1.利用時間の提案
  筑波大学において、学内教職員を対象にアンケートを行ったところ、保育施設を選ぶ際に「保育時間」に最も重点を置いている事が分かった。

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図6-1.【大学教職員アンケート】保育施設を選ぶ際に重視するもの(n=32)



  現在計画中である学内保育所の利用時間は7:00〜21:00までの14時間の予定である。

  ここで、保育時間に対する要望を明らかにするために、現在または過去に子どもを保育施設に通わせていた大学教職員に学内保育所の希望する開所時間および閉所時間を聞いた。また、実際の保育施設の開所・閉所時間を聞き、二つを比較することで、開所時間のニーズは満たしていることが分かった。

  一方、閉所時間に関しては、21時以降の延長保育を希望する声が見られており、このような人の要望にいかに対応していくかが課題となる。

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図6−2:【大学教職員アンケート】閉所時間の現実と理想(現実n=86 理想n=122 複数回答有り)


  21時以降の延長保育を希望する人の所属の割合を調べたところ、医学教職員が82%という高い数値を示した。これは、医学教職員の変則的な労働形態によるところであると推測できる。実際に、大学教職員を医学教職員とその他の教職員に分けて勤務終了時間を調べたところ、以下のグラフが得られた。医学教職員のニーズを満たすためにも、21時以降の延長保育が必要であることが言える。

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図6−3:【大学教職員アンケート】医学・その他の教職員別平均勤務終了時間(医学n=30 その他n=48)



  現在、筑波大学周辺(追越共用棟から半径2キロメートル)で21時以降の延長保育を行っている保育所はあおぞら保育所(下平塚)とすみれ保育所(小野崎)のみであり、医学教職員の多くはこの二つの保育所を利用している。

  仮に、学内保育所が21時以降の延長保育を実施することができれば、医学教職員による学内保育所の利用が可能となり、より職場に近いところに子どもを預けることができる。そして何よりも、学内関係者を対象に開かれる保育所として、医学教職員のニーズに応えるためにも、21時以降の延長保育は必要不可欠だと考える。


  ただし、延長保育を提案するにあたって、それに伴う課題があることは無視できない。
  1つ目の課題として、長時間保育による子育て環境のあり方を考える必要がある。子ども達にとっては遅くまで保育所に残ることで、寂しい思いをする子もいるだろうし、お腹が空く場合もあるだろう。そこで、保育時間が長くなるにつれ、保育所にも家庭に近い環境が必要なのではないかと考える。余裕があれば、保育所の中に家庭の居間のような空間を演出し、少人数で、食事をしたり、テレビを見たりというような家庭に近い過ごし方ができればと思う。また、職員もくつろぎながら保育ができる工夫も必要であろう。
  2つ目は、運営面での課題である。保育時間が長くなっていくのとは反対に職員の労働時間は週40時間制となっており、勤務時間は短縮されてきている。職員より子どものいる時間の方が長くなりかねないのだ。そんな中、ローテーションだけではまかないきれなくなっているのが現状で、パート職員やアルバイトの人たちが関わりながら毎日の保育をしているわけであるが、適当な人材をみつけるのも容易ではない。
  他にも、延長保育することで、運営コストがかかる事も大きな課題である。


  2.駐車場の提案
  大学内教職員向けに実施したアンケートにおいて、『学内保育所を利用したいと思う』と応えた人のうち送迎手段として車を用いると応えた人が約75%を占めていた。保育所利用者のうち大学病院関係者の割合が高いことを考えると、駐車場の需要自体はそれほど多くないかもしれないが、それでも少なくとも何台かは学内に乗り入れて駐車しようとする人が出てくるのではないかと考えた。
  そこで、車で送迎する際のルートについて、一番近い場所に車を駐車すると考えると下図の破線部分のようになると考える。
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図6−4:車で送迎する際のルート


  この場所はふだん主に学生が徒歩や自転車で通る道なので、車が何台も乗り入れてしまうと危険度が高くなってしまう可能性がある。また、保育所の裏ということもあり急に子供が飛び出してくる可能性もある。
  よって、安全性の面からも考えて車が通る場所、駐車できる場所をきちんと確保しておく必要であると考えると考える。

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  図から読みとれるように平日の1限が始まる前後と夕方6時ごろに自転車台数が多くなる。この時間帯は保育所利用者の送迎時間と重なる可能性があることが分かる。
  よって、両者の安全性を確保するため破線部分の道路に歩道を設けるなどの整備をして人と車の分離を図ることが必要である。

  提案として以下のようなものを考えた。
    1.学内駐車場を一時的に保育所利用者に開放する
    2.人と車の分離

  1に関しては、筑波大学交通安全会によると駐車場の利用状況はほぼ満員状態であると述べられている。駐車場需要があまり高くないのではないかという予想と、送迎の場合滞在時間が短いという点から車数台分のスペースを確保できればよいと思うが、さらに検討が必要である。
  2に関しては、保育所利用者の送迎ルートに関して予測を立てたが実際にこのルートを使うかどうかは不確かである。そこで、さきほど予測したルートを保育所利用者の車での送迎ルートとして指定してしまうことを提案する。その際、道路整備をおこない歩道などを設け人と車の分離をはかる。これによって交通マナーの悪化を防止し、歩行者の安全を確保することができると考えた。



  3.防犯・安全に関する提案
  今回のアンケートで防犯・安全に対して不安が高いことが分かり、この点に関して現在保育所が入る予定である追越共用棟付近についての問題点を考えた。

ハザードマップ
図6−5:ハザードマップ



  利用者の防犯・安全に対する意識が高いのは、昨今、幼児などが被害者となる凶悪な事件が増加している事がこの背景にあると考えられる。

  今回、保育所が入る予定の追越共用棟に関しての問題点として、以下の2つが考えられる。

  提案として以下のようなものを考えた。
    1.施設の出入り口を明確に分ける
    2.保育所の入り口を一つにして、そこに警備員を配置する
    3.防犯カメラを設置する
    4.学生との交流を行う

  1つ目は、共用棟の2階は学生達が出入りするため、普通の保育所と比べて、不審者も容易に近づく事が可能であり、進入の危険性があるので、保育所とその他の施設の出入り口を明確に分けることで進入を防ぐというものである。
  2つ目として、現状では一階の保育所予定の建物にはいくつかの場所から入る事ができるが、その入り口を一つに統一しそこに事務などを設置し警備員を常駐させることで外部からの不審者の進入を防ぐとともに、子供たちが勝手に外に飛び出して事故に巻き込まれることなどを未然に防ぐ。
  3つ目は、防犯カメラを園の周りに数箇所設置する。また宿舎の警備を行っている警備会社と保育所も契約した上で、カメラの映像が警備会社と保育所の2箇所でチェックを行えるようなシステムにすることで緊急時の際にも即時に対応できることができると考えられる。
  4つ目は、筑波大学の学生に保育所の子供たちとの交流を促進する事で学生達の社会勉強になるとともに、これらの学生達の目も事故や事件に巻き込まれることの抑止力になるのではないかと考えられる。立地的に、追越宿舎周辺の学生が多く交流する事で監視の役割になると思う。この地区は医学・看護の学生も多いので興味なども強いと考えられる。


  ただこれらの提案で問題となるのは、金銭面に関する問題だと思うが、防犯・安全に対するに関心も強く、社会的にもこれらの点の充実がはかられていることから、月々の保育料に少し上乗せすることと、大学側の補助でこれらの設備を整えるべきである。