4.調査内容
  小学校の空き教室を有効利用することで、介護予防を充実させることにした。そこで、まず全国での先進事例を調べた。そして、その中の一校である「霞ヶ関東老人デイサービスセンター」を訪れた。 また、つくば市の高齢者人口とデイサービスセンターの立地関係について調査した。 同時にアンケート内容と、現在のつくば市内の小学校の空き教室調査を行った。


  4-1.先進事例調査
小学校の余裕教室をデイサービスセンターに転用した事例
  • つくし野デイサービスセンター(東京都町田市)
  • デイサービス鶴川(東京都町田市)
  • 谷中デイサービスセンター(東京都足立区)
  • 松渓ふれあいの家(東京都杉並区)
  • 昭和高齢者住宅サービスセンター(東京都文京区)
  • たなかデイホーム(東京都台東区)
  • ケアコミュニティ原宿の丘(東京都渋谷区 廃校利用)
  • 市川国府台デイサービスセンター(千葉県市川市)
  • 芝南れんげそう(埼玉県川口市)
  • 霞ヶ関東老人デイサービスセンター(埼玉県川越市)


6月1日 霞ヶ関東老人デイサービスセンター
    概要
  • 事業主体:社会福祉法人 キングス・ガーデン埼玉
  • 事業内容:デイサービスセンター
    総括
  • 余裕教室の転用には、設置時や改修において課題・難点がある。
  • 介護予防の充実・近くにある・小学生との交流という利点がある。


  4-2.GISマップによる調査

  まず、つくば市の地区ごとにおける高齢者人口密度とデイサービスの位置をまとめた。(下地図)色が濃くなればなるほど、密度が高くなっている。ここより、高齢者人口密度に偏りがあることが分かる。

つくば市の人口予測
図4−1:地区別の高齢者人口密度とデイサービスセンターの分布

  次に、現在あるデイサービスセンターから車で5分、10分圏を求めバッファ表示した(下地図)。すると、このバッファーにカバーされていない地域があった。黄色で、示した地区がそうだ。

つくば市の人口予測    
図4−2:各デイサービスセンターの圏域

  次に、将来的な高齢化率についてみます。(下左表) ここから、筑波、茎崎の2地区が特に高い値を示していることがわかる。この2地区を地図にしめした。(下右表)この2地区を比較すると筑波地区の方が、よりデイサービスセンターが存在していない。 そこで、僕たちは筑波地区を対象地区として選定した。

つくば市の人口予測    
図4−3:地区別の高齢化率推計


  4-3.ニーズ調査
  私たちの提案が妥当であり、空き教室を利用したデイサービスセンターを設置したときに、うまく機能するかどうかを確かめるために、地域住民とデイサービスの利用者それぞれに、アンケートを行った。
  アンケートを実施する地区としては、施設の不足している筑波地区内の筑波小学校の学区内で行い、デイサービスセンターへのアンケートは、シニアガーデン、作谷長寿園、新つくばホームの各施設にお願いして実施させていただいた。詳細は以下のようである。
                 
表4:アンケート調査の概要
   地域住民アンケート デイサービスセンター利用者アンケート
実施期間 6月6日(水)〜6月8日(金) 6月6日(水)〜6月8日(金)
対象者 つくば市の北東に住んでいる60歳以上の高齢者 デイサービスセンター利用者
配布先 国松・上大島・沼田・筑波 シニアガーデン、作谷長寿館新つくばホーム
方法 ポスティング、手渡し 聞きこみ調査
配布数 541部 108部
回収数 113部 81部
回収率 20.8% 75.0%
調査内容 ・個人属性
・デイサービスセンター選択の際に重視する項目
・子どもとの交流
・地域住民アンケートと同様の内容
          +
・ デイサービスの満足度




  4-4.空き教室調査

  現在の空き教室の実態を把握するために、6月4日の15時頃に電話による調査を行った。結果は下地図とおりである。

つくば市の人口予測    
図4−4:つくば市小学校の空き教室数