分析・考察


●春日4丁目のアンケート調査
前記した実験群と制御群のごみの総数を比較したところ、図3のような結果が得られた。コミュニケーションを図った実験群についてはごみの総数に減少がみられたのに対し、コミュニケーションを図っていない制御群についてはごみの総数が増加していることが分かる。特に、実験群@とAについては減少幅が大きく、チラシやポスター、カレンダーの効果があったと考えられる。 それを検証するためアンケートについてt検定を行ったところ、表5のように実験群@と実験群A、Bについては、道徳意識・実行意図・行動意図・知覚行動制御・行動において、5%水準で有意となった。つまり、私たちが作成したチラシ・ポスターがそれら5つの項目に有意に効いたのである。 また重回帰分析によって、私たちが作成したチラシ・ポスターが心理的要因に作用して、道徳意識に変化をもたらし、それが行動意図→実行意図→協力行動への実行へと繋がったことが分かった。(表6、図4) 尚、私たちが作成したチラシ・ポスターについては配布されたものを参照して頂きたい。    

図2
図2:1回目の調査を基準にした時の、2回目のごみ袋の数の割合


表3
表3:段階間比較と群間比較の結果


表4
表4:重回帰分析の結果


図3
図3:行動変容プロセス

また、2回目のアンケートに、「燃やせるごみ以外の指定ごみ袋は必要だと思いますか」という項目を追加したところ、図5のように実験群@がA、Bに比べて高い値を示した。このことはチラシ、ポスターが心理的に作用して実験群@のごみ問題に対する構造的方略の受容意識が高まった可能性が示唆されたのかもしれない。また同時に、心理的方略を行っていない場合には、構造的方略に対する受容意識が低いということも示している。  つまり、心理的方略を行わずに構造的方略を行ったとしても、その効果はあまり期待できないし、反感をかう可能性が高い(受容してもらえない)ということである。さらに、私たちは心理的方略を積極的に行えば行動が変化すると仮説を立てたが、これらの結果によって、心理的方略のみに頼ったり、構造的方略のみに頼るよりも、心理的方略の後に構造的方略を行うことで、大きな効果が期待できるということが考えられた。

     図4
図4:指定ごみ袋に対する意識調査(5段階)