今回の調査より、コミュニケーションは人々の意識を改善し、行動変容に
有意に働く傾向にあることが分かった。つまり、コミュニケーションによっ
て迷惑駐輪を減少させることができるということである。しかし、コミュニ
ケーションなどの心理的方略だけでは迷惑駐輪をなくすことはできない。心
理的方略と共に、構造的方略を行う必要がある。
 筑波大学においては、心理的方略として、新入生に対して迷惑駐輪抑止の
チラシや駐輪マップを配布することが有効だと考える。チラシには、良い駐
輪意識の形成を、また駐輪マップには学内の駐輪場の配置を理解してもらう
ことを期待している。筑波大学での駐輪習慣が形成される前に、チラシや駐
輪マップを見ることによって、良い駐輪習慣を形成してもらうのである。ま
た、今回の調査の失敗として、チラシの黙読を徹底しなかったことが挙げら
れることから、入学時のオリエンテーションで自転車駐輪に関する講義を行
うことが非常に有効だと考える。
  しかし、新入生に良い駐輪習慣を形成する為には、在学生が良い駐輪習慣
を持っていることが必要不可欠である。なぜならば、迷惑駐輪が毎日のよう
に行われている現在の状況では、新入生が「迷惑駐輪は悪いことではない」、
「みんながやっているからいい」といった考えを持つようになり、良い駐輪
習慣を形成できないからである。そのため、在学生に対してもチラシ・駐輪
マップの配布を行うと伴に、駐輪区域の明確化を行うべきである。また、院
生のインタビューでもあったように、メールによる注意も有効であると考え
る。さらに、現在もライジングサンによる移動(極端にひどい駐輪の場合)
が行われているので、それをさらに徹底してもらい、学生に「迷惑駐輪する
と移動させられる」という意識をもってもらうと効果的である。駐輪区域の
明確化を行う理由は、現在駐輪区域を表す白線が不鮮明なことに加え、比較
的低コストで実現できると考えたからである。
 こうすることで、迷惑駐輪のない環境を継続していけると考える。

<対在学生>
チラシ、駐輪マップの配布
メールのよる注意(例:今後は指定区域外の自転車は積極的に移動します。)
             ↓
<対新入生>
チラシ、駐輪マップの配布(オリエンテーションなどで講義・黙読)

<その他>
駐輪区域の明確化
ライジングサンによる積極的な移動