今回の調査で、コミュニケーションは道徳意識、行動意図、実行意図に影響を
及ぼすことが分かった。それは、上記の3つの項目が、実験群が御群に比べて明
らかに高い数値を示したことから明らかである。
行動変容オプロセスで見ると、道徳意識から行動意図、そして行動意図への流れ
は有意であるといえる。また、ミュニケーションは行動変容に比較的有意に働い
ていることが分かった。しかし、コミュニケーションが行動変容に与える影響は
大きいとは言えず、実際に迷惑駐輪の明らかな減少は見られない。
 その理由として、コミュニケーションのチラシを配布した際に、被験者にチラ
シに目を通すことを徹底しなかったことが挙げられる。チラシを配布した時間は、
授業の間のわずかな時間であり、被験者の中にはチラシにしっかりと目を通すこ
とを行わなかった学生もいるだろう。また、アンケートも同様に授業の間に急い
で答えてもらったため、その内容についても信頼性に欠ける。このようなことが、
実験の結果に影響を及ぼしたと考えられる。