5.今後の展望


 前章で筑波大学見学のみに焦点を絞った学生ガイドの実施を提案したが,この提案のみで,筑波研究学園都市が
来訪する高校生や一般のすべての人に満足してもらえる見学・研修先になるわけではない.先にも挙げたように,
研究施設の受け入れ体制や見学者の事前学習の不足といった問題もある.

  まず,今回の研究では研究施設に関しての受け入れの規定や現状を調べて切れていない.今後詳細に調べて新たな提言を行っていく必要がある.ヒアリング調査から一部研究施設の受け入れ規定が明らかになっているが,それを補うものとして,大学の学生ガイドのように研究施設のガイドをNPOなどの形で組織化・制度化するなどが考えられる.しかし,大学のガイドは学内を案内できる程度の知識があればよかったのとは違い,研究施設のガイドはその研究分野の専門的な知識が必要とされる.この専門的な知識を持つ人員をどのように確保するかが今後の課題となってくるだろう.

  次に事前学習についてである.図2-30で見学前期待値と満足度の正の相関が示されているとおり,見学対象への興味と見学の充実度は密接な関係と言える.これより,見学者一人一人の興味を高めることが大切ということがわかる.パンフレットやWebページ,さらには学校で行われている理科教育などを充実させ,研究施設ごとの研究分野,そして筑波研究学園都市のPR活動を行っていかなければならない.そして何より,興味の源泉となる科学への関心を高めなければならない.

 以上の施策や学生ガイドにより,科学都市・つくばの魅力を最大限に発揮し,社会に還元していく.筑波研究学園都市を科学を研究するだけの街ではなく,将来の人材も育成し,研究したくなる街,学びたくなる街・つくばにしていく.