4.問題提起
4-1. 管理体制による問題
・管理者と住民の認識の相違
所有者(関東財務局・筑波大学等)、管理者(住宅管理協会)の2者は
予算的制約上植栽に手をかけることができない状況にある。
2者は植栽管理に関して住民が主体になってやってもらうことを望んでいるが、
住民には伝わっていないことがアンケートから明らかになった。
この認識の不一致を無くせば、管理の主体が誰であるのかが明確になり、
管理が円滑になるのではないだろうか。
・市と自治会の管理区域境界線付近の植栽の手入れ
公園通りや市道沿いに生えている植栽は市が管理している。
公務員宿舎の敷地と接している通り沿いに生えている植栽は
一部が敷地内にはみ出し、宿舎の住環境に悪影響を及ぼしている。
しかし、市の管理している木々は宿舎住民が勝手に切ってはならないので、
住民を悩ましている。
また、市は定期的にパトロールして植栽を管理しているが、
宿舎敷地内の植栽は年2回しか手入れされていないため、
境界付近では景観の不一致が起こっている。
4-2.戸建て住宅の庭の手入れに関する問題
・植栽の手入れに消極的な住民の庭
戸建住宅は、庭の手入れが行き届いている敷地と荒地になっている敷地とで差が出ている。
戸建住宅の住人には、庭づくりが好きな住人とそうでない住人がいるようである。
そして、世帯用の戸建住宅に単身赴任者や乳幼児のいる家庭では
庭にかけられる時間がおのずと少なくなる。
負担を少なくしていくためには周りの住民の協力も必要なのではないだろうか。
戸建住宅の庭の植栽管理に対しては、整備の最低ラインを設け
草刈のむらを解決することが必要なのではないだろうか。
・空き室の管理の行き届いていない庭
空き室の庭は住宅管理協会の管轄なので、住民が勝手に植栽の手入れを行うことができない。
これにより、花壇や芝生などの手入れがされないまま放置されている。
この繁茂した植栽は道路や隣の敷地まではみ出し、悪影響を与えている。
4-3. 木の剪定に関する問題
木の剪定に自治会費の大半を費やしている現状では、
今より多くの高木の手入れをすることが困難である。
しかし、防犯や治安の面での不安を住民が感じているということがアンケートで分かった。
30年が経過して巨大になった高木に関して、
配置や繁殖状況をふまえて改善する必要があるのではないだろうか。
現状よりも樹木の本数を間引くことができれば、
防犯・治安面において好ましい居住環境になると考えられる。
樹木の管理自治会費の予算面においても、樹木を監理しやすい状況になるのではないだろうか。