調査結果
1.家族構成と勤務形態

  地域アンケートでは訪問しながら調査票を配布したので、0歳〜5歳の子供のいる家庭を中心に回答が集まった。大学教職員アンケートでは子供のいる、いないに関係なくアンケート調査票を配布したので、全回答者における0歳〜5歳の子供のいる割合は小さくなっている。しかし、母数は大学教職員の方が多いので、割合でなく単純数で見ると大学教職員の0歳〜5歳の子供のいる家庭は地域に比べ少なくない。

【大学教職員アンケート】0歳〜5歳の子供のいる家庭の割合(n=127)
図5−1:【大学教職員アンケート】0歳〜5歳の子供のいる家庭の割合(n=127)


【地域アンケート】0歳〜5歳の子供のいる家庭の割合(n=74)
図5−2:【地域アンケート】0歳〜5歳の子供のいる家庭の割合(n=74)


  現在、保育対象年齢ではないが子供のいる家庭は下図のような割合で大学教職員アンケート、地域アンケート共に半数を超えている。これから、過去に保育対象年齢を育てた経験がある回答者が回答者の全数の半数を超えている、ということがいえる。図5-5・図5-6と合わせて、今回のアンケートの回答者は保育の経験がある家庭が大半である、といえる。

【大学教職員アンケート】6歳以上の子供のいる家庭の割合(n=127)
図5−3:【大学教職員アンケート】6歳以上の子供のいる家庭の割合(n=127)


【地域アンケート】6歳以上の子供のいる家庭の割合(n=83)
図5−4:【地域アンケート】6歳以上の子供のいる家庭の割合(n=83)


  子供の祖父母が同居する割合は大学教職員アンケート、地域アンケートのどちらの回答でも約2割であった。回答者のほとんどが核家族であるということがいえる。

【大学教職員アンケート】子供の祖父母のいる家庭の割合(n=127)
図5−5:【大学教職員アンケート】子供の祖父母のいる家庭の割合(n=127)


【地域アンケート】子供の祖父母のいる家庭の割合(n=83)
図5−6:【地域アンケート】子供の祖父母のいる家庭の割合(n=83)


  大学教職員アンケートでは、男性の職業別割合のうち大半が大学教職員である。女性では職種が多岐にわたっている。地域アンケートでは男性は大学教員、会社員の割合が高い。女性は専業主婦の割合が高いことがわかる。

【大学教職員アンケート】男性の職業別割合(n=124)
図5−7:【大学教職員アンケート】男性の職業別割合(n=124)


【地域アンケート】男性の職業別割合(n=82)
図5−8:【地域アンケート】男性の職業別割合(n=82)


【大学教職員アンケート】女性の職業別割合(n=115)
図5−9:【大学教職員アンケート】女性の職業別割合(n=115)


【地域アンケート】女性の職業別割合(n=82)
図5−10:【地域アンケート】女性の職業別割合(n=82)


  大学教職員アンケートも地域アンケートも8:30〜8:59の回答者が一番多く、それに近い時間帯で勤務を開始する人が多いという点で勤務開始時間は酷似しているといえる。

【大学教職員アンケート】勤務地までの時間(n=208)
図5−11:【大学教職員アンケート】勤務地までの時間(n=208)


【地域アンケート】勤務地までの時間(n=73)
図5−12:【地域アンケート】勤務地までの時間(n=73)


  大学教職員アンケートも地域アンケートも8:30〜8:59の回答者が一番多く、それに近い時間帯で勤務を開始する人が多いという点で勤務開始時間は酷似しているといえる。

【大学教職員アンケート】勤務開始時間(n=200)
図5−13:【大学教職員アンケート】勤務開始時間(n=200)


【地域アンケート】勤務開始時間(n=89)
図5−14:【地域アンケート】勤務開始時間(n=89)


  大学も地域も17:00〜17:59に勤務終了する人が多い。大学は18:00以降徐々に勤務終了していくが、地域は18:00を過ぎてからも終了時間にばらつきが見られる。

【大学教職員アンケート】勤務終了時間(n=197)
図5−15:【大学教職員アンケート】勤務終了時間(n=197)


【地域アンケート】勤務終了時間(n=90)
図5−16:【地域アンケート】勤務終了時間(n=90)


  交通手段は大学教職員、地域住民ともに車の割合が高い。地域住民では自転車の割合も高い。

【大学教職員アンケート】勤務地までの交通手段(n=238)
図5−17:【大学教職員アンケート】勤務地までの交通手段(n=238)


【地域アンケート】勤務先までの交通手段(n=115)
図5−18:【地域アンケート】勤務先までの交通手段(n=115)


【大学教職員アンケート】男性の年収(n=107)
図5−19:【大学教職員アンケート】男性の年収(n=107)


【地域アンケート】男性の年収(n=65)
図5−20:【地域アンケート】男性の年収(n=65)


【大学教職員アンケート】女性の年収(n=88)
図5−21:【大学教職員アンケート】女性の年収(n=88)


【地域アンケート】女性の年収(n=32)
図5−22:【地域アンケート】女性の年収(n=32)


2.立地

  大学教職員は、理想の保育所の理想の立地として、職場の近くと自宅の近くを挙げている(図5-25)。それに対し、地域住民は、職場よりも自宅の近くを好んでいる傾向が見られる。このことから、筑波大学の学内保育所は、大学教職員と地域住民両者からのニーズがあると考えられ、地域への開放の必要性が見られる。

【大学教職員アンケート】保育所の理想の立地(複数回答可n=117)
図5−23:【大学教職員アンケート】保育所の理想の立地(複数回答可n=117)

【地域アンケート】保育所の理想の立地(複数回答可n=80)
図5−24:【地域アンケート】保育所の理想の立地(複数回答可n=80)


  また、自宅から保育所までの所要時間については、理想よりも現実の方が短く、現状で満足しているという結果が得られた。このことからも立地条件の優先順位として、自宅から近い保育所を選んでいる家庭が多いことが分かる。

【大学教職員アンケート】自宅から保育所までの所要時間
図5−25:【大学教職員アンケート】自宅から保育所までの所要時間

【地域アンケート】自宅から保育所までの所要時間
図5−26:【地域アンケート】自宅から保育所までの所要時間


  保育所から勤務先についても同じことが言える。全体的に見ると図5-29より現実の方が理想を上回っていて、勤務先に近い距離にあることがわかった。

  さらに前ページに載っている自宅から保育所までの所要時間(図5-27、図5-28)と、下記に載っている自宅から保育所と保育所から勤務先までの所要時間(図5-29、図5-30)を比較すると、大学教職員も地域住民も、自宅から保育所のほうが近いことが分かった。

【大学教職員アンケート】自宅から保育所までの所要時間
図5−27:【大学教職員アンケート】自宅から保育所までの所要時間

【地域アンケート】自宅から保育所までの所要時間
図5−28:【地域アンケート】自宅から保育所までの所要時間


3.利用時間

  開所時間に関しては、大学教職員、地域を問わず、8:00〜9:30の時間帯に集中している。一方、閉所時間について見てみると、地域の現状は20時以降の保育施設の利用が見られなかった。やはり、大学教職員に比べると、早い時間帯で迎えに行くことが可能なようである。
【地域アンケート】開所時間の現実(n=42)
図5−29:【地域アンケート】開所時間の現実(n=42)

【地域アンケート】閉所時間の現実(n=42)
図5−30:【地域アンケート】閉所時間の現実(n=42)


  開所時間の理想は大学教職員とほとんど同じような傾向が見られ、8:30よりも早い時間帯での開所希望者が多い。また、閉所時間の理想を見てみると、こちらも大学教職員と同様に19:00〜21:00の時間帯の希望者が多い。また、4人と数は少ないが、21時以降の延長保育を求める声もある。
【大学教職員アンケート】開所時間の現実(n=68)
図5−31:【大学教職員アンケート】開所時間の現実(n=68)

【大学教職員アンケート】閉所時間の現実(n=68)
図5−32:【大学教職員アンケート】閉所時間の現実(n=68)


4.料金

  保育料に関しては、年収によって保育料が異なるのが一般の保育所にいえることである。今回のアンケートで分かったこととして、地域住民の年収に対する保育料の割合の満足度のグラフ(図5-40)のうち、最も「満足」の割合が集中しているのが、年収に対して保育料が1%〜3%であることが分かる。よって、保育料の最適な値段がわかった。しかし、教職員アンケート(図5-39)を見ると、保育料が年収の割合に対して高くても満足している人がいる。教職員は地域に比べて金銭面ではあまりこだわらないのであろうか。これは、教職員が地域に比べて保育料を重視していないというアンケート結果(図5-41)からも言える。
【大学教職員アンケート】年収に占める保育料の割合に対する満足度(n=73)
図5−33:【大学教職員アンケート】年収に占める保育料の割合に対する満足度(n=73)

【地域アンケート】年収に占める保育料の割合に対する満足度(n=33)
図5−34:【地域アンケート】年収に占める保育料の割合に対する満足度(n=33)

【大学教職員アンケート】保育施設重視項目(n=119)
図5−35:【大学教職員アンケート】保育施設重視項目(n=119)

【地域アンケート】保育施設重視項目(複数回答可n=79)
図5−36:【地域アンケート】保育施設重視項目(複数回答可n=79)


5.交通手段

  下の図を見て分かるように、ほとんどの割合の人が車を用いるまたは用いたいと考えている。
【大学教職員アンケート】保育所までの交通手段(n=96)
図5−37:【大学教職員アンケート】保育所までの交通手段(n=96)

【地域アンケート】保育所までの交通手段(n=42)
図5−38:【地域アンケート】保育所までの交通手段(n=42)


6.預け入れ年齢

  下記のグラフを見て分かるのは、現実の方が理想よりも全体的に幼少な年齢から保育所に預けていることがわかる。これは、本当は預けたくなくても、仕事の関係で早いうちから預けなければならない親が多いのではないかと考えられる。このグラフを見る限りでは、待機児童の問題はなさそうだと考えられる。さらに、教職員のほうが預ける年齢が低いことがわかる。これは、教職員アンケートのほうが、共働きの割合が高かったためだと考えられる。
【大学教職員アンケート】預ける年齢の理想と現実
図5−39:【大学教職員アンケート】預ける年齢の理想と現実

【地域アンケート】預ける年齢の理想と現実
図5−40:【地域アンケート】預ける年齢の理想と現実


7.待機児童

  大学教職員と地域住民の志望順位を見ると、さほど変わりがないように見える。両方とも、待機児童の数は少なく、9割の家庭が第一志望に入所していることがわかる。
【大学教職員アンケート】利用する(していた)保育所の志望順位(n=144)
図5−41:【大学教職員アンケート】利用する(していた)保育所の志望順位(n=144)

【地域アンケート】利用する(していた)保育所の志望順位(n=46)
図5−42:【地域アンケート】利用する(していた)保育所の志望順位(n=46)


  また、保育施設を利用していない人達の理由に関しては、「自分で育児をできるから」という理由が多く、大学教職員も地域住民にも待機児童は少ないことが分かる。
【大学教職員アンケート】保育施設を利用していない理由(n=24)
図5−43:【大学教職員アンケート】保育施設を利用していない理由(n=24)

【地域アンケート】保育施設を利用していない理由(n=34)
図5−44:【地域アンケート】保育施設を利用していない理由(n=34)


8.防犯・安全

  満足度に関しては地域、大学内教職員ともに大きな差はない。項目別に見ると保育料、施設の完備度、防犯・安全に対する満足度低く、雰囲気、保育士の質、教育方針、距離などの項目は高い。このグラフから読み取れることは、雰囲気、保育士など保育所のソフト面の質に関する項目に関しては満足度が高く、設備、防犯・安全などハード面の質に関する項目は満足度が低い事が分かる。保育料の満足度が低いのはやはり0歳〜3歳児までの保育料に関してである。
【大学教職員アンケート】保育所利用者の満足度(n=89)
図5−45:【大学教職員アンケート】保育所利用者の満足度(n=89)

【地域アンケート】保育所利用者の満足度(n=49)
図5−46:【地域アンケート】保育所利用者の満足度(n=49)


9.特別保育

  一時保育
  大学教職員と地域住民の一時保育利用割合は約25%で、その理由としては就労によるものが多い。

【大学教職員アンケート】一時保育利用の有無(n=88)
図5−47:【大学教職員アンケート】一時保育利用の有無(n=88)


【.地域アンケート】一時保育利用の有無(n=42)
図5−48:【.地域アンケート】一時保育利用の有無(n=42)


【大学教職員アンケート】一時保育利用の理由(n=18)
図5−49:【大学教職員アンケート】一時保育利用の理由(n=18)


【地域アンケート】一時保育利用の理由(n=7)
図5−50:【地域アンケート】一時保育利用の理由(n=7)


  休日保育
  大学教職員の休日保育利用割合は約25%で、理由は就労が多い。また、地域住民の休日保育利用割合は教職員よりも低い。

【大学教職員アンケート】休日保育利用の有無(n=75)
図5−51:【大学教職員アンケート】休日保育利用の有無(n=75)


【地域アンケート】休日保育利用の有無(n=38)
図5−52:【地域アンケート】休日保育利用の有無(n=38)


【大学教職員アンケート】休日保育利用の理由(n=20)
図5−53:【大学教職員アンケート】休日保育利用の理由(n=20)


【.地域アンケート】休日保育利用の理由(n=3)
図5−54:【.地域アンケート】休日保育利用の理由(n=3)


  病後児保育
  子供が病気になったときに看病するのは大学教職員、地域住民ともに母親と答える人が多かった。また、大学教職員では父親や祖父母といった回答も多く、父親も育児に参加していることが伺える。病後児保育と回答した方は少ない。

【大学教職員アンケート】子供が病気になったときに誰が面倒を見ているか(複数回答可n=92)
図5−55:【大学教職員アンケート】子供が病気になったときに誰が面倒を見ているか(複数回答可n=92)


【地域アンケート】子供が病気になったときに誰が面倒を見ているか(複数回答可n=49)
図5−56:【地域アンケート】子供が病気になったときに誰が面倒を見ているか(複数回答可n=49)


10.大学内保育所に際して
      (大学教職員アンケートにのみあった質問項目について)

  大学内保育所が開設されたら利用したい、と答えたのは回答者の45%であった。しかし、「いいえ」と答えた回答者のうち、大半の回答者の理由は「子供の年齢が対象外」「現在の保育施設に満足」「環境を変えることに抵抗がある」というように大学内保育所に対するネガティブな意見が理由になっておらず、これから保育する教職員にとって大学内保育所の需要はあるのではないかと考えられる。

 【大学教職員アンケート】大学内保育所が開設されたら利用したいか (n=111)
図5−57: 【大学教職員アンケート】大学内保育所が開設されたら利用したいか (n=111)


 【大学教職員アンケート】大学内保育所を「利用しない」と答えた方の理由(複数回答可 n=60)
図5−58: 【大学教職員アンケート】大学内保育所を「利用しない」と答えた方の理由(複数回答可 n=60)


  医学の教職員の需要に加え、病中病後の対応などの理由などから、大学病院付近に設置することが望ましいと答えた人が多かった。また、大学の中心に位置し平等などの理由から大学会館付近に設置することが望ましいと答えた人も多い。図書館情報学群については車での利用に便利という意見があった。

 【大学教職員アンケート】大学内保育所の立地について(n=56)
図5−59: 【大学教職員アンケート】大学内保育所の立地について(n=56)


  延長保育については72%とほとんどの人が求めている。大学教職員の勤務時間は保育施設利用者には厳しい設定になっているのか。一時保育は回答者の約40%、病後児保育と駐車場については回答者の約30%が求めている。24時間保育を求めているのは9割が医学の教職員である。

  【大学教職員アンケート】大学内保育所に求めるサービス(複数回答可n=61)
図5−60: 【大学教職員アンケート】大学内保育所に求めるサービス(複数回答可n=61)


【大学教職員アンケート】大学内保育所は地域住民の子供も受け入れるべきか(n=60)
図5−61:【大学教職員アンケート】大学内保育所は地域住民の子供も受け入れるべきか(n=60)

  「大学関係者の子供だけでよい」または「学内関係者の子供を優先するなら、地域住民にも開放をしても良い」という回答が87%とほとんどであった。学内に設置するのに、学内関係者が希望しても利用できない状況は避けたい、ということだろう。学内関係者を優先する、という条件をつければ地域開放「してもよい」「すべき」と答えた人は73%になり、地域住民からの要望があるのなら、この条件を守りながら地域住民にも開放するのが望ましいのではないか。