.研究の背景

大学の食堂やペデストリアンデッキ上などで,大学見学に訪れている高校生の団体をよく見かける.さらに,年々見かける頻度は増えている,という点は私たち班員の一致した意見だった.

 

 

そこで,本学広報課広報室がまとめた過去4年分の大学見学に関する資料をもとに,見学者数の推移をグラフにしたものが図1-1である.見学者数は2005年にいったん減少したものの,それ以降は増加し続けいていることがわかる.

 

次に,筑波大学とともに筑波研究学園都市の核といっても過言ではない各研究所の見学者数を調べることにした.学園都市内の研究所見学の受付・調整などを行う「つくばサイエンスツアーオフィス」が把握した見学者数は図1-2のとおりである.なお,今年度の数字は4月末時点ですでに見学した人数・校数とその時点で予約を入れた人数・校数の合計であり,今後さらに増える可能性がある.グラフからは,サイエンスツアーオフィスが開設された2005年度以降,見学者数が右肩上がりの傾向にあることが読み取れる.筑波大学だけでなく,筑波研究学園都市全体でも見学者は増加傾向にあることがわかった.

なお,見学者の内訳を見ると,筑波大学では見学者の大半,学園都市全体でも2005年度からの累計人数のうち65%が高校生であるという事実から,本研究では見学者の中でも高校生に焦点を当てることにする.


ただ,筑波研究学園都市に生活している私たちにとって,大学や研究所を見学目的で訪れる方々の行動パターンや見学にどのような意識を持っているのかということについては,ほとんどわからないのが現実である.この点を明らかにしたいというのが本研究を進める動機の1点目である.

また,大学や研究所の見学受け入れは本来の教育・研究業務の合間に行うボランタリーな取り組みである.見学者数の増加の一方で,受け入れ体制は十分に整っているのか検証する必要があると考えたのが本研究を進める動機の2点目である.

1−2 研究の目的

これまでに示した本研究の背景をもとに研究目的として次の3点を設定する.

     筑波研究学園都市への来訪者を対象に,行動パターンや意識,満足度など実態を明らかにすること

     筑波研究学園都市の見学者の受け入れ状況の実態と問題点を明らかにすること

     上記2点で把握した現状をもとに筑波研究学園都市での見学をより充実したものにするための方策を提案すること