用が存在しているのではないかと考えた。 エレベータのムダ利用を減少させれば、1.環境への負荷の減少、 2.階段利用による、個人の健康維持という2つの効果が期待できる。筑波大学の鍋倉賢治准教授の研究によると、筑波大生は都内の大学生と比べて運動量が少なく、 2005年に行われた調査によって、「筑波大生は日本人の60〜80歳の一日に相当する歩行量しか歩いていない」 ことが判明している。キャンパスや町が広大過ぎるために、歩ける距離でも乗り物を使うことが原因とされている。 「エレベータの無駄利用」と「歩ける距離でも乗り物を使う」という行動の根源にある意識は 同じものであると考えられる。エレベータの無駄利用を抑制し階段の利用を推奨することで、 この意識に変化を与え、これ以外の行動にも効果・改善を期待できるのではないかと考えた。 そこで、エレベータ利用を減少させるために、コミュニケーションツールを用いて、 それが人々の行動にどのような影響を与えるのかを検証する。 また、この調査におけるエレベータのムダ利用は「2アップ3ダウン」の概念を基準にしている。 「2アップ3ダウン」とは、エレベータを使用する際、2階分以内の上り (2アップ)、 3階分以内の下り(3ダウン)程度であれば、階段を利用することを促進し、消費電力を削減しようとする考え方である。 同時に、階段利用による適度な運動も行え、健康増進にも繋がると考えられている。 本実習では、エレベータ利用を抑制し、階段利用を推進することから、人々の環境意識、健康意識に変化を与えることを目的としている。 |